2023.03.22
親にプログラミングは教えられない!? 次世代に向けて保護者がサポートできること
2020年度より小学校、2021年度より中学校での教育が必須化されたことから注目されているプログラミング。しかし、親世代には馴染みがなく、また学習内容も漠然としていてどのようなサポートができるのか、わからない人も多いのではないでしょうか。
そこでプログラミング教育に関するママたちの意識と現状を調査。さらに株式会社MIXIが渋谷区と行っているプログラミングに関する先進的な取り組みもご紹介します。
プログラミングってわかっている?
そもそもプログラミングをママたちがきちんと理解しているのかどうか、聞いてみました!
「パソコンで何らかの作業をする感じ?正直、よくわかっていません…。」(Kさん、子ども10歳)
「ざっくりとしかわかっておらず、誰かに説明をするとなると厳しいかもしれません。パパが結構詳しく、絶対に身につけておいた方が良い!ということで子どもにも話をしています。」(Aさん、子ども13歳)
やはり厳密に理解している、わかっている、自信を持って誰かに伝えることができるというママは少数派なことがわかりました。
子どもの「プログラミング教育」でサポートしていること
そんな中、ママたちはプログラミング教育をどのように家庭に落とし込んでいるのでしょうか。
「通っている個人塾では5教科に加えて、プログラミング教科も受けられるようになっています。ロボット塾などは以前からありましたが、いわゆる受験対策塾で取り扱われるのはすごいなと思っています。まだ習ってはいませんが、子どもに興味があったら授業を受けても良いのかなと思います。」(Tさん、子ども11歳)
「以前プログラミングの体験学習会があり、参加したことがあります。ゲーム感覚で教えてくださり、ゲームが大好きな子どもはかなり興味を持ったようでした。」(Mさん、子ども12歳)
継続してプログラミングを習えるような場所へ行っているという家庭はまだ多くないものの、塾での授業や体験会・イベントの開催など、プログラミング教育は確実に身近なものになってきているという印象を受けました。
渋谷区が推進!「デジタルクリエイティブ&eスポーツ部」 に注目!
そんなプログラミング教育に関する取り組みに力を入れているのが、おそらく多くのママたちにも馴染みのあるコミュニケーションサービスなどを提供する株式会社MIXI。
本社のある渋谷区の教育委員会と東急及び渋谷区に本社を構えるIT企業と共に、2019年6月に「プログラミング教育事業に関する協定」を締結し、「Kids VALLEY 未来の学びプロジェクト」に参画。渋谷区立小・中学校でのプログラミング教育の充実を図り、次世代に必要な資質・能力を持った人材を渋谷から輩出する土台作りを進める活動を行っています。
2021年11月からは、文科省が推進する「部活動の地域移行」に向けて渋谷区がいち早く開始した「シブヤ 『部活動改革』プロジェクト」にも参画。渋谷区立中学校全校合同での「パソコン部」の活動において、よりレベルの高いプログラミング技術を伝えています。
今年度は名称を「デジタルクリエイティブ&eスポーツ部」と変更し、渋谷区立中学に通う1〜3年生の希望者を対象にテキストプログラミングや会話AIロボット「Romi」を活用したプログラミングコンテンツ、WEBアプリデザインの講座など「デジタルクリエイティブ」 の領域に関するコンテンツを提供しています。
グラフィックデザイン講座を覗いてきた!
2023年2月に行われたグラフィックデザインの講座を実際に覗かせてもらいました!
ロゴをデザインし、かつそのロゴを簡易的にアニメーションさせることを通してグラフィックデザインに触れることができ、最終的に自分の仮のYouTubeチャンネルのオープニング画面をデザインすることができるという活動内容です。
全4回を通して、視覚的な表現で伝達するための知識や方法(色、形、大きさ、文字、動きなど)に触れ、身の回りにある様々なものから新しい体験を見つけてもらえるようになることを目指すなど、具体的な技術以外にも学ぶことがたくさん!
今回伺ったのは全4回行う講座の最終回。テーマは、「タイトル画面を完成させよう」で、これまでの3回の講座で作成したデータをもとにはじめのコンセプトに立ち戻り、どういう要素を追加するとより伝わるか、画面構成の再学習とブラッシュアップを行うこと。また、他の生徒の作品と比較することで、新たな気づきを得ることを目的としているそう。
講師陣は実際にMIXIで活躍するWEBデザイナーさんなので、その声を聞くだけでもかなり貴重な時間。各々の作業時間を見守り、子どもの意見を聞きながら「もっとこうすればよくなるかも!」とアドバイスを送られている姿が印象的でした。子どもも質問や相談をしやすい様子。
子どもたちの中にはプログラミングやグラフィックデザインに以前から興味があり、独学で取り組んでいたという子もおり、その知識をさらにアップデートさせることができてとてもうれしい!と作業に没頭していました。デザインの完成度も高く、驚き…!
講座終了後、子どもたちに感想を聞くと、
「キャラクターの色を変えたり、回転させるなど動かせることができるようになった」
「自分のアイディアを形にすることがすごく楽しかった!」
「超エキサイティング!」
習得した技術への喜びと、ワクワク感、興奮冷めやらぬ様子。グラフィックデザインに興味が沸いたと全員が答えられていたことからも、素晴らしい取り組みだと感じました。
来年度はさらにコンテンツ数を増やし、部活動に参加する学生に満足してもらえるようなコンテンツ開発をMIXIは行っていくとのこと。
講座に参加した子どもたちのキラキラした瞳が物語る、未来への可能性を広げてくれるプログラミング教育。このような取り組みが今後さまざまな地域や企業でも広がっていくといいですね。
森田文菜
スタイリスト/ファッションライター