2016.06.28
通級・特別支援学級・特別支援学校の違いって? 決まる時期はいつ?【我が子の発達に不安】
「あれ?うちの子少し発達が遅いかな…」「言葉があまり出てこないけれど大丈夫かしら」など不安を抱えているママが増えているようです。ほかの子と比べないこと、気にしすぎないこと…頭では分かっていても、どうしても比較してしまう。この子はこの先どう成長していくんだろう、小学校は受け入れてくれるかしら…(BRAVA記事「【我が子は広汎性発達障害】グレーゾーンのときが一番つらかった! ママの苦悩と願いとは?」参照)
今回は子どもの発達によって就学先がいくつかあるので、ご紹介したいと思います。
「通級」とは?
比較的軽度な障害を持つ児童に対して、週1回、1~2時間程度のペースで、その障害に合った特別な指導を行うクラスが「通級」です。通級はその児童が通っている学校とは別の学校にあることがほとんどなので、普段は通常学級に在籍し(通い)ながら普通の授業を受け、週1回「通級」に通う形になります。
就学前は特に親も気づかず、検診や保育園などでも指摘を受けず、小学校に上がってから分かって、通級に通うという児童も多くいます。
通級にも、何種類かあります。たとえば「情緒学級」は、通常級のクラスの友達とうまくコミュニケーションが取れない、一つのことが気になるとなかなか気持ちが切りかえられないなどの情緒(精神)面の発達を促す環境を作りながら指導するクラスです。
また、「ことばの学級」は話そうとするとつっかえてしまったり、特定の発音ができなかったりする児童に、言葉の発音や話し方を指導するクラスです。
通常学級に籍をおく障害を持つ児童は、弱視・難聴・言語障害・情緒障害・肢体不自由及び病弱・学習障害(LD)・注意欠陥多動性障害(ADHD)など、本当にさまざまです。普段通常クラスで授業を受ける場合は、介助の先生がサポートに入る場合も多くあります。
特別支援学級とは?
通常の小学校の中にひとクラス、障害を持った子どものみが集まる学級です。ひとつのクラスに1年生から6年生が在籍しています。
通常級だと30人前後の生徒に対して担任は1人ですが、特別支援学級は児童8人に対して担任1人+介助員1人です。もちろん、生徒数が増えれば、それに対応して先生と介助員の人数も増えます。
そしてここに在籍する児童の障害も上記の通級と同様に本当にさまざま。学年を超えて学習レベル別にグループを組んだり、音楽や体育などは1年生~6年生全員で行ったりします。日常生活に必要な力を付けるために、体験的な学習を中心に、実際にものを操作したりする学習を大切にしています。
ひとクラスに1~6年生が在籍するので、上の学年の子が下の学年の子の面倒を見たり、下の学年の子が上の学年に憧れ、目標としてぐんぐん伸びるなど、アットホームでありながら生徒同士でいい刺激を受けることができるようです。
特別支援学校とは?
障害のある児童だけが通う学校です。養護学校、盲学校、聾学校の3つを合わせて特別支援学校と呼びます。また、その中で養護学校は障害の種別によって3つに分けられます。知的障害児が通う学校、肢体不自由児(補装具によっても歩行、筆記や日常生活の基本的動作が不可能または困難)が通う学校、病弱児(身体虚弱で、継続して医療または生活規制が必要)が通う学校です。
養護学校、盲学校、聾学校はそれぞれ指導の仕方や教育内容は違います。しかし、将来の自活できるように、そして社会参加に向けて、身の回りのことができるなどの自立を図り、集団生活や社会生活に参加する力などを高めるため、日常生活の指導を毎日継続的に行うということは共通した目標となっています。
通学が困難な子どものためにスクールバスがあったり、言語聴覚士・作業療法士・理学療法士などの専門家が、担任の先生と連携して一人一人の障害の状態に応じた適切な指導をしてくれるなど、非常に手厚いことが特徴です。
いつどのように「通う先」が決まるの?
さて、いつどのようなところで発達について指摘されるのでしょうか。
3歳児検診で発達に遅延があると言われた、あるいは通っている保育園の保育士さんから発達について指摘を受け、療育(医療や専門的な教育機関と連携して、その子の特性に合わせながら、日常生活を送るあるいは社会性などを身につけるトレーニングをする施設)に通うというケースがほとんどです。療育に通っていると、年長の時に、各自治体が行う「就学時前診断」というテストを受けることになります。
その結果によって、通級か、特別支援級か、特別支援学校、どこに行ったらその児童にベストな教育が受けられるか、という判定が出ます。
もし「特別支援学級」などの判定が出ても、親の強い希望があれば通常学級に行くことができるケースもあります。
学童は行けるの?
一言でいうと「行けます」。障害児枠がほぼどこの学童でもあるので、安心して預けることができます。障害を持った子どもを育てながら働くのは無理なのか…と不安に思うママも多いと思いますが、どうか諦めないでください。
学童はきちんと受け入れてくれるのはもちろんですが、もう少し手厚く見てほしいという場合は、「放課後デイサービス」を利用することもできます(各家庭の収入によって利用料が変わってきますが、各自治体から補助金も出ます)。障害のある、主に6歳~18歳の就学児童・生徒(小学生・中学生・高校生)が、放課後や長期休暇中などに通うことのできる施設です。送迎のサービスもあるので、親としては安心できますね。
学童・放課後デイサービスどちらを利用するかは、お子さんの様子やママのワークスタイルに合わせて決めていけばいいと思います。自治体に相談すれば、的確な対応をしてもらえます。
「うちの子もしかしたら…」と思い始めると、どんどん気になってしまうかもしれません。でも、その子に合った教育や支援の仕方が必ずあるし、子どもは毎日確実に成長するもの。今子どもとママがハッピーであることを大切にしながら、少しずつ先のことを考えたり、上記の記事を参考に調べていってみてほしいと思います。