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2022.12.12

子どもの「生き抜く力」「乗り越える力」はどうしたら身につく?



パンデミック、紛争、災害、いじめ……子どもを育てるひとりの親として胸が痛む、将来への不安がふくらむことが多いのは本当に残念なことです。しかし、それでもわたしたち親は、わが子を守りながら、わが子がひとりで歩いていけるように育てていかねばなりません。
よく言われる「生き抜く力」「乗り越える力」はどうしたら身につくのでしょうか?鍵になるのは失敗と達成です。

親はいつか子どもの手を離さなくてはならないから


まず身近なところから考えてみましょう。保育園や幼稚園から小学校、さらには中学校へと進む中で子どもは少しずつ「社会」を学んでいきます。幼児期にはおもちゃの取り合いがあり、小学生になれば友だちから意地悪をされたとか、仲間に入れてもらえないとか、自分がやっていないことで先生から怒られたとか、いろいろなトラブルや軋轢があるわけです。

「嫌なこと」を通して、親に慰められたり励まされたり、他の友だちに助けられたり、あるいは自分自身で(しょうがないや)と思ってやり過ごしたりすることを覚えていきます。そうやって、さまざまな体験を積み重ねて次第に思い通りにいかない日々をやり過ごす方法を身につけていきます。成長のステップごとに自然と育まれる「乗り越える力」ですが、そのチャンスが減少している理由として2つのことが挙げられます。

ひとつは、子どもが傷つく前に親がついつい防御線を張ってしまう傾向があること。

わかりやすく例えると「ころんでケガをしたら危ないから」と、つまずきそうな石をすべて親がとりのぞいてしまうようなイメージです。もちろん小さな子どもを守るべきなのは当然ですから、子どもから目を離してはいけないし、ブランコに乗っている子のそばへ行っては危ないことや、近づいてはいけない場所があれば注意するといったことは親の責任として行うでしょう。

しかし、危ないからと何もかも遠ざけてしまうと、いつまでたっても子どもは「危険」がわかりません。親は目の前にある石をとりのぞき、転ばないよう、間違った方向へ行かないようにと、子どもの手を引いて永遠に歩いていくわけにはいかないのです。

もうひとつは、情報が氾濫し、さまざまな事件やトラブルを目にするにつけ、「なんとしてもわが子を危険から遠ざけなくては」と不安が大きくなり過敏になりやすい傾向があること。警告としてきちんと受け止める必要はありますし、リスクを避けるためにできることはやるべきです。とはいえ、前述したように、やがて親の元から巣立っていく子どもはひとりで歩んでいくのですから、親がすべての障害を取り除くことはできない以上、自分でどうにかしていく力をつけていかなくてはなりません。

社会は常に誰にでもやさしいわけではなく、現実には理不尽なことや思い通りにならないことのほうが多いことを、わたしたち大人は知っています。それはわたし達が大人になる過程で学んできたことなのです。
子どもの成長を見守りながら年齢や性格に応じて、時には親もグッとがまんして(それだと失敗するな)と思うことでも本人のやりたいようにやらせてみるのは大切です。

失敗から学ぶ「乗り越える力」


わたし達はみんな失敗から学びます。失敗は楽しいことではないし、怒られたり落ち込んだり、自分自身にガッカリしたりもします。でも失敗した時こそ、どうしたら次へ進めるか子どもが身を持って体験できる良い機会でもあるのです。

失敗からの学びとして、よく例に出されるのが料理です。目玉焼きを作るために、卵を割ってボウルに入れることに挑戦したとしましょう。なかなか上手に割れず、ぐしゃっと黄身がくずれてしまうかもしれません。たぶん、子どもは落ち込むでしょう。

「失敗しちゃったね、どうしてグシャッとなっちゃったのかな」

「力を入れすぎたのかな」

失敗した理由を探りながら、「でも大丈夫!これをグルグルしてお砂糖をいれて、フライパンで焼いたら、甘くておいしい卵焼きになるのよ」「目玉焼きがだめでも、他の卵料理にすればいいじゃない」と話してみましょう。

失敗から学んで、成功するためにはどうしたらよいか考えること。なにかに失敗しても、別の方法でリカバリーできること。失敗だと思っても、成功につなげる方法もあること。

こんな小さな失敗を積み重ねて、子どもたちは少しずつ「失敗したとき」にどう対応したらいいのかを覚えていきます。

達成から学ぶ「乗り越える力」


失敗から起き上がることでリカバリーの力が身につくとすれば、達成することの「喜び」や「充実」を知ることで、苦しい場面を頑張りぬく力が育まれます。では、子どもたちにどうしたら達成感を与えられるのでしょうか?

達成感は「与える」のではなく、子ども自身が挑戦し「できた!」「わかった!」と思い、すごいな、よかったなと感じることで得られるものです。あるいは、何らかの目標を立て、その目標がかなったときに感じるものです。

失敗の体験と同じく、最初は小さなことから始めましょう。

幼児期から小学校中学年くらいの子どもたちなら「達成しつつあること」、つまりがんばっているステップが目に見えてわかるようにし、モチベーションをもたせるとうまくいきやすいようです。代表的なのがシールを使う方法です。

たとえば「毎日、夕飯前にテーブルを拭く」お手伝いをまず1週間続けることを目標にします。その日のお手伝いができたらカレンダーにシールを貼ります。1週間続いたら目標が達成したので大きな★のシールを貼って「すごいね~!約束まもって毎日がんばったね!」とたくさん褒めてあげましょう。子どもが自慢げに、胸を張って「うん、がんばった!」と言えるように大げさなくらい褒めることで、ひとつのことを達成した感覚を覚えます。1ヶ月続いたら、小さなご褒美をあげてもいいかもしれません。

年齢があがったら、当然ながら目標も高く掲げます。学習ならドリルを毎日1ページ行い、1ヶ月で1冊のドリルを終わらせます。薄いものでいいので、とにかく「ひとつのドリルをすべてやりとげる」ことが大切です。

スイミングスクールに通いだしたら「25メートルをクロールで泳げるようになるまでがんばる」とか、本を選んで読んだページ数を記入しんがら「1冊さいごまで読む」といったチャレンジもいいかもしれません。
休日を使って、ハイキングで最後までがんばって歩くとか、親子で参加できるマラソン大会に出て完走するとか、身近にたくさんの「達成する」機会はあるはずです。

当たり前にしていることをほんの少し意識すれば「子どもの生きる力」はもっと伸ばせる!


失敗をしては落ち込み、そこから立ち直ること。「これをやりきる!」と決めて頑張ってみること。これらを繰り返しながら、子どもは「乗り越える力」を伸ばしていきます。
親が目一杯の手助けをして、完璧なポスターを描いて「賞」をいただいたとしても、子ども自身は「達成感」は覚えません。自分でがんばったことが認められたり、褒められたり、あるいは「最後までやったぞ」と自身で満足できることが、達成感につながります。

子どもたちは毎日毎日がチャレンジなのです。彼らは一生懸命に生きているのです。子どものパワーを侮ってはいけません。「やればできる」は、実際にやってみて、そして「できた」経験をした人だけが「そうだ、やろうと思えばきっとできる」とさらに高い山をめざせるのです。

それには、まずは小さなことから「できた」を体験していくこと。その過程で失敗したときには、失敗を学びに変えて「次に進んでいこう」と前向きに捉えられるように導いてあげること。

「おー、がんばったね」「それは残念だったね、でも大丈夫だよ」……たぶん、きっと、すでにあなたもそうやって、わが子の力を伸ばしているのでは?当たり前の子育てとしてやっていることが、実はとても重要な「子どもの力を伸ばす学び」なのです。

その積み重ねをもうちょっと意識して、達成力と失敗力をさらに育てていきましょう。社会人になったときに必要なのは、学歴だけではありません。

ハードルを飛び越える勇気、転んでも立ち上がる意欲、挫折しても泣いても再び顔をあげて歩き出す力。人生を生き抜くスキルを、今から少しずつ、伸ばしてあげてくださいね。

大橋 礼

大橋 礼

年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。


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