2020.02.04
明日から自分がより愛しくなる!女性ホルモンのすばらしさをぜひ知って!
最近女子力が…と思っているワーママのみなさまへ。仕事に家事に育児にどんなに忙しくて自分自身に気を使えていなくても、私たちのからだが女性らしくあるように守ってくれている女性ホルモンがあります。
それが「エストロゲン」です。
エストロゲンといえば生理や妊娠などで活躍するホルモンとして知られていますが、けしてそれだけではありません。
例えば更年期障害は女性ホルモンが減ってくることで起きてくる症状です。急に汗が出てきたり、なんだかいらいらしたり…ホルモンのバランスが乱れると女性って本当に影響を受けやすいのです。
高齢女性は男性よりも骨粗鬆症になりやすいと言われています。実はこれもエストロゲンの影響なのです。
今回はエスロゲンの役割のなかで、とっても重要だけどもあまり知られていないものをご紹介したいと思います。ぜひからだでがんばってくれているエストロゲンを明日から大切に思って、自分のからだを愛してあげてくださいね。
エストロゲンの役割って?
ホルモンは私たちの体に何種類も存在しています。どのホルモンもそれぞれの臓器を作り上げる細胞の膜にある受容体という場所にくっついて、その細胞に影響を与えるのです。
卵巣から分泌されたエストロゲンも血液にのって、さまざまな臓器へと届けられます。エストロゲンは子宮に影響を与えているだけと思っていたら間違え。実はエストロゲンの受容体は脳や内臓、皮膚、骨、血管などさまざまな場所に発現しています。
さてエストロゲンは私たちの血管を守ってくれているとはどういうことなのでしょうか。
血管の内壁には毎日さまざまな負荷がかかっています。年齢が重なると、生活習慣が高血圧などを引き起こし、傷つけられた内壁が元に戻ろうとどんどん厚くなっていきます。そして心筋梗塞や脳梗塞の原因となる動脈硬化へと進んでいくのです。
しかしここでエストロゲンが活躍します。
血管に作用したエストロゲンは血管の内壁を守り、しなやかに保って動脈硬化を防ぐ役割を果たしてくれています。またLDLという悪玉コレステロールを減らし、HDLという善玉コレステロールを増やすことで脂質異常を防ぎ、結果として血管への負荷を減らす役割も果たしています。
動脈硬化は大病のもと!若々しい血管に保ってくれているのはエストロゲンのおかげなんですね。
骨に与える影響も大きい!
骨は破骨細胞と骨芽細胞という2つの細胞があります。破骨細胞はその名の通り骨細胞を壊す細胞、骨芽細胞は骨を新しく形成する細胞です。
2つはうまくバランスを取っていて、古くなった骨を新しい骨で置き換え、常に強くしなやかな骨であるように設計されています。この“うまくバランスをとる”ためにとっても重要な役割を果たしているのが、エストロゲンです。
エストロゲンには破骨細胞の働きを抑え、骨芽細胞を刺激する作用があります。骨芽細胞の働きが骨破壊に追い付くように、非常に繊細にバランスを取ってくれているのです。
骨密度が下がり、中がすかすかになってしまうことで骨折しやすくなってしまう病気を骨粗鬆症と言います。閉経期の女性に多いと言われています。
治療のひとつがホルモン補充療法。足りなくなった女性ホルモンを補うという方法です。それくらい女性ホルモンが骨に与える影響が大きいということですね。
大事な仕事や約束にもエストロゲンを活用しよう!
脳の働きは常に神経伝達物質というものに支配されています。シグナルがあると神経伝達物質が次の細胞に向けてシグナルの続きを送っていくのです。
神経伝達物質で有名なのは、おそらくみなさんが聞いたことがあるアドレナリンやセロトニンなどです。
エストロゲンが脳に作用すると心を落ち着かせるセロトニン、やる気を起こすドーパミン、テンションをあげるアドレナリン、認知機能を高めるアセチルコリンの分泌が増えると言われています。
エストロゲンが最も分泌される時期は月経後から排卵までの2週間と言われています。この時期は女性のからだの働きからすると最も活性化している時期。
なにか大切な仕事や約束はこの時期にいれるとホルモンが大きくバックアップしてくれるかもしれません。
女性にとって極めて重要
エストロゲンによる女性への恩恵で最も大切なのは、やっぱりお肌の潤いを保ち、髪の毛を艶やかにするという作用でしょう。女性の肌は女性ホルモンによって大きく守られているのです。
エストロゲンは皮膚に作用し、皮膚の保湿成分として大切なヒアルロン酸やコラーゲンの生成を促進しています。また髪の毛に対して成長促進し髪の毛に艶を与えるような役割があります。
最近肌が荒れてきた!というかたは慌てて高い化粧品を買わず、生活リズムやストレスフリーな生活などを見直してホルモンバランスを整えるというのが根本的な解決にはよいかもしれませんね。
エストロゲンの大切な役割、それは膣や外陰部を健康な状態に保つということです。つまり常に潤いがある状態となるよう支える働きがあります。
みなさんがよくおっしゃる「濡れる」というのは、実は充血によるもの。つまり血管から溢れ出た分泌物が膣のなかに溢れ出ている状態を指します。
エストロゲンは膣や外陰部周囲の血管を正常に保ち、この濡れる力を助けスムーズな性生活ができるように支えてくれているのです。
しかし濡れることは性生活のためだけに必要なことではありません。細胞が適度に保湿されている状況を維持することで、掻痒感などの不快症状だけではなく、尿漏れなど続発的に起こる病気を防ぐことができるとされています。
最近膣トレという言葉もありますが、エストロゲンが膣や外陰部の健康を保ってくれるおかげで防げる女性特有の病気たくさんあることをぜひ覚えていてください。。
女性であることを楽しんでいきましょう!
さて、ここまでエストロゲンが私たちのからだを女性らしく保つために果たしてくれている大切な役割をご紹介してきました。
エストロゲンに守られている自分の体を少し感じることができましたでしょうか。
エストロゲンの恩恵を受けるにはなんていったってホルモンバランスを保つことが大切です。日々規則正しい生活をし、偏りのない食生活を意識し、できる限りストレスをため過ぎない生活を心がけましょう。
またちょっと更年期かな?という方は大豆に含まれるイソフラボンを摂取することで女性ホルモン様の作用を果たしてくれると言われています。
また更年期の不快な症状に対してはホルモン補充療法も一つの大切な対処方法です。悩まず近くの婦人科に相談しましょう。
明日もまた仕事…それでも自分の女性らしさを守ってくれている女性ホルモンの存在を意識できただけでからだへの愛おしさが全く変わってきます。ぜひまた明日も女性であることを楽しんでいきましょう!
宮本さよ
ライター/看護師