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2020.12.29

「食事中、子どもが騒がしい!」にウンザリしているママたちへ。先輩ママから伝えたいこととは?


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小さな子どもを持つママたちは、ご飯中にうるさい、出歩く、こぼすなど子どもと一緒の食卓に頭を抱えることが多いと思います。はい、私もそうでした。 でも、子どもも中1と大きくなった現在、あの頃よかったなーと思う出来事がありました。

少し前に家族で外食をしました。この日は仕事が忙しく、だから私はお財布のひもをゆるめて、ご馳走します!と宣言したというのになぜか「今日は○○があって、それから担当者との話も長かったし。帰宅したら塾から電話があってそれも長くて」とウダウダと「食事を作れなかった理由」を誰にするでもなく(いや、夫にだが)つぶやいていました。

この時点で私の心はかなりモヤモヤ。なぜ、私は誰かに食事を作れなかったことの〝言い訳〟をしているんだろうと。辞書を見れば、「言い訳とは、そうせざるをえなかった事情を説明して了解を求めること」となっています。夫の返事は了解の一言、了解って!?なに? 了解だと!!!

ママはムカムカしているのだ

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仕事が忙しかったら食事を作れないのは「原因と結果」です。だから、本来は弁明する必要などないのに、私はなぜ、食事を作れなかった理由をつぶややいてしまうのか。

それは夫から(ココ重要)「あ、今日仕事忙しかったんだね、だったら外食いいね〜」と言って欲しいから。弁明するのではなく、最初から「了解して欲しい」のです。積極的に了解して支持して欲しいのです。

ところがせっかく近所の美味しい割烹料理をご馳走しよう!と私が堂々と宣言したにもかかわらず、夫は特にご機嫌という様子もなく淡々としているし、それにも増してムカつくのは子どもです。

息子(中1)は「あー、いいけどー。でも終わったらスグおれ先に帰る」と。料理屋は歩いて2分だから、確かにこれまでお酒好きの我が家は、週末など子どもだけ先に帰宅することはありました。

ママは思い出すのだった

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思えば、子どもが幼かった頃の食卓は大騒ぎでした。ちょっと目を離すと、こぼすし、倒すし、泣き出すし。「んでね」「あのね」と口に食べ物を入れたままでも話し出します。私が夫と仕事の話をしたくても、週末にコストコ行きたいんだけど、みたいな話がしたくても、子どもがわーわーギャーギャーと騒ぐし、話に割って入ってくるので、その相手に追われて、私は缶ビール片手に「うおおおおお〜、いい加減少し黙って食べてくれないかぁぁぁぁ」と頭を抱えたりしたものです。

でも、あれはとっても幸せな光景だったのだな、と今は思います。

小学校高学年にもなると、息子の言葉数はとても減りました。夫も「そりゃそうだろう、年頃だから」と言います。小学校4年生くらいからは、私が一生懸命話しかけないと、子どもの話はぽつりぽつりとしかこぼれ落ちてこない。

だから、ちょうどその頃から、私はいつも息子が好きそうな話題、例えばゲームとか、ユーチューバーのネタとか、テニス選手のニュースを語るようになりました。子どもに色々な話をして欲しくて「ご機嫌良くなる話題」を探しては提供して、合間には夫も話がしやすいようにと「ね、そう思わない?」「あ、パパはどう思う?」と話の矛先をふってあげるというアナウンサーばりの働きで!

ママは怒りのうちにむなしくなるのだった

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ところで、うちは夫も寡黙というか、お酒でエンジンがかからないと、もさ〜っとした顔で「ふんふん」とうなずくのが日課の食卓です。

私はご飯をモリモリ食べて、楽しい話に花を咲かせて、みんなで笑い、みんなで盛り上がり、そうして「ごちそうさま!」と元気に口にして欲しいのです。もちろん、日々の生活だから毎日そうあって欲しいとまでは思いません。でもせっかくの外食だよ? 冷えて泡までうまいビールと、肴は香ばしくあぶったしめ鯖、鶏肉をひいて作った照りっ照りのつくね焼きを前にして、子どもは大好物の鶏ゴボウ釜飯を前にして、どうして自然と頬がゆるまないのか! 心がゆるまないのか! 口がゆるまないのか!!! そして「あのさ」と会話がスタートしないのか!

「あのさ」のずっと前、「あのね、あのね」と口からご飯粒を飛ばしながら弾丸のように話していた息子。「プリンがね、プリンってね」とオヤツの話をしたいのに、いつの間にか「んでね、あのね、おーちゃんがね、そんでね、ちょうちょがいたんだよ」・・・ワケわからんが「チョウチョがいたのか〜」と私は焼酎にソーダを注ぎレモンをぎゅうぎゅうと絞りながら笑顔で聞いていました。
その横で夫が「昔は緑色のカゴを斜めがけにしてさ、網もって公園行ったなぁ、チョウチョや蝉やトンボ追いかけてさ」(昭和なオトコだから話がけっこう古い)なんて遠い目をして「うわ、あったあった、緑色のカゴ!」と私がウケて、息子は「あのねあのね、みっちゃんね、くまモンのね、もってるよ」と言う。「くまモンの虫かご!?」「えーっと、あのね、くまモンのやつぅ〜」

・・・一枚の絵に描いたら、そこいら中に誰かの言葉が空中を舞っている状態。ところがどうだ。今はどうでしょう。私が念入りに選んで、みんなが乗ってきそうな話題がポカンと宙に浮いて、むなしく飛び去っていくのを、私は眺めています。息子は黙々と食事をし、夫はときおり私の話に合わせて、少ない相づちをうつ。

白い、空白だらけの一枚の食卓の風景じゃないか。

ママはホントはとっても淋しいのだ・・・

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ご機嫌とり、という言葉は語弊があるのかもしれないです。そんなこと気にしない。黙って食べてるのも家族だからこそ気も遣わずに、ノンビリしているのだろう、と指摘されればその通りだとも思います。

思うけれども、私はもうウンザリなのです。友だちと食事に行けば、みんなで楽しい話題を共有できます。誰かが何かを言えば「そうそう!」「あるある!」「んでさーー!」とあちこちから反応が返ってきます。

せっかくお財布開いて食事に行くなら、そんな時間が私は欲しいんです。オウチでの暮らしの中の食事ならともかく、時々ある「ほんのちょっとのお出かけ」だとしても、私にとっては「んもう、今日はご飯作るの面倒だし、みんなでパーーーッとやろう!」って、そう思って誘ったのに、どいつもこいつも、ムスっとまではいかなくても、「むーん」といった雰囲気に、ああ、もうウンザリ!!!!!

思春期の息子よ。しゃべりたくないなら、しゃべらなくてもよい。「親と食事かよ」なら、もはやついてくるな!

(風呂入って、家のがラクなんだけどな)の無言オーラを出す夫も、(しょうがないな、ママが不機嫌になりそうだから、お付き合いしますか)的な態度を暗に示すな!!!

そうだ、私は怒っています!!!

夫も長い年月を共にして「言葉にしなくてもわかっている関係」だけど、やっぱり淋しいんです。新婚時代みたいに玄関開けた時から「ただいまー!」とキッチンに駆け寄ってきて、と、までは言わないけれど。でも食事を作らない私に、ほんのちょっと眉間に皺をよせる表情を、声にださない小さなため息を、私の前でつかないで。

そして、たぶん、今。今は騒がしく落ち着いてご飯の一杯も食べられない、と、お嘆きの幼いお子さんを持つあなたへ。

「なんで」「どうして」「んでね」「あのね」と、ひっつき回る子どもの成長を心待ちにしているかもしれない、あなたへ。早く大きくなってくれー!と倒したコップを取り上げ、大急ぎでテーブルを拭きながら、煮物をつまんで口に入れ「早く食べなさい!」と子どもを怒鳴ってしまっているかもしれない、あなたへ。

その小さな子の、笑ったり泣いたり賑やかで騒がしく落ち着きのない食卓が、どれほど幸せなものか、ずっと後から思い出すんだよ、と、私は伝えたいです。

成長した子どもは、子どもの世界に飛び立ち、その世界について親に話そうとはしない年齢になってしまう。それが「正しい成長段階」だとしても。私は淋しい。とても淋しいんです。

だから、怒ってるウンザリしている〝ふり〟で、料理屋からの帰り道、私は夜空を見上げている。

「そんなに早く大きくならないでよかったのに」

いつか、あなたもきっと思います。だから、幼い子どもとの忙しい日々を、騒がしすぎる食卓を、今の時間を、大切にしてくださいね。

※この記事は2019年2月に公開されたものです。

大橋 礼

大橋 礼

年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。


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