2016.11.16
子供の「保育園行きたくない!」原因は?どう対応すればいい?
0歳から卒園前まで、朝一度も「行きたくない!」とグズることも泣くこともなく登園するお子さんって、ほとんどいないのではないでしょうか。
0~2歳くらいだと、「なんで嫌がるの?」と、親も理由がわからず登園したがらない時期があります。しかし年少~年長ともなってくると、だいぶいろいろなことも分かってきて、自分なりの明確な理由で「行きたくない」ということが出てくるようです。
もっともらしいことを言われると、親も困ってしまいますよね(笑)今回は、そんな年少~年長の「保育園行きたくない!」エピソードをお届けします。子どもの様子やママの対応なども紹介するので、参考になれば幸いです。
ママと離れたくないから行きたくない年少には教室前のハグで対応!?
3歳くらいになってくると、「ママと離れたくない」「お家で遊んでいたい」というような理由で登園を嫌がる子どもが多くいるようです。そんな時の子どもの様子や、ママの対応はどんな感じなのでしょうか。
年少ともなると、私が育休で家にいることが分かっているようで、「ママはお仕事に行ってるんだよ」と言ってももちろん通用しません。 下の子を抱っこして送迎に行っているからなおさらですね(苦笑)私がシーツや着替えセットなどの支度をしている間、ずーっと私の足にしがみついて「帰ろう帰ろう」と泣き叫んでいました。クラスの子がびっくりして見に来るし、「○ちゃん(娘)が泣いてる~」と言われ、それでまたさらに泣く、みたいな…〔Mさん、子ども5歳、1歳〕
4歳になりたてくらいから始まった毎朝の「私にへばりつき、ギャン泣き、保育士さんによるひっぺがし」は約1年続きましたが、どうやら私と離れるのが悲しくて怖くてたまらなかったようです。自分の気持ちがうまく伝えられるようになったり、先の見通しができるようになった4歳後半くらいから、かなり落ち着きました。〔Tさん、子ども9歳〕
年少といえども、3~4歳なのでまだまだ甘えん坊。「ママと離れたくないから保育園行きたくない!」という理由が一番多いようです。でも、どうしたって別れの朝はやってくる(笑)そんな年少ママたちは、どのように対応しているのでしょうか。
・朝登園したら、保育士さんに下の子を10分ほど預かっていただき、上の子を抱っこして園庭を歩き回りました。たった10分だけど、ママにゆっくり抱っこしてもらえてホッとしたようです。〔Mさん、子ども5歳、1歳〕
・保育園の部屋の前で、たっぷり5分くらいかけて「今日も何時にお迎えに行くから、それまで楽しく遊んでね」と、ちゃんとママがお迎えに来るからね、という安心感を持てるような言葉をかけながらギュッと抱きしめていました。そのうちだんだん抱きしめる時間も短くなり、自分から「ばいばーい」と笑顔で行ってくれるようになりましたね。〔Tさん、子ども9歳〕
言葉よりもギュッと抱きしめたり抱っこで歩いたり、スキンシップで子どもの気持ちを落ち着かせているんですね。
保育園で嫌なことがあったかも!? 年中さんには「魔法の言葉」を
年中にもなってくると、精神面や情緒面も発達してきて、子どもなりの明確の理由で「行きたくない」と言い出す時期。ちょっと難しくなってきた年中さんの様子やママの対応を見ていきましょう。
年中クラスになった5月くらいから、靴を履くところから「行かない…」と言い始めました。数日続いたし、理由を聞いてもまだうまく説明できないため、保育園の先生に聞いてみました。どうやら、おままごと遊びで「犬」役をやらされたことがすごく悲しかったようです。もちろんイジメとかではなく、同じクラスの女の子に「○○くんは犬っぽくて可愛い」と言われた流れでそうなったらしく。本人にとっては大問題だったようですね。〔Tさん、子ども12歳、10歳、3歳〕
年中に上がったときに2年連続で担任だった大好きな先生が、ゼロ歳児クラスの担任になってしまったんです。「小さな子に愛情を奪われた、私を嫌いになったから他のクラスに行っちゃったんだ」と思ってしまったらしく、年中の4月は朝玄関で泣いて嫌がるという登園拒否状態に。〔Yさん、子ども5歳〕
大人から見たら、思わず「そんなことで…」と思ってしまうようなことでも、子どもにとっては「保育園に行きたくない!」までに発展する大問題なんですね。そんな年中ママさんたちは、どんなふうに対応したのでしょうか。
ずっと自転車登園だったのですが、「行きたくない」となってしまってから、しばらく歩いて登園してみることに。歩きながら「ほら、今日もあの犬散歩してるよ、可愛いね」「今日帰ったらママとライダーベルトで遊ぼうね」など、園と関係ないことをたくさん話しました。それでもグズグズはしていますが、園に着くころには少し気分がほぐれるようで、泣く日が減っていきました。そんな長男も今は生意気な小6に(笑)〔Tさん、子ども12歳、10歳、3歳〕
「○○先生はずっと○ちゃん(娘)のことが大好きだよ。そうだ、毎朝先生に会いに行こう。それから新しいお部屋に行こう」と励まし、しばらく毎朝ゼロ歳児クラスに行って、大好きな先生に「○ちゃん、今日も園庭で一緒に遊ぼうね」と言ってもらってから自分の教室へ。1か月くらいそんなことをしているうちに、何事もなかったように登園できるようになりました。順応性が早いんだか遅いんだか…(苦笑)〔Yさん、子ども5歳〕
ママなりの「魔法の言葉」、これが絶大な効果があるようですね。即効性はないかもしれませんが、しっかり子どもの心に響いているのです。
お友達関係で悩み出す年長さんには、先生の力を借りよう
小学生の一歩手前の年長さん。大人が考えているよりも、ずっと敏感にいろいろなことを感じ取る年頃です。「行きたくない」理由も、「なるほど」と思えてしまうかも(笑)そんな年長さんの様子やママの対応はどんな感じなんでしょうか?
ある日お迎えに行くと大泣きしていたので理由を聞くと、「○君は泣き虫だから戦いごっこに入れてあげない」と言われてしまったようです。確かに泣き虫ではあるな、と思いましたが…(苦笑)翌朝から案の定、泣きの「自転車に乗らない、行かない」が始まりました。〔Sさん、子ども9歳、5歳、2歳〕
年長の3月になると、昼寝などしない小学校生活に向けて、昼寝がなくなるんです。寝ないと体力がもたない息子は「(保育園で)寝られないのはやだ! 行かないでウチで寝てる!」と、朝布団からでなくなってしまったんです。泣き叫ぶとかはなかったんですが、ブリブリ不機嫌な息子を布団からひっぺがして、挙句に着替えもご飯も全部私にやらせる。「俺を保育園に行かせたいなら全部ママがやれ」と言わんばかりでしたね(苦笑)〔Aさん、子ども14歳、11歳〕
年長さんともなると、親だけでは解決できない「お友達関係」悩みも増えてくるようです。そして、園の新しい生活の流れに逆らおうとする場面も(笑)そんな年長ママさんの悩みを解決するには…?
保育士さんと話したところ、「ケガをしたら痛いし危ないし、みんなの作ったレゴ(作品が部屋の中に飾ってある)が壊れちゃうから戦いごっこはしないよ」というルールを作ってくれたんです。そもそも保育士さんも、激しさを増す戦いごっこをどうしようか悩んでいたそうなんです。戦いが始まりそうになったらほかの遊びに誘うなどしているうちに、ドッチボールがブームになり、みんなで楽しく遊べるようになったようです。〔Sさん、子ども9歳、5歳、2歳〕
給食の後、30分ほど仮眠を取れるようにしてもらったんです。どうやら息子の他にも1人いたらしいんですが。1週間くらいで30分の仮眠ですっきりできるようになり、身体も慣れて来て、寝なくても大丈夫になったんです。それで自信がついたのか、朝もグズらなくなりましたよ。そんな息子も今は中2。寝起きは悪いですが、「行ってきます!」と爽やかに登校しています(笑)〔Aさん、子ども14歳、11歳〕
普段からその子の様子や、友達とのかかわり方をしっかり見てくれている保育士さんは心強い協力者ですよね。親だけで悩んだりなんとかしようとせず、お迎えの短い時間にでもちょこっと保育士さんと話すだけで解決につながることもあるようです。
いかがでしたか、年少~年長の「保育園行きたくない」理由はなかなかバラエティに富んでいますね。年長にもなると、先生の力を借りたほうがスムーズに解決することが多いようです。
年齢が上がるとともに、「行きたくない」理由も複雑になっていくのかもしれません。しかし残念ながら、「この年齢でこのときはこうすれば大丈夫!」なんてカッチリした対応策はありません。親子で試行錯誤しながら、子どもの気持ちが一番落ち着く方法、前向きになれる方法を見つけるしかない。でもそれが、子どもだけでなく親子共に成長できるチャンスであるとも思うんです。
田崎美穂子
mamaライター