2022.10.07
子供を褒めるのが苦手!褒め上手を見て実感した「褒めて育てることの大切さ」
「子は褒めて育つ」とよく言われます。実際に子どもは親に褒められる=認められることが大きな励みとなり、その才能を伸ばし、おおらかで明るい性格に育つことに繋がるのだと思います。が。が、しかし、です。子どもを褒めて育てましょうってよく言われるけど、実際には意外と難しいと思いませんか? 私は怒ってばかりいる、そう思いながらも、褒めるチャンスを逃してしまい、怒り出してしまうと、ついつい「あれも、これも」悪いところばかり気づき、思い出し、エンエンとお説教をしてしまう。
それが子育ての現実といえば、現実です。褒めて育てることが大切なのは、もちろん、わかっている。でも多少の差こそあれ、けっこうみんな苦労してるみたいです。
褒めようと思ってはいるんだけど・・・
「1つ叱って3つ褒めるは理想だけど」
現実には、3つ叱って1つ褒める、いや、もう1日10回は怒鳴ったり怒ったりで、それで1つ褒めることがあったら、良い1日でした、って感じです。なぜなら、ごくごく小さなことから始まって(例えば靴下をはかずにモタモタしてるとか、遊び食べしているとか、テレビを見ていて動かないとか)怒る要素は山ほどあるのに、「○○ができた!」みたいに、あ、すごいじゃん!って褒める出来事って、あんまりないから・・・。みんな、子どもの何を褒めているんだろうって思うこと、あります(Nさん/子ども 5歳)
「褒めることが下手な自分に不安」
どんな小さなことでも、頑張ったら褒めようと思っています。思っているけど、朝起きた瞬間から「早く着替えなさい」「朝からテレビでアニメ観てないで!」「ジャムの蓋、ちゃんと閉めて!」考えてみれば、褒めるチャンスなんてありませんよ。帰宅してからだって、結局、学童で終わらせてない宿題を前に親子ゲンカしながら何とかやらせる、だけど本当はここで「疲れてたのに、宿題ちゃんと終わらせてえらいね」って言えたらいいんでしょうけど・・・。後から思い出すんですよ、寝てる子どもに布団かけてやったり、なんか急に抱きついてきたり、そんな時に「あ、褒めてあげなかった」って。その時だって遅くないのかもしれないのに、でもやっぱり口に出して褒めないまま、1日が終わったりする。私は母親に褒められた思い出がなくて、褒め方が下手なんだなぁと、時々とてもこれからの子育てが不安になります。決して子どもが可愛くないわけでもないし、たくさん褒めてあげようって思ってはいるんですが。私は母性がないのかな? みんな、どうなんだろうって考えたりします(Hさん/子ども 3歳 7歳)
褒めることばかり気にしないで
「褒めるよりきちんと叱れるかの方が大事では?」
無理して褒めるって、なんかヘンだと私は思います。赤ちゃんの頃って、あまり無理しなくても「上手だね〜」「いい子だね〜」って無意識に口に出していたけど、少しずつ成長していけば、「ダメ」とか「ちゃんとママの言うこと聞いて!」とか、そういうことのほうが多くなるのは当たり前といえば当たり前では? 意味なく叱るのがいけないように、意味もなく褒めまくったからって、子どもも嬉しくないと思う。褒めることを意識するよりも、子どもの心を傷つけず、でも、きっちりと教えるべきことは教えるような「叱り方」ができるかどうか、の、方が大切なのではと思います(Aさん/子ども 8歳)
「後からだっていい!とりあえず思い出したら褒めておく」
小学校も低学年を過ぎると、褒めどころがなくなってくる。結局、テストの結果とか、参観日に手をあげて発言したとか、何かに選ばれたとか。そして叱る場面は増えるいっぽう。一人前に言い返してもくるし、あとはすねたり、ふんと横を向いたりするので、こちらの怒りは増すばかりです。だけど、幼い子と違って「ご飯いっぱい食べたね、えらいね!」なんて言っても、あんまり子どもも感動しませんから。わたしは褒める回数は減っても、褒めるべき時を逃さなければいいと思うようになりました。テストばかりではなく、例えば持ち帰ってきた工作とかは「すごいうまくできてる、パパに見せられるようここに飾ろう」とか。あとは褒めるべきだったのに出来なかったときは、本人ケロっと忘れてることでも、思い出したら「そういえば、あの時さ」と一応、褒めフォローいれてます(Eさん/子ども 10歳)
褒め上手を見て「褒めることの大切さ」を実感
「おっきいバーバは褒め上手!」
夫の実家にいくと、88歳になるひいばーちゃんがいます。ひいばーちゃんは、子どもとコタツに入ってだらーっとしてるだけなんだけど、ホント、子どもはご機嫌よく過ごしてるんですよね。で、なにげに見てると「あらあら、この子は末は博士か大臣か、だね、えらい子に育つわよ」「上手だねぇ、手先が器用だねぇ」「器用っていうのはねぇ、この可愛い指でなんでもできちゃうってことなんだよ」とか、もう、ずーっと褒めてる。ほぼ、独り言状態で褒めてる(笑)でも、それは子どものしていることをのんびり見ている余裕と、ひ孫がかわいくて仕方がないってことなんだと思います。
私は子育てに精一杯でなかなかそんな余裕はできないし、もちろん子どもは可愛いけど、正直にいえば憎たらしい時だってあるし。だから、おっきいバーバが「褒め担当」だと思って、叱りすぎてしまった時には、私の方から夫に「たまには実家行って、おっきいバーバにもひ孫の顔見せにいこう」と誘います。ちなみに義母も肝っ玉母ちゃん系で遊びに行くと「たまにはあんたひとりでカラオケでもいって、憂さ晴らししてきなさいよ」ざっくばらんに言ってくれる。ありがたすぎる〜(Wさん/子ども 4歳)
「褒める意識はすぐ忘れちゃうけども」
幼児教室に通わすようになって、同席して見学していますが、先生は褒めるのが上手だなぁと思います。普段なら見逃しているような小さなことでも必ず「ああ、できたね! すごいじゃない」とひと声かけてくれます。教室に行った土曜日は大いに反省し、日曜日はそのマネをして、一生懸命褒めたりしてますよ。もっとも仕事と保育園送迎に家事と、平日はやっぱり元通りで、朝っぱらから子どもに大声あげたりして、通勤電車の中で反省したりしてますけども・・・(Uさん/子ども 5歳)
「褒め役・叱り役とバランスをとって」
パパですね。わたしはやはり小言を言ってばかりなので、もっぱら褒め役はパパです。時には私が「グズグズやってるから、お皿落とすのよ!」なんて台所から怒鳴っていると「でも、ちゃんとお手伝いしようとしたのは偉いよな」とパパがフォローに入ってくれてます。私はどうも、短気というか、ダメなんですよね、褒める前に子どもの悪いところが先に気になってしまう、そういう自分の子育てがイヤだなぁって思って、一度、夫に真剣に相談したんです。でも、そうしたら「まぁどっちかが怒ったら、どっちかがフォローする、そうやってバランスとれば充分だろ」って。それで何となく肩の荷が下りる感じで、そうなると、私も素直に「お茶碗運んでくれたの、ありがとう」とか、褒めるというのとは違うかもしれないけど、子どもにひと声かける余裕がたまには(たまにはですけどね〜)できるようになりました(Wさん/子ども 2歳・6歳)
褒めて育てるは簡単そうで難しい
大人の私たちだって、褒められれば嬉しい。嬉しいからやる気が出る。そんな簡単なことはよーくわかっているのに、子育てになると難しくなります。
だって、私たちには母親という役目以外にも、たくさんのお仕事がある。子どもにだけ年がら年中ひっついて、あれもすごい、これは偉い!と気づき、口にしてあげる余裕が、なかなか、ないんです。
ただ、良いことをした時、その瞬間に「あ、すごい」でも「おー、ありがとう」「助かるわ」でも、短いひと言だけでも伝えてあげられたらいいのかも、と思います。
なぜなら、子どもが成長してからは褒める機会はどんどん減るからです。それに成長するに従って、子どもの活躍とか、勉強の結果とか、どうしても数字や他人と比べて「優秀である」ことばかりを見てしまいがちになります。
幼いうちなら、いろいろなことを褒められる。後になって「ちっ、反抗期のこいつに褒めるとこなんざ見つからないわ!」となっても、褒め言葉の貯金をしておけば、子どものこころは〝からっぽ〟になったりしないはず。
そして、ひとつの褒め言葉は、そう簡単に消滅しないみたいですよ。だから毎日は無理でも時々思い出して、あるいは周囲の人にも助けてもらいながら、子どものこころの「褒めてもらった貯金」増やしてあげて下さいね。
ま、そうは言っても「怒られた思い出」のほうがはるかに多いのが、子どもってもんです。また、怒られた記憶ってのは、消えないものですしね。
褒め言葉はとても大事だけれど、例えば、わたしは、子どもの話を聞きながら笑い声をたてて、満面の笑みを浮かべているママの姿、それも、子どもにとって、とても大切な「褒められた嬉しい体験」に近いんじゃないかな、と感じます。ママの笑顔は、子どもにとって最大の喜び。だって、私たち親にとっても、子どもの笑顔こそ、最大の幸せじゃありませんか?
子どもを褒めるテクニックや言葉がけの例はいくらでもあるでしょう。でも、まずは1日1回、子どもに大きな笑顔で包んであげるだけでも、わたしはきっと、ママの気持ちが伝わるのではないかな、それが〝褒める〟の第一歩になるのではないかな、と思っています。
体験談にもあったように、まずは叱り方を見直すことのほうが先決です。褒めて育てるは、簡単そうで難しい。「私は怒ってばっかり」と思っているママ、大丈夫、あなただけではありません。
「ママって怒ってばっかり。鬼ババだよね」
子どもが年長さんの頃、大勢の前で言われて赤面しただけでなく、なぜか余計に怒りが増した大人げない私です・・・。
※この記事は2019年6月に公開されたものです。
大橋 礼
ライター
年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。