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2022.05.24

産後に資格や高スキルを身に付けたママに聞いた!スタート時期や勉強法や勉強時間は?



「資格といえば運転免許証しか持ってない」「転職したいけど、このスキルがないと不利」就職や転職で資格や高いスキルが有利になったり、持っていないと不可だったりする場合も少なくありません。資格や高いスキルがあると在宅でできたり、あるからこそ自分の動きたいように動けたりする仕事も多くあります。子どもを持って、自分のためだけに使える時間がぐっと減ると「資格さえあれば…」「PCのスキルが高ければ」と思いつつも「勉強に割く時間がない」「やったところで有効に使えるのか」という心配や不安も強くなります。
しかし子どもが手のかかる時期でも時間のやりくりをしたり、少し手がかからなくなった時期に思い切って資格を取ったり技術を身につけているママたちはたくさんいます。
今回は、子どもを産んでから資格を取った、あるいは新たなスキルを身につけたママたちに、勉強時間はどう作ったのか、勉強方法や、今の仕事にどう活かされているかなどを聞いてみました。

子どもの関係で、今までとはまったく違う福祉のエキスパートに


最初は今とはまったく違う職種に就いてしましたが、知的障害のある子どもの関係で福祉の世界に興味を持ち、社会福祉士の資格を取得。約1年間勉強漬けだったというママにお話を聞いてみました。

〔Eさん、子ども13歳〕のケース

・福祉の資格を取ろうと思ったきっかけは?
障害のある我が子の将来を考える際、深い知識があった方がより選択肢が広がると思ったことと、子どもが小さいときからずっと福祉の方たちにお世話になったので、いつか自分も恩返しがしたいと思ったのがきっかけです。知識を広げるために勉強を始めるうち、それだったら汎用性のある社会福祉士の資格を取ってみようと思い立ちました。

・勉強時間や勉強方法は?
私は4大卒だったので、社会福祉士の資格を取るためには1年~1年半専門学校のような一般養成施設に通う必要がありました。最初の半年ほどは仕事をしながら、子どもが寝た後などに通信で勉強をしていたのですが「腹をくくって(?)集中して一気に取ろう!」と心に決め、主人にも相談し、仕事を辞めて1年間一般養成施設(専門学校)に通い、日中は受験生のような生活をしていました。
9時~17時30分くらいまで授業(講義や実習)、子どもを寝かしつけた後に1~2時間勉強(復習やレポートなど)をする、という毎日でした。キツかったですが、この歳になって「学ぶ」楽しさを味わえて嬉しかったですね。
幸い一発合格、「1年やってダメだったら諦めよう」という気持ちを持つことで頑張れた気がします。

・子育てや家事との両立は?
最初は子育て・家事・仕事・勉強の4本柱状態だったのですが、「これじゃ進まない」と思い、すっぱり仕事を辞めて資格取得に専念。そのとき子どもは特別支援小学校の3年生で、放課後は「放課後デイ」で18時30分まで預かってくれるので、時間はしっかり作ることができました。
朝子どもをスクールバスポイントまで送った後、家を出るまでに洗濯物・洗い物を済ませ、日中はみっちり授業。私の帰宅と子どもが放課後デイ(送迎あり)から帰ってくるのがほぼ同じ時間なので、子どもがテレビを見ている間に夕飯を作り、一緒に食べて、お風呂に入れて寝かせる、を19時過ぎ~21時くらいの間に嵐のように済ませました(苦笑)
カリキュラムによっては早く帰れる日もあるので、そういう日に溜まった家事や食事の作り置きをしたりしました。

・今の仕事は?
現在は障害者就労施設で、障害のある方の仕事のサポートや必要なスキルを習得するための指導、本人やご家族の相談を受けアドバイスする、などの業務をしています。今まで我が子と自分がたくさん恩恵を受けてきた福祉の世界で、少しでも自分が役に立っていること、恩返しができていることにやりがいを感じています。障害のある方を指導していると、「こういう言葉がけだと上手くいくんだ」「この人の特性にはこういうやり方が合っているかも」と日々新しい発見があるし、自分の子にも当てはまることが多いので、仕事が子どもの教育に役立つこともあります。

※社会福祉士とは
社会福祉専門職の国家資格です。福祉の相談援助に関する高度な専門知識・技術を有し、福祉や医療の相談援助の場において重要な役割を担います。医療機関、行政、介護・福祉施設、学校等などさまざまな場所で需要がある資格といえます。社会福祉士の国家試験は年に1回。

資格不要だったけど、いざやってみると…

前職を退職したあと、子どもが2人とも小学生になったタイミングで病院受付の仕事を始めたというIさん。医療事務の資格がなくてもOKだったが、かなりの専門知識がないとほかの人についていけず自信喪失。思い切って医療事務資格を取ることを決意したそうです。

〔Wさん、子ども9歳、7歳〕のケース

・医療事務の資格を取ろうと思ったきっかけは
2人目妊娠中に妊娠中毒症になり、産後も体調が思わしくなく退職。下の子が小学校に上がったタイミングで、家から近いクリニックで「受付。無資格、未経験OK」という募集があり、勤務時間も選べたのでダメもとで面接を受けたら採用が決まりました。
パソコンスキルはある程度あったので、カルテ管理や予約取得、備品の発注などは問題なくできたのですが、診療報酬点数表に基づいて合計の点数を出す作業など、医療事務の知識がないとできない業務もたくさんあり、医療事務資格を持つ方にお願いしたり、こまめに確認しながら時間をかけて行ったりしていました。「絶対資格あったほうがいい。長く続けるためにも…」と、医療事務資格を取ることにしました。

・勉強時間や勉強方法は?
「焦らず、できる範囲で1~2年計画」を目標に、通信講座で学ぶことを選択しました。
勉強時間はお昼休みの1時間と(同僚とランチに行ってできないことも多々あり…)、子どもを寝かしつけた後の1時間の、1日合計2時間。とはいえ、眠くて30分で切り上げるということもありましたが、そこは「無理せず」が座右の銘だったので、よしとしていました。数字が苦手だったので、後半はともかくレセプト(健康保険を使って受診したときの患者の自己負担分以外の報酬を、医療機関が保険者に請求するためのもの)計算などの数字問題を解きまくりました。
受験も自宅でできるのがありがたかったですね。結局スタートから8カ月で取得できました。

・子育てや家事との両立は?
仕事中や勉強時間以外のときは、資格試験のことは忘れて、なるべく子どもと向き合う時間を作るようにしました。家事はそもそも前職の頃から手抜きだったので、それは変わらず(苦笑)休日は子どもが昼寝している間に1時間、夜寝た後に1時間という感じで勉強していました。
仕事に直結する資格だったし、仕事も勉強の一環だったからか、「家では勉強時間以外は考えない」というメリハリがつけられたような気がします。

・今の仕事にどう役立っている?
勉強スタート前は「〇〇ってなんでしたっけ」「この点数、合ってますかね」と聞きまくるわ自信がないわで、自分はここにいていいんだろうか…と悲しくなることも多かったです。勉強を始めてから少しずつ仕事のスピードも上がり自信もつき、資格を取ってからは逆に聞かれることも多くなり、患者さんへの回答もスムーズにできたり。主人が転勤の可能性ゼロではないので、資格を取ったことで「転職先がない」という不安もなくなりました。

時間のある時にとにかくパソコンをいじりまくった


育休明けで復帰した際の会議で、うろ覚えや聞きなれないパソコン用語がたくさん出て戸惑ったり、データ処理などで同僚に聞きまくってしまったり…「パソコンスキルを磨かねば」と一念発起したママのスキルアップ方法とは。

〔Yさん、子ども11歳、8歳〕のケース

・パソコンスキルを磨こうと思ったきっかけは?
長男を産んだ後の2年間の育休明け、会議で耳慣れないパソコン用語連発、仕事中でも「このデータ、〇〇フォームに入れておいたので確認しておいてください」と言われても〇〇フォームが分からない…知ったかぶりをして、仲のいい同僚にこっそり聞いていたりしました。育休前はさほどパソコンスキルがなくてもできていたことが、たった2年で…と浦島太郎状態でしたね。
でもこのままではやっていけそうにないし、「あの人戻ってきたけど使えないじゃん」と思われたくない!!と思い立ったのがきっかけです。

・スキルアップのためにどんなことをした?
とても地味で地道な方法ですが、会社で分からなかったパソコン用語を忘れずにメモ。会社の休み時間や、家で子どもが寝た後などにそのメモをもとにひたすらパソコンをいじり倒しました。
「資格を取る」というわけでもなく、時間ができたときにいじる、できないときはやらないという感じだったので、家事や育児には影響はなかったですね。
データ共有や画面共有作業などは主人にも協力してもらってできたかどうかテストしたり、ExcelやWord、PowerPointなどをネットで調べながらいろいろいじりました。さわっていくうちに、「ほぉー、こんなこともできるんだ」という感動や達成感があった半面、育休中に少しでもやっておけばよかった…という後悔もありました。

・今の仕事にはどう役立っている?
最初は必要に駆られてという感じでしたが、信じられないことに今ではデータ管理のチーフを任されています。コロナ禍でリモートワークになったときも、パソコンスキルを身につけていなかったら四苦八苦していたと思います。
あと仕事ではないのですが、子どものPTAでも役立ちました。印刷物の印刷や配布などで何度も学校に行かないといけなかったものを、パソコンができるママ数人と一緒にペーパレス化し、学校に行かずにできるPTA仕事を増やしたり。
育休明けのあのときに、意を決して(?)苦手意識のあったパソコンと向き合ってよかったと思っています。

「人はどんなときも、何歳になってもチャンレジし続けられる」


確かにそうなのですが、出産や子育てでライフスタイルが変わることで、いろいろなことが身軽にできなくなり、気づけばチャレンジするには億劫な歳に…なんてことも。
しかし、もし「やってみたいな」ということや「取ってみようかな」という資格があって、少しでも捻出できる時間があったらトライしてみてはいかがでしょうか。これまでのキャリアや育児経験を活かせる資格もたくさんあります。新たなスキルや資格を身につけることで、仕事を長く続けられる自信がついたり、新たな世界が広がる可能性もあるのではないでしょうか。

田崎美穂子

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