2015.12.09
欧米は無痛分娩が主流! いろんな形のお産あれこれ
「子育て」に入る前に通る道。
そう「出産」です。出産も日本と海外では事情が違うようですね。
皆さんのお産はどんなお産でしたか? 希望通りのお産になりましたか?
お産には予想外がつきもの。できるだけ自然なお産をしたいと思っていたのに帝王切開になってしまったり、無痛分娩を希望していたのに予想外に麻酔が効かなかったり、思い通りにならなかったという経験を持っているかたも多いのではないでしょうか。
また、お産後に周囲からの配慮のない言葉に傷つけられることもしばしば。帝王切開のために「下から産めなかった」という思いが残ってしまうことや、「お腹を痛めて母になるのに」と無痛分娩や和痛分娩を責められたりと、せっかくのおめでたい出産なのに、いきなり「母として減点」のような物言いをされることすらあります。
でも、医学的な考え方や、ほかの国の考え方を見てみると、お産にもいろいろな考え方があることがわかります。お産には人それぞれ、いろんな形があっていいんだということを見てみましょう。
まだまだ自然分娩が主流な日本
日本でもさまざま出産方法がありますが、いまも昔と変わらず自然分娩が主流ですね。プレママタウンが実施した分娩に関するアンケートでは回答者2296名中、62.8%が自然分娩で出産をされていました。
ただ、自然分娩を希望したにもかかわらずさまざまな理由で帝王切開での出産になったママも多いのではないでしょうか。
意外にも、最近では以前と比べると気軽に「帝王切開」を勧めるお医者さんが増えてきています。
それは、以前に比べて医学が進歩して帝王切開のリスクが減ったことでお母さんも赤ちゃんも安全にお産を終えることができる可能性が高くなってきているからなのです。
例えば、逆子なのであれば無理に赤ちゃんの向きを変えようとせずに帝王切開を勧める、赤ちゃんが大きくなりすぎて出てこないのであれば帝王切開に切り替えるといった具合です。
このような場合は、「自然分娩できなかった」と落ち込むよりも、「医療が進んだおかげで無事に赤ちゃんに会えた!」と考えると、気持ちが軽くなるのではないでしょうか。お医者さんとしても、「帝王切開で落ち込むよりも、赤ちゃんに会えたことを手放しで喜んでほしい」というのが本音のようです。
日本でも増えている計画出産・無痛分娩
2人目以降の子どもを産む場合、出産のときに上の子をどうするかは悩みの種ですよね。
そんなときに選ばれてきているのが計画出産、陣痛促進剤を使って、計画的に入院した日に出産を行います。
しかし、ときには計画出産の予定日前に陣痛が来てしまうことも! 計画出産の予定を両親や親戚に伝え、その日に合わせてみんなが予定を組んでくれていたのに、早産になってしまったというかたもいます。もちろん、おめでたいことには変わりありませんが、お見舞いにきてくれた人に「無計画出産じゃない!」なんて軽口を叩かれてしまった、なんてことも。
また、少ないとは言え日本でも最近増えている無痛分娩。体験者は「無痛分娩で良かった!」と語ります。
生まれる直前の数時間は、いきむタイミングをつかむためとあえて麻酔が切れた状態にされたため陣痛の痛みも経験、しかしそれまでの間ほとんど無痛状態か、耐えられる程度の微弱な痛みしか感じなかったため、体力が温存できたと感じたそうです。
翌日から母子同室にしての頻回授乳ができたのは、きっと無痛分娩があったからと・・・。このような話を聞くと、お産の次の日から母として振舞える無痛分娩も魅力的ですね。
欧米では無痛分娩が主流!
アメリカは無痛分娩が多い国として有名です。
出産の翌日には退院するため、体力の回復が早い無痛分娩が選ばれる傾向にあります。
アメリカでの家族の結びつきはとっても強固! 子どもが生まれたら子ども中心の生活になり、日本以上に子どもと触れ合う時間や送り迎えの時間などがたくさん取られます。
お腹を痛めてないからといって、愛情が薄れるわけではないのです。ヨーロッパではフランスも無痛分娩が主流ですが、このような国に滞在している日本人も、無痛分娩を選ぶ傾向にあります。日本と海外、両方で分娩を経験した人は、「無痛分娩のお産は楽だった…」と思うことが多いんだとか。
驚異のスピード退院。英国キャサリン妃
無痛分娩でなくとも、英国では翌日退院が一般的です。さすが医療費無料の国! 出産だって税金で賄われるので長居されてはこまるんですね〜。
キャサリン妃が第2子となるシャルロット王女を出産した際は、入院から退院までわずか12時間というスピード。翌日どころか日帰り出産です。(ただし、キャサリン妃が出産されたところは私立の病院で税金は関係ありませんが・・・)
出産方法など変わらないはずなのに、どうして? 英国の女性は我慢強いんでしょうか?
と思ったら、自然分娩なのに翌日退院という国はまだまだあるようです。
ドイツは自分の好きな方法で
フランスは無痛分娩が主流のようですが、お隣ドイツでは数%なんだとか。
ドイツで水中出産した日本人女性に話を聞いてみました!
水中出産を選んだ理由は、友人から勧められたことと、ぬるま湯に浸かってやるのでリラックス効果があると聞いたからです。
実際、陣痛のピークに陣痛室からバスタブに移った時、お湯に浸かってほっとした覚えがあります。またお湯に浸かってるので、会陰が柔らかくなる効果もあったのか、私は会陰切開せずに産めました!
ドイツでの出産方法は、人それぞれに合わせた自由な出産が一般的だと思います。日本ではアクティブバースっていうのでしょうか?
ベッドの上はもちろん、天井から垂れ下がった布にぶら下がっていきむ方法、旦那さんに抱え込まれる形で前後でいすに座って産む方法、(パートナーが後ろで妊婦さんが前に座る形)、水中出産などです。
あと、無痛分娩も選択できるのですが、フランス程当たり前って感じではなく、本人の選択によるもので、基本的には自然分娩を推奨しています。
入院期間は特に問題がなければ3日間で、帝王切開だったり何か問題があれば母子の容体が安定するまで。
ちなみに出産費用は公的保険に入っていればすべてカバーされるので自費で払う必要はありません。
退院後は、助産婦さんが自宅に母子のケア(赤ちゃんの体重を測ったりおへその様子をみたり、ママに産後体操を教えたり悩み相談など)に来てくれます。 私のときは週1で約一ヶ月半きてもらいました。
どんな産み方だって、お産の感動は変わらない! 自分のお産が運命のお産
始まってみないとどんな進み方をするのか、どんな産み方になるのかはわかりません。
でも、どんな産み方をしても、無事に赤ちゃんと対面できたときの感動には変わりはありません。そして、赤ちゃんを愛しく思う気持ちも変わらないはずです。
思い通りにいかなかった、別の産み方をしたかったと思うこともあるかもしれませんが、育児は思い通りにならないことの連続!そんなお産を乗り越えたからこそ、今の赤ちゃんに会えたのだと思うと、お産も愛しく思えてくるのではないでしょうか。
【記事まとめ】子育てに正解なし!いろんな国の「当たり前」とは?
池田雪
ライター/デザイナー