2020.09.16
完全ミルク育児しています!その理由や感じているメリット、デメリットを聞いた
母乳神話、それは一昔前の話。確かに母乳だと、免疫の生成や吸う力が鍛えられる、あるいは服をめくれば与えられる、外出時の荷物が減る、などのメリットもあります。しかし、その反面ママが自分の身体にも気をつけなければならない、人に預けにくい、乳首が痛くなるなどのデメリットがあることも確かです。
それはミルクも同じ。メリット・デメリットがあり、ミルク育児になった理由だってあります。でも、皆スクスク育っている!
今回は、ある3人のママに「ミルク育児、その理由、感じているメリット・デメリット」を聞いてみました。専門的な見解は一切なく、あくまで「ママ目線」でのお話です。
出産後、私が体調を崩してそのままミルクに
出産直後に体調を崩してしまい、その間母乳を飲ませることができず、そのままミルク育児になったママにお話をうかがいました。
〔Tさん、子ども3歳〕
・完全ミルク育児になった経緯は?
妊娠中毒症になってしまい、出産後もしばらく体調が戻らなくて、薬を服用していました。その関係でしばらく母乳を飲ませることができず、ずっとミルク。生後3か月ごろに母乳OKが出ましたが、すでにおっぱいもあまり張らなくなってしまったし、子どももしっかり育っているし、このまま離乳食スタートまでミルクでいいかなーと。
・ミルク育児で感じたメリットとは?
「よし、今回は200ml飲めた」など、飲んだ量がしっかり分かるのが良かったですね。「あれ、100でやめちゃった…ウンチが出てないからかな」と、体調も何となく飲んだ量からわかる。
あと、頭痛持ちなので、母乳への影響を気にせずすぐに頭痛薬を飲めたのはありがたかったですね。
・ミルク育児で感じてしまったデメリット
作るのが面倒くさいっていうときはありましたね。昼間はあまり感じなかったですが、たまに夜中起きて「ミルク~」ってなると、暗がりで量を確認して調乳して…母乳で育てているママと「赤ちゃんいると荷物多いよね」という話をしていたとき、「ミルク育児だと、調乳セットでさらにかさばるかも…」と思いました。
飲む力が弱く、1回に飲める量が少なすぎた!
赤ちゃんの飲む力が弱く、たぶんママの母乳の出もあまりよくなく、1回に飲む量が少なすぎる…そんな中で完全ミルク育児を始めたママも。
〔Sさん、子ども2歳〕
・ミルク育児になった経緯は?
生まれたときから吸い付く力、続けて吸う力が弱かった娘。母乳の出も悪かったのか、思うように体重が増えなくて。母乳後にほんの少しミルクを足したり、あげるたびに(子どもの)体重を計りまくったりしているうちに、軽くノイローゼ気味になってしまいました。1か月検診のときに小児科医と保健士さんに相談したら、「このままだとママが参ってしまう。思い切って全面的にミルクに切り替えてみたら?」と。専門家がそう言ってくれるなら! と、肩の荷がドーンと降りたのを今でも覚えています。
・ミルク育児で感じたメリットとは?
私にとっては、子どもの体重が順調に増えてくれたこと! 母乳中心のときは、減ったりしたこともあって(よくあるケースらしいですが、私が気にしすぎた)、ずーっと辛かったので。「また母乳あげなきゃ…」と悶々としていましたが、ミルクにしてからは「さあ、飲もうね~~♪」という感じでしたね。
・ミルク育児で感じてしまったデメリット
デメリットほどではないですが、サッと母乳をあげているママを見ると、ちょっとだけ「うらやましいな~たくさん出るんだろうな~」という思いに駆られてしまったことですかね。そのときは、いつまでこんなことで嫉妬しちゃうんだろう…と若干自分が嫌になりました(苦笑)
私の乳首を嫌がりました…(泣)
わが子が乳首を受けつけなくなって完全ミルク育児に…という、ちょっと切ないママのエピソードを紹介します。
〔Oさん、子ども4歳〕
・ミルク育児になった経緯は?
産んでから退院までの間、母乳の出が今ひとつで、母乳とミルクの混合でした。でも少しずつ出もよくなってきて、看護師さんにも「出が良くなりつつあるから、退院したら母乳でいけると思う」と言われていたのに…
退院後、なんと子どもが私の乳首を「ペッ」と受けつけなくなったんです。たぶん、吸わせ方が下手だったんでしょうね。産院では、看護師さんのサポートで上手く吸い付かせてた感じだったので。乳首をどうにかこうにかくわえさせようとしても、嫌がる…半ばやけくそで子どもvs乳首で格闘していました。そんなことが続き、なんだか疲れてしまったし、子どもも可哀そうだし、産院でミルクも飲めていたので、「もういっか」とミルクに切り替えることにしました。搾乳してあげたりもしましたが、食いつきがいまいち、ミルクの方が断然飲んだので、もうオールミルク!(苦笑)ちなみに、2人目は最初から完全ミルク育児にしました。
・ミルク育児で感じたメリットとは?
気持ちいいくらい「ングング」飲んでくれることですかね。出てるの?飲めてるの?っていう不安がない!「ペッ!」ってされるイライラもない(笑)母乳を飲んでくれない切なさと裏腹ではありましたが…「これ母乳によくないかな…」と悩むことなく、なんでも食べられたのもよかった!
・ミルク育児で感じてしまったデメリット
おっぱいが張る時期に飲んでくれないのが辛かったですね。洗面所などで「もったいないなぁ~。なんか悲しい…」と思いながら絞っていました。
あとは、単に私がズボラなんですけど、ミルクグッズの消毒が面倒でしたね。レンジで消毒できる簡単なものでしたが、毎回となると面倒で…
母乳じゃなきゃいけない!なんてことはない
ほかにも、
・ママ以外の人でも授乳できる
・ケープなどで隠さなくても、どこでも授乳できる
・ミルクは腹持ちがいいからたくさん寝てくれる(赤ちゃんにもよりますが…)
などのメリットも聞きます。
でも今回は、「ミルク育児はいいぞ!」ということを主張したいのではありません。「母乳育児」で悩んでしまっていたり、「ミルク育児」してるけど、モヤモヤや不安がどうしてもぬぐえない、というママへ「ミルク育児もありなんだよ!」と伝えたいのです。
子どもがごくごく飲む、健やかに育つ、これは母乳でもミルクでも嬉しいこと。子育てをする中で、少しでも不安やストレスを減らして、楽しいことを増やしていきたいですものね。
田崎美穂子
mamaライター