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2019.02.20

母になり「自分の母親のことを思う」あなたと実母の関係は?それぞれの母への思い


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子どもを産んで、「自分の母親」について改めて思うことがあります。母になったからこそ、母の存在をより強く感じる場面です。

それは時に辛く苦い思い出であったり、あるいは「うちの母親ってこんなにすごかったんだ」と思うことであったり、人それぞれ違います。でも、自分が母親という立場になって、「私のお母さんは」と違った視線で見つめる瞬間がくる。今回は4人のママたち、それぞれの「母への思い」を紹介します。

母になって思う「母と私」の関係

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「合わない母だけど、今は感謝している」
私は母とずっと「相性が悪い」と思っていました。父親とはすごく仲良かったんですが、母とはちょっとしたことでもムカムカしたり、まるで私のことをわかってないなと思っていました。
子どもを産んで里帰りをしなかったのも、母に私の子育てについて干渉してほしくなかったからです。でも私は乳腺炎になり、辛くて仕方なかった時に、母が実家から我が家に来てくれました。母が子どもを世話するやり方は、私がこうしたいと思っていたいこととは違っていたのですが、でも本当に嬉しそうに、愛おしそうに私の子どもを一生懸命世話してくれた。持病の腰痛があるはずなのに辛そうにはせず、私の夫に自分がいることで気を遣わせないように気配りしてくれる姿を見て、「孫だから可愛いんだ」と最初は思っていましたが、違う、私のことを心配しているから、ここまで世話をしてくれるんだ、とわかりました。
母になって、母の良さというか、母の気持ちというか、初めて思いやる気持ちが生まれました。今でも感覚的には合いませんし、正直話をしているとイライラすることも。でも、合わないけれど、私は大切に育ててもらってたんだなと、この時初めて実感しました。たとえ実の母であっても、性格が合わないってことはある。でも、子どもを育てるのが本当に大変なことだとわかってからは、母との距離が少しだけ縮まったような気がします。(Kさん)

「母となって、実母と自分の関係を見直すように」
ずっと実母とは薄い膜のような、何か隔てるものを感じていました。特に何か問題があったわけではないのですが、子どもの頃、同級生が「ママったらムカつく-!」とか言うのを聞きながら、そんな本音を吐き出せない自分に対するモヤモヤしたものがあったんですね。
結婚をし子どもを産んで、その子どもが小学校に入ったくらいから微妙な距離感を覚えるようになりました。わが子なのに、一番気を遣ってしまうんです。言いたいことが喉につまるような感じで、(まぁ、いいか)と子どもに話すのを諦めてしまう自分がいます。娘もあまり話しませんし、私に対して反抗はしないのですが、何か冷めた視線を感じてなりません。
結局、私も、娘との間に見えない壁を作ってしまっているのかな、私自身が母との関係をきちんと今からでも築こうとしないと、親として娘にまっすぐに向き合えないのかな・・・夫に話すと「何か問題あるわけでもないんだし、気にしすぎだよ」と笑われるのですが・・・。学童に迎えに行き、一緒に歩きながら、こちらの質問に「回答」する感じの娘に苛ついたり、自分が悪いんだと悩んだり、娘の成長と共に複雑な思いも増しています。

三つ子の魂百まで。生まれ育ちって怖いと思います。植え付けられたものって、無意識に出てきてしまうから。私も自分と母の関係を自分できちんと整理する時間を作ろう、子どもがもっと難しい思春期に入る前に、遅まきながら「自分自身と母の関係」を立て直すべきなんだと最近ようやく気づきました(Uさん)

お母さんへ「伝えたかった感謝の気持ち」

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「お母さん、今、あなたがいてくれたら」
母親を、数年前に亡くしました。結婚式の時にはすでに癌を患い、孫の誕生を楽しみにしていたのですが・・・。

今、3歳の娘は落ち着きがなく、大柄で気も強い。保育園の先生からも「他の子をぶったりする」「おウチでも少し気をつけて下さいね」と注意されたりで私も娘を叱ったり、不安に思ったり悩んでばかりです。生前の母がよく「あなたが小さい時は女の子のくせに乱暴で、ほうぼうに謝りに行ったりで大変だったわ〜」と笑って言っていたことがあり、ああ、今、母がいたら、色々と相談できたのになぁと思います。
背が高い私はよく男子に「のっぽ」「ドデカ女」と言われて憤慨したり、時には怒りながら泣いたりしていたのですが「泣いてどうすんのよバッカだねぇ、その男の子こそ、将来背丈のことで悩むかもよ〜、今はさ、背が高い女子のがいいの!モデルさんとかにもなれるんだよー」と一笑に付されました。
たぶん、娘の気性に苦労してたと思うんです。今、私がしているように。でも常に私を大事にしてくれて守ってくれた母のおおらかな愛情があったから、今の私があるんだなとわかります。孝行したい時に親はなし、と言われますが、「育ててくれてありがとう」「大変だったでしょう、苦労かけたね」「いつも笑ってくれてたね」そう伝えたかったなぁと本当に思います(Eさん)

 

「がさつな母の置き手紙」
看護師なのに、家ではがさつ、料理が下手で仕事を理由によく中華の出前とっていた母。「またラーメン餃子か」と当時の私は他の子が夕飯に「うちのママのハンバーグ、目玉焼きとチーズがのってておいしいよ」とか聞くと、ハンバーグいいなーーーー!!!、目玉焼きまでのってるのか!!!と羨ましく思ったりしたもんです。

そんな母なんですが、隣に祖母が住んでいたので、私はランドセルを置くとそちらで過ごすのですが、毎日、台所のテーブルの上に置き手紙をしてくれてました。汚い字で、フエルトペンで殴り書きなんですが、必ず「おかえり!!!」とでっかく書いてあった(笑)内容もほとんど同じ「手を洗え、うがいしろ、おばあちゃんちで宿題やること!」。
昨年、母を亡くしましたが、病棟でも看護師だった習慣なのか、周りの患者さんたちの様子ばかり気にしていて、頼りにされてました。そんな風に天職というべき仕事に就いて、定年まで「働けることは幸せ」と口にしていた母。途中で反抗した時期もありましたけど、ドカンと構えていてくれたなぁと思い出します。
小3の息子が学童を嫌がりはじめたので、学童を辞めさせました。そして私も今、朝出勤前忙しい最中でも、とにかく置き手紙を書いています。母と同じく、でっかく「おかえり!手洗う!オヤツ食べる!宿題やる!そしたら遊び行ってよし!」ほんの数行に、ニコちゃんマーク書いてます。

そしてたま〜に「頑張ってるね、いつも淋しい思いさせてごめんね」と書いています。私の母が年に1度か2度、そんな少しだけ長い置き手紙を書いてくれたことがあって、とても思い出に残っているので・・・息子に気持ちが通じているかなんていいんだ、お母さんはあなたのことを気にかけているよ、とメッセージを送り続けることに意味があるんだなぁと書く側になって初めて知りました。

そして、その手紙は子どもの為と言いながら、たぶん、自分自身のためでもあるんですね。働いて淋しい思いをさせてるかも、と感じてしまう負い目を少しでも減らすために、母も書いていたのだろうし、私も書いていることで「お母さんとして頑張ってる自分」と思ったりしているので。

「疲れた−、すまん、今日は出前だ!」と叫ぶ時、「ラーメンでいいわねーッ!」と染みだらけの中華屋さんの出前ちらしを手に、コート脱ぎながら廊下を走ってた母をふっと思い出して、お母さん・・・と懐かしく思い出します(Kさん)

母になったからこそ、母のことを思ってみる

母親と娘というのは、様々な思いを抱えています。同性だからこそ、わかることもあれば、苛つくこともある。一卵性母子などと言われ、友だちのような関係をいつまでも保つ母子がいるいっぽうで、母との関係に傷ついたり悩んだりしたまま、自分も母になり、複雑な思いを抱える人も少なくありません。

母親になって思う、母のこと。時に見つめ直す時間を持ってみませんか?

大橋 礼

大橋 礼

年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。


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