2021.04.29
保育士に聞く!イヤイヤ期の2歳児に効果的な声がけとは?接し方のポイント
2歳児といえば、なんでも「いや!」「やらない!」…そう、魔の2歳児。言いえて妙ですよね(笑)BRAVAでも、2歳児の記事はたくさん紹介してきました。
そんなイヤイヤ期真っ盛りには、「〇〇しなさい!」「○○しちゃダメでしょ!」といような直球の対応をすると、ますます反発されそう。
毎日たくさんの「魔の2歳児」たちと接している保育士さんは、いったいどのように対応しているのでしょうか。そしてイヤイヤ期をどうとらえているのでしょうか。
1歳児と2歳児の違い、イヤイヤ期に突入していく過程とは?
2歳の「イヤイヤ期」に突入するまでの子どもの成長過程はどんな感じなのか…0歳児から年長児までのさまざまな月齢の子どもを見ている保育士さんはどう感じ、どう見ていらっしゃるのか、聞いてみました。
〈1歳児と2歳児の違い、2歳児の特徴〉
・1歳児と2歳児では、歩行や言葉の発達はかなり違います。ゆえに、2歳ともなると自己主張が強くなり、自我の芽生え真っ盛りの時期に。朝のお仕度や食事など、基本的な生活もかなり自分でできるようになってきます。そんな中で、何でも自分でする!という意志も強くなりますね。
・言葉が分かり出し、自分の気持ちを言葉で表すことができるようになると「見立て、つもり遊び」が始まり、自分の世界ができていきます。
〈イヤイヤ期に突入していく過程〉
・自我がはっきりとし、「自分でする!」という主張をするようになります。でも、うまくできない、伝えられないもどかしさも大きいようです。
そして、自我を意識し始めるということは、他人の存在を認めることでもあると思います(〇〇しなさい、という母や先生の存在や、言われている内容も理解できるようになってくる)。「自分と相手」が分かってくるからこその「イヤイヤ」が生まれるのかもしれません。
イヤイヤ期には、直球ではなく変化球が効く!?
イヤイヤされると、つい「ダメでしょ!」「しなさい!」と口を突いて出てしまいますが、さすが保育士さん、そこは上手いこと「変化球」を投げ、子どもの気持ちを切り替えているようです。さて、どんな変化球なのか、そして気になる子どもの反応は?
・「〇〇ちゃんはダメ!」(一緒に遊びたくない、仲間に入れたくない)
→直球対応:「仲間に入れてあげて」「いじわるしないで」
→変化球対応:「あら!○ちゃんもこの上手にできたブロック見たいんだって」
「作り方を教えてあげてくれない?すごく上手だもん。先生だって欲しくなっちゃう」
→子ども反応例「いいよ!作ってあげる(にっこり顔)」
・オムツ替えいやだ!
→直球対応:「早く替えましょうね」
→変化球対応:「あのね、オムツ替えないと、お尻が赤くなって痛くなって、ママと病院かもしれない…。先生のお兄ちゃん(先生のお子さん)もそうだったんだぁ。今きれいなオムツにして、スッキリさっぱりしてお散歩に行こう!」
→子どもの反応例
子ども「うん!病院やだね。お兄ちゃん、病院?」
先生「そうだよ~。イヤイヤしてたら、赤くなっちゃって…。ダメだよね~」
子ども「うん、ダメだね~」
・イスに座りたくない!
→直球対応:「ちゃんと座りましょう!」
→変化球対応:「うん、今は座らなくていいよ。じゃあ、先生のお膝ね。名前を呼ぶ時には(イスに)戻ってね。お返事しないと、給食とかおやつがお休みになっちゃうから…」
→子どもの反応例「分かった…」
変化球対応でもダメな時は、
・スキンシップ(抱っこ、涙をふく、手をつなぐ、など)する。
・その場を離れて、気持ちを落ち着かせる。
という対応をします。そうすることで子どももクールダウンできるようです。
印象に残ったイヤイヤを教えて!
スーパーなどで、「買って買って!」「やだやだ!」と寝転び・大号泣された経験のあるママ、多いのでは。手の付けられないほどのイヤイヤ、保育士さんはどう対応しているのでしょうか。これは大いに参考になりそう!
印象に残っているイヤイヤは、いわゆる、大の字に寝っころび、大泣き、足バタバタの発狂状態ですね。そのときは子供ものけぞってしまって、抱っこなどのスキンシップもできず…
しばらくそのまま泣かせてから、「おいで~」と抱っこ。
「〇〇だったね、分かるよ」と気持ちに寄り添うことで、落ち着きました。
翌日、「昨日大変だったね、覚えてる~?」と笑顔で聞くと、照れくさそうにしていました(笑)
保育士さんにとってイヤイヤ期とは?
最後に、毎日たくさんの子どもたちと接している保育士さんにとって、「イヤイヤ期」とはどんな時期なのか、そして保育士さんはどう感じていらっしゃるのかをうかがいました。
ママにとっても大変な時期であるとは思いますが、子どものイヤイヤ行動の背景にある気持ちをくみ取ってあげて、自立・成長していく過程での「イヤイヤ=甘えたい気持ち」と受け止めるようにしています。そんなイヤイヤ期の子どもたちが、「大人に見守られているんだ」という安心感を持って過ごせるといいな、と思いながら接しています。
いかがでしたか。保育士さんの対応、特に変化球は参考になるし、感動すらしてしまいました。そして「あー、子どもたちがイヤイヤだった頃、なんでぜんぶ直球で対応しちゃったんだろう」と反省と後悔の嵐…
子どものイヤイヤの背景の気持ちをくみ取る、それは毎日バタバタの生活の中でなかなか難しいかもしれません。でも、もしイヤイヤされたら、一呼吸おいて「変化球」を投げてあげてみてください。子どもは意外に穏やかに打ち返してきてくれるかもしれません。とはいえ、時には「直球」が効くこともあるのかも…使い分けも大切のようです。
※この記事は2018年7月に公開されたものです。
田崎美穂子
mamaライター