2018.03.08
公立小学校の制服はあったほうがいい?ないほうがいい?
アルマーニの制服で一躍「公立小学校の制服」が話題にのぼっています。公立小学校では「制服」は必要でしょうか? まずは実際に制服がある・ない学校に通わせている親の意見を見た上で、私自身、制服がある公立小学校に通わせた親としての気持ちをお伝えしたいと思います。
「制服はあったほうがいい?」口コミ・体験談まとめ
賛成派
朝、服選びの必要がない!制服なら毎日決まっていて親も子どももアタフタしない(Nさん/制服あり)
一揃いで2万から3万、1度の買い換え程度ですむし、毎日の服を購入するのと変わらないのであればラクだと思う(Yさん/制服あり)
どの学校の子かすぐわかるせいか、何かあると注意されることも多いが、褒められることも多かったように思える。登下校でもこの学校の生徒だという意識が持てるのかなと思った(Uさん/制服あり)
高学年になってから娘が洋服のブランドにこだわり、買って買ってと懇願されて大変だった。公立でも妥当な金額の制服なら、私服と変わらないかもなと思ったし、その方が楽だと思いました(Eさん/制服なし)
反対派
うちは成長が激しく、お下がりでは追いつかずけっこうお金がかかった(Oさん/制服あり)
上着を汚すなとか、制服なので着替えも少ないからついつい怒ってしまうことが多かった(Wさん/制服あり
公立は様々な経済事情の家庭がいるわけで、ウチもそうでしたが、例え数万円でも大変な家もあるはず。公立で制服を購入させる理由がわからない(Iさん/制服あり)
私立ならいいんですが、公立ですよ?うちは制服がありましたが、強制ではないとは言え、全員が着用しているので着せないという選択肢はなかった。これは結局、強制なのでは?だとすれば、公立小学校の指針と合わないのでは?と思います(Fさん/制服あり)
公立小学校の「標準服」は強制ではないが・・・
制服と言っていますが、正確には標準服とか規定服といったような表現をしているはずです。公立小学校ですから「この服を着て学校に来ましょう」と推奨はされていても強制はされていません。
とはいえ、実際にはどうでしょう。
わが子は都内ですが制服がある公立小学校に通っています。標準服の扱いですが、標準服を着ていない、私服で通っている子はひとりもいません。事実上、制服ですね。6年で転校してきた子は大変そうでしたので、PTAがリサイクル品や兄弟がいる保護者に声かけをして用意したこともあります。
また、別の学校ですが標準服はあるものの、普段は私服もOKで半々程度という所もあります。聞いた話では大阪では公立小学校でも標準服(制服)率が非常に高いようですね。
公立小学校の標準服、着る・着ないも学校によってけっこう差があります。また校長先生の考え方によっても変わります。この辺が曖昧なのが不思議です。公立小学校の「決まり」って、どこまで牽制?あるいは強制する力があるのか、今もってよくわかりません。
標準服(制服)のメリットとデメリット
制服(と便宜上言いますが)があるメリットは
・毎日洋服選びに迷わない
・他の子と比べなくてすむ
・入学や卒業式など行事服を購入しなくていい
・揃っていると音楽会などでも見栄えがいい
という所でしょうか。逆にデメリットですが
・最初にひと揃い購入するのにお金がかかる
・お下がりを貰える友人がいないと買い換えが必要
・制服を汚すなと子どもの行動を束縛する場合もある
一長一短というところです。私は制服がある学校に(たまたまなのですが)通わせていますが、どちらかといえばメリットの方を多く感じています。
それはやはり服選びという面倒がなく、また思った以上に小学校ではリサイクルやお下がりも多くあって、私の場合、入学時に一式揃えた以外、あとは全て貰ったもので賄えたからです。でも、これは人それぞれだったり、学校のやり方、ママ友との関係にも繋がり、マイナス要素となる面があるのもわかります。
うちは男の子なのであまり感じませんが、女の子の親は低学年を過ぎると「制服で良かったわ~」と言う人が増えます。ファッションブランドに興味を持つようになりますが、これが驚く程高かったりします。当然、買う親と買わない親が出てきますし、洋服自慢のトラブルや、朝洋服を選ぶのに30分以上かかり毎朝母親とバトルになる、なんていう話も聞いたことがあります。
衣食住「日常生活に必要な知識」は親が教えるべきこと
私は制服肯定派ですが、だからといって、あえて制服がある公立小学校を選んで越境させるのか、と問われたらNOと答えます。そこまでするほど、公立小学校での制服着用のメリットや影響があるとは思えません。単純に親としては「制服あるとラクかも〜」という程度です。
制服を着用することで、自分が通う学校に対する意識が高まるとか、あるいはアルマーニ制服問題で浮上した「ビジュアルアイデンティティ」の必要性があるかどうか、については、私個人としてかなり微妙な感じです。
だいたいビジュアルアイデンティティってなんだ? と思ったら、要するにロゴなどで企業イメージを表現することらしく、制服が学校イメージを決めるのかと言われると「???」なんですが・・・。
そもそも公立小学校に「この学校カラーをアピールする」必要があるのかどうか、という所がひっかかります。基本的に公立小学校はその地域に住む子どもが通うもので、私立のように「うちの学校を選んでね」とアピールする必要性があるようには思えません。
ですが、全く違う側面から、今回の制服問題で思ったことはあります。
人は見た目の印象に左右されるのも事実ですから、一定の年齢になったら「だらしない格好をしていると、だらしない人と思われる」と教えるのは必要かなと思うのです。でもそれは制服をきちんと着用すれば覚えるということでもなく、普段着でも「シャツの裾を出すな」とか、もっと小さい時ならボタンの掛け違いなどを指摘しながら少しずつ覚えていけばよいことではないかな、と思います。
TPOも最近は使われなくなってきた言葉のひとつですが、ファッションの礼儀として社会人になるまでに親が教えておきたいことかもしれません。法事や結婚式で最低限の洋服マナーがあることは、常識です。
「衣食住」は人の営みに必要なものである以上、親が教えていくべきことは多々あるでしょう。制服問題云々はさておき、子どもの年齢に応じて少しずつ、大人になったら当たり前として知っておくべき常識を折に触れて教えていくのが親としてのつとめなのではないか、と思っています。
大橋 礼
ライター
年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。