2022.04.10
<入学入園進級>環境の変化で疲れてる!「休日の過ごし方」を工夫して親子で不安を解消しよう
保育園入園に小学校入学、あるいは進級と、とにかく4月は子どもにとって大きな変化のある節目時です。さらには親にとっても、育休明けで復職の人はもちろんですが、「順調にいってたけど、園や学校の保護者会や会合やらでグッタリ」と共働きの疲れが出やすいのが「5月」です。
「五月病」って本当にあるの?
私の経験から言いますと、子どもにも実際よくあります。見るからにガチガチで緊張している子どもには、親の方も「大丈夫かしら」と何かと気にかけるものです。でも一見、いつもと変わらぬ態度でも、この時期はいつもより注意深く見守ってあげましょう。
例えばウチの下の子は、家ではけっこうウジウジ内向的で後ろ向き(こちらがゲンナリするくらい悲観的になったりするんです……)の癖に、学校へ行くと「ひょうきんなタイプ」でみんなの前でお笑い芸人のマネをしたり、わざとおバカちゃんな態度をとっているんですね。
この子は小学校に入った頃からそんな感じで、家にいる時と学校では「別人格」のようでした。小学2年生の時ですが、すっかり学校にも慣れ「クラス替えもなく担任も替わりなし」と安心しきっていた時です。ゴールデンウィーク明けから「ん?」と思う事が頻発しました。
行きたくない、とは言いませんが、それまで張り切っていたのが嘘のように毎朝ずるずる、ぐずぐずと家を出るまで時間がかかる。学校の事を聞いても、はっきりしない返事ばかり。その上、今度は頻繁に「お腹が痛い」と言い出したのです。
もともとお腹が弱いタイプなので保健室の先生とも相談しましたが、どうもこの時は精神的な疲れがドッとまとめて出ていたようです。みんなに「あいつ、面白いなー」と言われたくて、それがそのうちに「笑わせなくちゃ、面白いことしなくちゃ」となり、どんどんエスカレートしてしまったのでしょう。誰に何を言われたわけでもないらしいのに、当時のあの子は「いっぱいいっぱい」だった……と、今ならわかります。
五月病とは多少意味が違うかもしれませんが、ゴールデンウィークという長いお休みでホッとしたものの、いざ学校となって「なんか嫌だ!」となってしまったんですね。
「明日からまた忙しい」憂鬱になってしまうワーママ
さて、そんな子どもにやきもきしながら、私はどうだったでしょうか。この年は私の方もPTAの委員になり、親の体調も悪く介護の問題も浮上した所でした。仕事の受注ペースがうまくできずにミスはおかすわ、学校の提出物は忘れ、夕方ギリギリ帰宅なのにご飯の支度もできずにぼんやりソファーに座ったままの日も。
これも一種の「五月病」でしょうか。ゴールデンウィーク明けを目前とした1日、スケジュール帳を開いたまま「仕事も子育ても中途半端だなぁ」とため息ばかり漏らしていました。
私も子どもも大きな理由はありません。ただ、なんとなく忙しく、大変で、ちょっとした「嫌なこと・気にかかること」があり、お休み明け前に「むーーー!全部嫌だ!」となってしまったんです。
お休みの最初の数日はいいけれど、いざ明日から仕事だ学校だと「日常」が戻ってくると思うと、なんともいえず憂鬱になってしまうのですね。
親子共倒れにならない為に「寄り添う休日」を
ゴールデンウィークはいつもより長いお休みだからこそ
・子どもの気持ちにゆったりと寄り添ってみる
・自分の気持ちを切り替える時間を持つ
親子で「ゆとり」を存分に満喫しましょうよ!
ウチの子どものように「普段と同じ様子に見えて」変化に気づきづらいのは珍しくありません。ゴールデンウィークのような長いお休みは、働くお母さんにとって「ゆっくり、じっくりわが子の様子を見られる」またとないチャンスでもあります。あれこれ旅行やイベントを計画するのも、もちろん楽しい思い出作りにいいのですが、「お出かけ」だけにこだわる必要もありません。
それより、久しぶりに子どもとベタベタくっついて過ごしませんか。
4月、最も忙しい時の私といえば、洗濯物を取り込みながら、とりあえずご飯をだし、背中ごしに早口で畳みかける……
「早く食べなさい!食べたら、歯磨きしてよ」
「あれ、水筒は?水筒だしてよね」
「ねぇなんで、こぼしてばかりいるの!」
「あ、そうだ今日はどうだった?お友達と遊んだ?何したの?」
これでは、子どももなかなか口を開かないかもしれないし、気持ちの奥底にある「本音」も引き出せません。にもかかわらず、自分の言いぐさは棚に上げて、
「まったく、ウチの子は何も園や学校の事を話してくれない」
ついついそんな会話で1日が終わってしまう、この繰り返しでした。
でも、長期のお休みなら、朝寝坊して寝ている子どもにまとわりついて「朝だよ~~~、起きなさいよ~~~」と小さい子ならくすぐったり、ちょっと大きな子なら「一緒にホットケーキ焼こうか!」と誘ったり。夕飯だって、みんなで外食したり、お弁当を買って近所の公園で「夕方ピクニック」も出来る!
子どもの不安を引き出そう
子どもは親の態度を見ています。親にゆとりや余裕があれば、「ちょっかい出してくれるご機嫌なママ」だと思ったら、子どもの方から「あのね」と話し出してくれる事が多いんですよ。
どういうわけか子どもというのは「これ言ったら怒られるかも」という「線引き」が大人の感覚とズレているんですね。別に悪い事をしたわけでもないのに、子どもは「これを言うとママは不機嫌になるかも」と無意識に警戒しているのです。
その警戒心がゆるむのが、親にもゆとりのあるお休みの日。しかもゴールデンウィークは長いお休みです。
子どもがその小さな心臓のすみっこに、実は抱えている不安や不満、それを共有できるチャンスと思ってみませんか。べったり、ぴったり、わが子に寄り添って「もう〜、向こう行ってよーっ!」と言われたって、まだまだ「ちょっかい」出し続ける。
そして「あのね」と言いかけたら、しっかり子どもの横に座ってお話を聞いてあげて下さい。「うんうん、わかるよ」とうなずいてあげて下さい。時系列もむちゃくちゃで、意味不明の話も多いかもしれません。それでもママとパパがお話を聞いてくれるだけで、子どもが飲み込んだまま「しこり」となっている小さいな塊は、少しずつ溶けていくはずです。
ゴールデンウィーク明けに、「いってきます!」と子どもが笑顔で出かけられるように。美容院にでも行って、ママもちょっと「仕切り直し」。そしてわが子と一緒に、パワーもハートも充電満タンで休み明けの日を迎えたいですね。
※この記事は2017年4月に公開されたものです。

大橋 礼
ライター
年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。