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2019.09.11

ワーママこそ行ってほしい!「子宮頸がん検診」のススメ



仕事、家事、育児で毎日せわしなく過ぎていく日々。あれもやらなくちゃこれもやらなくちゃ!と思いながらついつい自分のことは後回しになってしまいがちです。
例えば“子宮頸がん検診”はどうでしょう。市区町村のがん検診として20歳以上は2年に1回の検診をするよう勧められています。
日本の子宮頸がん検診受診率は42.3%。(2016年,がん情報サービスより)世界水準からは極めて低い数字です。
がんは年をとったらなるもの、と思ったら大間違い。子宮頸がんは20歳代後半から40歳代前後までに急激に罹患率(がんになる確率)が高くなります。
子宮頸がんは「マザーキラー」という異名がつくがん。第2子を作ろう、と思ったときには子宮を摘出しなくてはいけない!ということも。
検診に行かれていない方も行かれている方もぜひ知っておいていただきたい知識をお伝えしたいと思います。

 

子宮頸がんの基本のき


子宮頸がんは年間約10900人の方がかかる病気です。さらに年間約2900人の方が子宮頸がんで命を落としています。数字でみると意外に多いな…と分かります。
子宮頸がんの発生は「ヒトパピローマウイルス(HPV)への持続感染」とつながりがあります。HPVはセックスで感染することが知れているウイルスです。
このウイルスはセックスをしたことがある人の半数以上の方が一度は感染している、あたりまえのようにいるウイルスです。ただしほとんどは一過性の感染で2~3年以内に自然消失します。ごく一部の方で数年~数十年の長い時間をかけて感染が持続し、「異形成」を経て「子宮頸がん」になります。「異形成」からがんに伸展する方は約20%と言われています。
感染してもがんになる人はわずか。でも約半数以上の人がHPVに一度は感染しているのですから、自分は大丈夫!と言い切れるわけではなさそうです。
またHPVへの感染以外にも喫煙が危険因子であることも分かっています。

 

どんな治療をすることになるの?

がんは進行の程度によって「ステージ」で分類されます。聞かれたことがありますか?
子宮頸がんも0期~Ⅳ期までに分けられています。それぞれのステージによって標準治療(科学的根拠に基づいた観点で、現在利用できる最良の治療)が決められています。

子宮頸がんの特徴は比較的初期で見つかっても標準治療は子宮を摘出する手術になるということです。
さらにがんがⅠA2期(間質浸潤の深さが3mmを超えるが5㎜以内、広がりが7mmを超えないもの)となると(準)広汎子宮全摘術という手術が標準治療となります。

この手術は子宮を含めて膣の一部やンパ節の一部を広範囲に摘出する手術です。この手術によって足がむくみやすくなったり、排尿の神経を傷つけてしまうことでおしっこが出せなくなったり尿意を感じなくなったりするなどの合併症が出てきます。様々なからだの変化があるのがこの手術の特徴です。

 

子宮を守れる方法はあります


「異形成」という前がん病変や子宮頸がんのⅠAⅠ期(間質浸潤の深さが3mm以内、縦軸方向の広がりが7mmを超えないもの)までであれば子宮を残して治療をすることができます。
円錐レーザー切除術や子宮頸部レーザー蒸散術、凍結凝固療法と呼ばれる方法があります。また最近は(準)広汎子宮全摘術で子宮を残す「(準)広汎子宮頸部全摘術」という治療も行われるようになってきています。
とにかく大切なのは「早く見つけること!」ということなのです。

 

検診は絶対にいこう


子宮頸がんは、検診によって早期に発見することで死亡率を減らすことできると科学的に証明されているため、市区町村が実施する検診に指定されています。
検診は内診台にあがって、子宮の頸部をブラシのようなものでこすり検体を取ります。一般的にはあまり痛くないです。
内診台はどうしても緊張してしまいますよね。力がはいってしまうことで過敏になり、少しの刺激で痛い!と感じてしまうことがあります。
なるべく内診台に背中をつけるようにし、深呼吸して力を抜き、骨盤の周りの筋肉を緩めることが痛くならないコツです。
もし男の先生がいやだったら女医さんを選んでいきましょう。市区町村で渡される病院一覧からあらかじめ調べておくと安心です。

 

もしおかしなことがあったら病院にいく、これも大切です


検診ですべての子宮頸がんが見つかるわけではない、ということもぜひみなさんに知っておいていただきたいことです。子宮頸がんには「扁平上皮がん」と「腺がん」という種類があります。もともと扁平上皮がんの割合が多かったのですが、最近腺がんが増えてきて現在子宮頸がんの約20%を占めています。この腺がんが少しやっかいで、子宮の入り口より奥にできることが多いがんなのです。そのため検診では見つけにくいことがあります。

子宮頸がんは一般的に自覚症状がないことが多いですが、それでも早く気づくためには「ちょっとでも変なことがあったら病院にいくこと」が大切です。子宮頸がんは接触出血が多いと言われています。セックスした後に出血がないか確認しましょう。
おりものの変化はありませんか、月経のとき以外に出血はありませんか、生理が不順だったり量が多いなどはありませんか。もし不安なことがあれば一度病院にいって問題ないか見てもらって安心しましょう。
もちろん子宮頸がん以外にも婦人科の病気はいろいろあります。それらに気が付くきっかけにもなるかもしれません。

 

ママ自身の健康を守ることが家族の大きなパワーになる

毎日、子育てに仕事に忙しい日々。でも子どもも夫も、毎日が過ごせるのはやっぱりママのおかげ。
ママが元気で健康に生活することが家族の大きなパワになります。自分の子宮の健康は本当に大切なことですし、1つの女子力です。
毎年誕生日月に子宮頸がん検診にいく!と決めている方もいらっしゃいます。ぜひこの記事を読んだ方は忘れずにいってくださいね。
そして周りワーママ友達にもぜひ声をかけてみましょう。

参考/がん情報サービス文献

宮本さよ

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