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2020.09.01

コロナ&猛暑で外遊びが制限!保育士さんが「園生活の遊び」で工夫していることとは?



今年はコロナの影響でプールもなく、猛暑で日中はお散歩もできず…夏のプールも日ごろのお散歩も、体力があり余っている園児にとっては、本来であれば「必要不可欠な運動」といっても過言ではありません。
それがすべてできない今夏、保育園ではどのような工夫をしているのでしょうか。保育士さんたちに聞いてみました。

園庭に日陰をたくさんつくる


猛暑日の日向と日陰の温度は、5~10℃も差があると言われています。日陰で遊ぶことができれば、熱中症もある程度回避できそう。保育士さんがどのような工夫をしているのか聞いてみました。

・どんな工夫をしている?
大きなサンシェード(厚手の布すだれ)を、木や柵などにくくりつけ、園庭を覆うようにしています。砂場も上にもサンシェードをかけています。園庭がほぼ日陰になるので、割と快適に外遊びができますね。本当に暑いときは、水を撒いたり、扇風機を数台出して風を送ったりしています。

園児たちの様子は?
外に出られるだけで大喜びです。日陰なので、あまり「暑い~!」という子がいません。
水を撒くと大はしゃぎ、張ってあるサンシェードに触ろうと、一生懸命ジャンプしている子もいますね(笑)。

苦労されていることは?
苦労でもないですが、子どもたちの状態を常にチェックしています。顔が赤くないか、動きが緩慢になっていないか、など。水分もこまめに、本当に暑い日は、スポーツドリンクを少し薄めて飲ませるときもあります。

夕方涼しくなってからお散歩に出発


日中はうだるような暑さ、外に出るだけで熱中症になりそうなこの時期、お散歩はとても無理! お昼寝後、日が少し陰り始めたころに散歩をする保育園もあるようです。

暑い時間はどう過ごしていますか?
もっぱら室内ですね。最近は、ホールに平均台や昇降台などを出して、「プチアスレチック」のような空間を作っています。そこでたくさん体を動かすようにしています。女の子はごっこ遊びをすることが多いですが。

散歩は何時くらいに行く?
お昼寝から起きるのが3時頃、3時半からおやつを食べ、室内で少しゆっくり過ごした後、4時半前に出発します。日陰コースを選び、川沿いを歩いたり、近くの公園でひと遊びすることも。ほぼ全員6時過ぎのお迎えなので、5時半頃に園に着くように時間配分をしています。

園児の様子は?
「散歩に行けるから、しっかり寝る!」など、楽しみにしている子が多いですね。散歩に行くときに隊列を組み、「しゅっぱぁーつ!エイエイオー!」という嬉しそうな姿が、なんとも可愛いですよ。

苦労されていることは?
夕方なので、蚊も多い。虫よけをしっかりしたいのですが、虫よけを「やだ~!!」と嫌がる子も多いです(苦笑)
苦労ではないですが、午前中いかに体力を使ってもらうかに心を砕いています。

タライを出して水遊び


園庭で大きなプールができない分、タライやビニールプールを多めに出して、ベランダで水遊び!という保育園も。少しでも涼しく、楽しくという先生の努力がうかがえます。

水遊びの様子は?
保育園舎の2階にかなり広いベランダスペースがあるので、そこで水遊びをしています。
みんな水着に着替え、濡れてもいい準備万全で挑みます(笑)張り切って帽子やゴーグルをする子も。水をかけあったり、タライにジャブンと浸かったり、とても楽しんでいます。
昨年のプールじまいのときに、年中・年長全員でプール掃除をしながら「来年も楽しみだね~」と言っていたので、今年長の子は少し残念そうではありますが…
楽しむための工夫
テーブルを出して洗面器やペットボトルで色水を作る、タライを泡でいっぱいにするなど、「飽きない作戦」を考えています。1歳児の幼児から年長さんまで、全員が楽しめるような工夫をしています。

苦労されていることは?
準備がちょっと大変ですかね…タライやビニールプールを用意して、ベランダで滑らないよう滑り止めを敷いたり。大きいプールなら、溜まるまで水を出しっぱなしにしていればいいので。

工作や制作をたくさんする


スライムを作ったり、絵の具でみんなで大作を描く、紙粘土など、ちょっとした工作や制作をいつもよりたくさん行う保育園もあるようです。

どんなものを作っている?
定番のスライムや、紙粘土で思い思いの形を作って絵の具で塗ったり。この間は、トイレットペーパーの芯で万華鏡、ジャムの空き瓶でスノードームを作りました。1~3歳児クラスでは大きな画用紙を貼り合わせ、皆で手に絵の具を塗ってペタペタ。手形を葉っぱに見立て、大きな木を描きました。

園児の様子は?
最初は「やらなーい」「外行きたい」と言っていた子も、他の子がワイワイ楽しそうに作ったり描いたりするのを見ているうちに、参加していました。できあがると達成感も大きいようで、「ママに見せる!」「僕の部屋に飾る!」といい笑顔になっています。

苦労されていることは?
楽しそうな光景を目の当たりにしても、やはり「やりたくない」という子は必ずいます。その子をやる気にさせるのが難しいですね。でも、無理強いはせず、手の空いている保育士と他のおもちゃで遊んだりしています。外に行かせてあげられない申し訳なさでいっぱいになることもあります。

こんな面白い工夫も


なかなか外遊びできない日々にちょっと意外な、面白い工夫をしている保育園を紹介します。

園庭内に菜園をつくる
ずっと前から園庭の片隅でプチトマトを育てていましたが、コロナであまり外に行けない園児たちに少しでも楽しんでもらおうと、春先から菜園スペースを広げ、トウモロコシやじゃがいも、大根、さつまいもを植えました(夏に収穫できるよう、ある程度育った苗木を植えました)。水やりは、毎日お当番を決めて園児にやってもらいます。涼しい時間に雑草むしり、土ならしも手伝ってもらったり。
先日トウモロコシを皆で収穫し、皮むきをして、おやつに食べました。トウモロコシのヒゲで「かつらだよ~」と遊んだり、「これ、私が取ったトウモロコシだね~」と美味しそうにかぶりついている顔に、少しは楽しんでくれたかな、とこちらも嬉しくなりました。

おやつを「自分でつくった」感のあるものに
おやつを少しでも涼しく楽しいものにと、栄養士さんと相談。なにも乗っていないゼリーやプリンに自分でトッピングしたり、「お楽しみおやつ」では、小さな屋台を作ってかき氷屋さんをしたり。コロナ禍なので、衛生面でかなり気を遣って試行錯誤でしたが、子どもたちの「わぁ~~!!」という歓声を聞いて、やってよかったと思っています。

コロナと酷暑で子どもたちもたくさんの我慢を強いられる夏となってしまいました。その中で、保育士さんがどのような努力や工夫をして園児を楽しませ、外に行けないストレスを減らそうとしてくれているのかが、ひしひしと伝わってきました。
保育士さん、改めて本当にありがとうございます! と心からお礼を言いたいですね。

田崎美穂子

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