2016.01.15
【大家族 石田さんチ】から学ぶ6つの「子育て」のヒントと「家族の姿」
ちょっと遅ればせですが、お正月の特番「7男2女大家族石田さんチ」見ましたか?私、大好きなんです。
このお正月も3日に放送され、子どもたちの寝かしつけもそこそこに見入ってしまいました。
石田家のTVシリーズは父ちゃん、母ちゃんと、長女を筆頭とした7男2女の9人の子どもたちのドキュメンタリー。
子育てに奮闘する姿や、最近ではおばあちゃんの認知症やお父さんの退職など、どの「家族」にも起こりうる日常の中の家族の軌跡を記録した番組です。今は末っ子も19歳となり、そろそろ子育て終了期を迎えています。
今回は昨年9月に起きた鬼怒川の決壊に巻き込まれ被災するなど、大変な出来事が収録された回でしたが、ここ数年「石田さんチ」をTVで見るに当たり、母ちゃん、父ちゃんの「子育て」に、なるほどなぁーと納得することがあります。
今回はそんな石田家から私が学んだ「子育てのヒント」をまとめてみました。
1.叱るときは愛を持ってホンキで叱る
「しからない育児」なんて本が、流行する昨今ですが、石田家は叱るときはきっちり叱ります。
怒鳴る父ちゃん、ガミガミいう母ちゃん、この番組ではよくある光景です。
ときには鉄拳やかるくキックなんてのが出ることも。でも、これが見ていて「暴力」とは到底かけ離れた愛のムチなんです。
小気味よく母ちゃんに「パチ」と頭をはたかれ「ばっかじゃないないのぉーあんたは!!」と言われ「テヘ」となる子どもの姿。
見ていて嫌な姿ではありません。
そして、本当にこれは「やっちゃだめ」ということをしでかしたときは、本気で怒ります。怒鳴ります。
「それ、ぜったい友達にもやんなよ!!!」父ちゃんの言葉は真剣です。
子育て本を読んでいると「子どもにダメ、といっては駄目」だったり、悪いことをしたときは「目を見て、なぜそんなことをしたのか聞く」とかあるのを見かけることがあるのですが、私はそういう記述にちょっと違和感を感じることがあります。
子どもに手をあげるとか、そういうことではなく、やっぱり子どもがしてはいけいことをしたときは、しっかり叱りたい。
親が子を叱るときは「この子をしっかりした大人に育てたい」そう思うからではないでしょうか?
2.いいことをしたときは、素直に「良い!」と伝える
父ちゃんは、よくほめる。というか子どもたちの良い行いに素直な感想を言います。
今回も一時期ひどい反抗期だった末っ子がちゃーんと早起きして今は休まず美容専門学校に通っている。
そんな姿に父ちゃんは言います。「スゲーじゃん!!」。
なんて人間っぽい正直な声!もちろん、これは10代後半の息子に言っていることなので、幼児期の子どもを育ていている状況とは違うと思うのですが、子どもがやったすごいことに「すごい!」と正直に言っていいんじゃなかろうかと思うのです。
ほかにも「やったじゃん」「よかったじゃん」子どもたちが小さいときにも、そんな父ちゃんの感想をよく耳にしました。
最近は「ほめない育児」なんて言葉もよく耳にするようになってきて、どういうことなんだろう?と疑問に思うことがあります。
提唱している内容は、やみくもに褒めるのではないとか、言い方などの工夫が必要という事だと思うのですが、単純に「ほめないこと」がいいような気はしません。
自分が子どもだったころを思っても「ほめられたことが力になった」そう思うのです。
3.見限らない、見捨てない
石田家の子育ても、もちろんずっと順調だったわけではありません。
9人の子どもたちそれぞれいろんなドラマがある中で一番母ちゃんが苦戦したように見えたのが「末っ子の反抗期」です。
学校に行かない、夜中に帰ってくる、友達と部屋にこもって出てこない。
見ているこちらもハラハラです。
しかし、母ちゃんは絶対に見捨てません。見限らない。まっこうからちゃんと向き合って、相手をします。
朝起きない息子を起こし、ののしられ罵倒されても、ちゃんとそんな子どもに付き合います。
そんな母ちゃんは言います「今、ここを手抜きするわけにはいかない。ここでどこまで踏ん張れるかで、その子の未来が決まってくることがあるでしょ。」
子どもが反抗期になったとき、子どもと本気で向き合い、その子を見限らない。このことを心に留めました。
4.ユーモアを忘れない
大家族でうらやましいなぁと思うのは、家族がピンチな時に、手を差し伸べるその手が多いことだなぁ、なんて思います。
末っ子の反抗期の助っ人で登場するのが、長男。
母ちゃんのピンチを見かねてすでに独立している長男が家に訪ねてきます。
そこで長男が末っ子にかける言葉がなんともユーモアにあふれている。
友達と別小屋に籠ろうとする末っ子君を長男が止めます。
末っ子「あっちに友達がいる」
長男「まじで?あいさつしてこないと」
末っ子「なんで!?この人、止めて~」
長男「知ってる?おれウザイっていわれんの。」
末っ子「分かった、うざい~」
長男「女じゃねぇだろうな?」
末っ子「女じゃないよ!!」
こんな掛け合いがあり、「母ちゃんなんかもう関係ない」といっていた末っ子が母ちゃんに「ねぇ、母ちゃん男だよね!」と助けを求める。
これで、何が解決したわけではありませんが、家族の踏ん張りどころこそユーモアの欠片が家にあるのは、いいことだなぁと思うのです。
ここでは詳しく書きませんが、石田家の父ちゃん母ちゃんの掛け合いにもいつもユーモアがあふれつい笑ってしまいます。
そんな掛け合いのファンの方もいるのではないでしょうか?
5.母は動じず、肝をすえる
石田家の名場面としてよく出されるシーンが次女のヨーグルト投げ事件です。
受験勉強にストレスを感じた次女がキッチンでヨーグルトを投げ、キッチンの床にヨーグルトがべったりとつきます。
その時にでた母ちゃんの言葉は明言です。
「こういうこともないと掃除しないから。ちょうどいいわね。」床をふきながら動じず言うのです。
悲観的なところはひとつもなく、次女に小言をいうこともありません。
母ちゃんは以前大腸がんがみつかって手術したこともありました。
もちろんその心情はわかりませんが、そのときの様子も動転するそぶりはなく、不安そうな部分はありながらも、どっしり構えていたように思います。
母は動じず、肝をすえる。私の目標です。
6.家族は必ず助け合う
今回の放送では、鬼怒川の決壊で被災してしまった当日の様子や、その後、家の一階部分が浸水してしまい使えない状態になってしまう様子が映し出されました。
この状況下、家族が力を合わせ家の片づけをします。一時期あれていた末っ子も友達を引き連れて登場し、かなりの戦力になります。
反抗期に家族にあんなに反発していた子が、今は家族のために働いている。
しかも「美容師になる」という目標を持ち前に進んでいる。そんな末っ子の姿に感動してしまいます。
核家族が増え親戚も昔ほど多くない最近は、「家族」より「個」に向く傾向がある時代ですが、どんな状況下でも、助け合う一番身近な存在はやはり家族なのだな、と考えさせられます。
実録から見えてくる子育てのヒント
現在、5歳、3歳の子育て中の私ですが、育児書やネット、いろんな情報が入り混じり、何をどうしていいか分からなくなるような事もあります。
また、文字にすると簡単だけれど、実際に実行するのはなかなか難しいというアドバイスにも頭を悩ませます。
そんな中、石田さんの子育ての様子をそのまま実録の映像としてみられるのは、何とも分かりやすい。
子育ての終了期を迎え、ある意味その結果が見てきた「石田家」。
いろいろありながらも、小さかった子どもたちがしっかりと自分の足で歩みだし、家族を愛する心をいつも持っている子どもたちの姿をみると、親戚のおばちゃんのように「いやぁ~、立派になったわねぇーー」なんて思ってしまいます。
また、子育て中の身としては、いままでの映像には「子育て」のヒントがあるかも、と思って鑑賞すると、ただのドタバタ大家族シリーズだけではない、面白い発見があります。
これからは、父の退職、親の介護など、育児以外のことが多くなってくるフェーズに入った石田家ですが、次回の放送も楽しみ!
期待して待っています。
松本尚子
ライター・編集者
2010年生まれの女子、2012年生まれの男子の2児の母。主婦ときどきライター&編集者。女性向けサイトの編集者を経て、リクルートの住宅サイトでweb編集者を経験。酒好き、旅好き、美味しいもの好き。鎌倉在住。