2019.12.10
離婚したいと考えたら参考に!シングルマザーの「リアルな声」
シングルマザーで働きながら子育てをしている女性は決して少なくありません。
実際に今、子どもがいて共働きをしながら、さまざまな事情や状況によって「離婚したいけど」と真剣に悩んでいる人もいるかもしれません。
現実的な問題として離婚を考え出している人や、たとえばの話だけど離婚してシンママとして暮らしていくってどうなんだろう、本当のところを知りたい、という人に向けて、シンママたちのリアルな声を届けます。
収入の問題が一番大きいという現実
「養育費はアテにできない」
離婚の原因や元夫の状況にもよるでしょうが、養育費をもらえる人はあまり多くないんです。最初だけで入金されなくなったという話もよく聞くし、そういう時も泣き寝入りがほとんど。結局、自分だけの収入で子どもを育てていかなくてはなりません。ひとりで年収400万以上稼いでいる女性がどれくらいいるのかわかりませんが、扶養範囲ぐらいの収入だったら離婚してスグに経済的な問題を抱えます(Aさん/39歳)
「実家のサポートがあれば」
環境によって大きく違います。フルタイムでバリバリ働き、高収入を得ているシングルマザーもいますが、子どもが幼い場合には大抵は実親と同居してるか、少なくとも実家近くに住んでるとか頼りになる身内がいるケース。離婚して、しばらくしてから地方の実家へ戻るシンママもけっこういますよ、やはり子どもが幼ければ幼いほど、実家のサポートが必要だからです(Mさん/32歳)
「託児所に預けて働いても結局収入は増えない」
民間の託児所に預けて働けばいいと安易に考えないほうがいい。残業もして土日出勤もいとわずに、男性なみの給料を得ようとすれば、認定保育園では無理な場合がほとんどで、無認可の保育園を利用することになります。夕飯をだしてくれる、夜半まで見てくれる、こうした託児所は当然料金も高い。そうなると残業代を考慮しても収支が同じくらいになってしまい、親子ともに負担が増えるのに、生活はいっこうにラクにならないというパターンも多いのが現実(Eさん/36歳)
「離婚前にやっておきたいこと」
私は事務職で共働きでしたから離婚しても収入ですぐに問題になることはありませんでした。でも、やはり夫婦でいた頃と比べると、自分だけの収入だと250万くらいですから、都内に住んでいたら本当に苦しいですよ。それと独身時代の貯金が少しだけあったのですが(元夫は知らない)それも家を借りたりするのに使い果たしてしまいました。もしできるなら多少なりとも準備期間を作り、貯金をする、安定した収入を得られるよう正社員として働き始めたり、良い待遇の勤務先に転職しておく、いざという時のために自分名義のクレジットカードを作っておく、結婚しているほうがやりやすいことをしておいたほうがいいと思います(Mさん/45歳)
厚生労働省による「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果の概要」を見ると、母子家庭で養育費を継続して受け取っているのは、わずか24%、平均月額は43,707円です。養育費だけで生活するのは到底無理な話ですし、そもそも相手に支払う能力がない・支払う意思がない、あるいは母親のほうで「もう関わりたくないから」養育費の取り決めをしなかったケースもあります。
さらに母子家庭の母親が働いて得ている収入の平均年収は200万円、手当等を加えても240万円強です。実家等の援助などがあれば年収300万円台が中心となるようですが、要するに身内の助けがなければ、かなり厳しい現実が待っているということです。
共働きといっても、契約社員や派遣であったり、扶養内で働いている女性が多いことから考えても、離婚にあたっては、必ず「収入という問題」が出てくると覚悟する必要がありますね。
参考:平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果の概要/厚生労働省
「母子家庭」父親がいないことによる子どもへの影響は
「子どもに淋しい思いをさせているのではと悩んだ」
父親がいないことで肩身の狭い思いをするといったことは、目に見えて何かあるってことは、ないと思うんですね。今は母子家庭もクラスにひとり、ふたりはいますし、昔ほどは偏見の目はないと思います。ただ、自分自身が負い目を感じるというか、子どもに淋しい思いをさせているのではないか、と特に最初の数年、子どもが幼ければ幼いほど感じるかと思います。私自身「そうじゃない、ひとりでも一生懸命子どもを大切にして頑張ろう」と切り替えるまでが大変でした(Oさん/44歳)
「母と子ふたりのライフスタイルを確立して」
はっきり言って、それはもちろん、パパママ揃っていたほうがいいに決まっています。でも、一緒にいることで余計に子どもが辛い思いをするような環境であったり、母親が必死に我慢している、そのストレスが子どもに向かったり、人生が辛いものだと諦めるような生活がつづいたら、結局、子どもに良い影響はない。いまどき、シングルマザーは珍しくないし、それが最適の判断だったとブレずに母子でのライフスタイルを確立していくのが大事だと思います(Wさん/29歳)
「シンママ仲間や身内に助けてもらった」
よく言われるように、母子家庭は母が父親の役割もしなくてはならない、そういう時期やタイミングはあると思います。あとは友だちにはできない生活や子どものことでの悩み、愚痴を、本来は父親であるパートナーがいれば言えるのに、ということは時々感じます。
あとは夏休みとか、家族で旅行やキャンプに行くなんていう話が出てくると、お盆休みも別の仕事をいれて稼がなくてはならない私はいつも子どもに申し訳なく思い、落ち込みました。ただ、ありがたいことに地方赴任している兄家族が、義姉さんも良い人で夏休みに子どもを数日呼んでくれるんです。従兄弟たちと遊べて、海やプールに連れていってくれて、本当に助かりました。シンママ仲間で身内に頼れない場合も、数人で貸別荘借りて子連れで一泊するとか、子どもとふたりで日帰りバスツアーに行ったとか、工夫している人が多く、相談できる同じ境遇の知り合いがいるのも心強かったです。ひとりで頑張る!とやりすぎるよりも、少しでも子どもが楽しく過ごせるよう、素直に周囲の手助けを受け入れていいのではと思います(Kさん/37歳)
シングルマザーの決断「離婚を決めた時とそれからの日々」
「自分自身で答えを出すしかない」
離婚するかどうかって本当に悩むと思いますが、最終的に必ず自分自身で答えを出すこと。自分で決意した結果であれば、納得して頑張れるからです。それからヘンに肩肘はらずに、手助けが必要な時には身内はもちろんですが、理解してもらえる友だちにも素直に言うほうがいいかな、と私は思っています(Sさん/29歳)
「前向きな気持ちを忘れずに離婚と向き合う」
離婚は簡単ではない。大変です。まず家を出る場合にはその準備(家を借りるのだって簡単ではないし、お金が必要ですから)がありますし、家に残れたとしても前夫のモノを最終的にすべて処分できるまで、嫌な気分が残ります。ただ、時間がかかっても「新しい自分の人生を子どもと一緒に楽しくやっていこう」という、最初の気持ちを忘れずにいれば何とかなると思う(Kさん/39歳)
「離婚は大変だが決意して良かった」
養育費ももらえて、円満に離婚できるなんて人はごくわずか。何か問題があるから離婚するわけで、だいたい離婚するまでに大きな労力が必要です。調停から裁判へ、それで力尽きてしまいそうになるうえに、そのまま子育てしながら仕事をし、母子の家庭をひとりで支えていかなくてはならないんです。それでも私の場合、夫の借金問題、モラハラが酷かったので「どんなに大変でも別れて子どもとふたりで人生をやり直す」と固い決心があったから、できたのかなと思います。状況にもよるでしょうが、とにかく離婚は簡単ではない、でも、別れたあとは、いろいろ大変でも自分と子どもの為だから、同じ大変さでも希望があるんですよね。だから離婚してよかったと思っています(Sさん/42歳)
離婚は簡単ではないが・・・
離婚の理由も、離婚後の暮らしも、100人いれば100人違います。一概にこうしたほうがいい、こうすれば離婚後もうまういく、とは言えません。暴力を受けるような深刻で緊急を要する場合をのぞいて、離婚の決断は人生に対する決断であることを念頭に置いて、冷静に考え、そして結論は誰かに言われてではなく、自分で出すしかない、と腹をくくることが必要なのかな、と感じました。
誰の、どんな人生であっても、離婚に限らず大きな決断をしたあとは「これでよかったのだろうか」「もっと違う方法があったのでは」と心が揺れ動くときもあるでしょう。でも、いつか、どこかで「うん、いいんだよね、これで」と思えるように、離婚をするにせよ、しないせによ、母ゆえの強さと女性だからこその柔軟に対応できる力を信じてほしい。自分で出した結論を前向きに捉えて、進んでいってほしいなと思います。
大橋 礼
ライター
年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。