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2018.06.16

不妊治療とはいったいどんなことをするのか段階的に知っておこう


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不妊治療と聞いて、みなさんはどんなイメージを抱くでしょうか。「時間がかかる」「お金がかかる」「痛みや不調を我慢しなければならない」など、怖いイメージがある方もいるでしょう。確かに人によっては時間がかかり、お金もかかりますし、痛みをともなう治療もあります。

でも不妊治療には段階があり、すべての治療が高額なものというわけではありません。さらに助成金などもあり、社会の理解も進んできています。今回は不妊治療についての詳しい知識と、それを乗り越えるための夫婦の協力の仕方などをご紹介します。

不妊について知っておきたいこと

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まずは不妊治療の基本についてご説明します。でもその前に、不妊について知っておく必要があります。不妊は不妊症とも呼ばれており、赤ちゃんができない状態や、その期間を指しています。日本産科婦人科学会で、避妊せずに性交渉を行っている健康な夫婦が1年以上妊娠しない状態を「不妊」と定義しています。

不妊症と呼ばれているので病気の名前と間違われやすいのですが、不妊症という病気で赤ちゃんができないわけではありません。性交渉を持っているのに赤ちゃんができない状態のことを「不妊症」と呼んでおり、そこにはさまざまな原因が潜んでいます。

女性の不妊原因は排卵の異常や卵管のつまり、子宮の奇形やホルモンバランスの異常、子宮内膜症などの病気等が挙げられます。男性の不妊原因は精子の奇形率の高さや運動率の悪さ、精液中の精子数がそもそも少ない事や、ED(勃起不全)などが挙げられます。さらに男女どちらに原因があるのかわからないケースや、どちらにも特に原因が見当たらないケースなど、「原因不明」とされることもあります。

また、不妊症の原因が男性にもあるケースが、不妊と診断されたカップルのうち5割程度あります。そのため、不妊検査を女性だけが受けても原因は判明しません。男性側の不妊原因は精液検査などをしなければ分からないため、女性と一緒に検査することが推奨されています。

不妊治療の基本について詳しく知ろう

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不妊治療の第一歩は、夫婦で検査を受けることです。検査を受けなければ不妊の原因は分かりません。検査を受けることで原因がわかることもありますし、検査自体が女性の卵管の詰まりなどを改善し、それだけで妊娠可能になることもあります。基礎体温を付け始めることで排卵の時期がわかるようになり、妊娠しやすいタイミングがつかめるようになることもあります。

不妊検査はまず基本的な6大検査というものを受けることが多いでしょう。

・基礎体温…朝一番、動く前に毎日体温を測る家庭での検査
・子宮卵管造影検査…子宮から卵管へ造影剤を通すレントゲン検査
・子宮頚管粘液検査…精子の運動を助ける子宮頚管粘液の検査
・経腟超音波検査…特殊な経腟検査機器で子宮や卵巣の状態を診るエコー検査
・フーナーテスト…性交後の精子の動きを見る検査
・精液検査…マスターベーションで採取した精液中の精子の様子をみる検査

男性側の検査はひとつだけですが、女性側は5つあり、バイオリズムに合わせて検査する必要があるため1ヶ月以上はかかります。タイミングによっては2~3ヶ月かかってしまうこともあります。さらに詳しい状態を知るために、血液検査やホルモンの検査、感染症や性病などの検査も行われます。

検査で女性器や男性器にかかわる病気、ホルモン異常などが見つかった場合や、問診で性交困難などが発見された場合は、それらの治療からスタートします。女性の子宮筋腫や卵巣嚢腫などの病気や、男性の精索静脈瘤、EDなどの病気は不妊症の原因になることがあります。それらの病気の治療を行うことで、妊娠しやすくなるケースもあります。

またタイミング法を試してみることも多いでしょう。排卵の時期を正確に測り、そのタイミングに合わせて性交を行うという方法です。何度かタイミングを合わせても妊娠しづらい場合は、排卵誘発剤など薬の力を借りることもあります。この段階で妊娠するカップルもいます。

しかし、治療が完了しても女性側が妊娠しづらかったり、男性側の精子の状態が良くならなかったりすることもあります。その場合、最初に行われるのは「人工授精」という方法です。

人工授精
人工授精は、採取された夫の精液の中から、運動率の良い成熟した精子を回収し、女性の排卵後、妊娠しやすい時期にチューブなどを用いて女性の子宮内に送り込む方法です。ほとんど自然妊娠と変わらない方法とされています。この方法で妊娠したカップルのうち8割は、7回目以内に妊娠するというデータがあります。平均的には3~5回で妊娠することが多いようです。

人工授精でも赤ちゃんが授からなかった場合は、生殖補助医療と呼ばれる「体外受精」「顕微授精」へと移行していきます。

体外受精
採卵手術を行って排卵前の卵子を取り出し、やはり採取した精子を体外で受精させ、2~5日ほどかけてある程度発育し、「胚」という状態になったら、女性の胎内に移植します。すでに世界で400万人以上の子どもが体外受精で誕生しており、珍しい治療ではなくなっています。

顕微授精
体外受精を行っても受精しない場合、顕微授精に移行します。状態の良い精子と卵子を選び、精子をガラス管の先に入れて、卵子の中に注入する方法です。実はこの方法でも受精率は5割から7割とされています。かなり高度で特殊な不妊治療と言えます。

不妊治療専門の神谷レディースクリニックによれば、生殖補助医療によって年間4万人以上の赤ちゃんが生まれています。成功率だけを見ればそんなに高くないと感じるかもしれませんが、実際に多くのカップルが我が子を胸に抱く喜びを手に入れているのです。

不妊治療が有効なのは何歳くらいまでなの?

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生殖補助医療とされる体外受精や顕微授精を何度行っても、受精しなかったり、移植した胚が育たなかったりして、妊娠できないことも少なくありません。その原因のひとつは、精子と卵子の質の低下です。そしてその大きな要因のひとつが、加齢です。精子も卵子も、加齢によって老化するのです。

精子も卵子も非常に細胞分裂が盛んな細胞です。そのため健康で元気な精子と卵子を得るためには、細胞の新陳代謝やDNAのコピーなどが正常に行われる必要があります。しかし活性酸素や糖化などによって、人の身体は傷つきダメージを受け続けます。それが老化です。新陳代謝は時間がかかるようになり、DNAのコピーにもキズがつくなどさまざまなトラブルが起こり始めます。

女性は30歳を過ぎると、卵子が老化し始めます。男性も35歳を過ぎると精子に老化がみられるようになります。そしてどちらも40歳を過ぎると、卵子・精子・そして受精卵を育てる身体自体が老化し、妊娠しづらくなってしまいます。どんなに医療が発達しても、卵子と精子に「受精する力」「受精させる力」がなければ妊娠は成立しないのです。

そのため、不妊治療にはタイムリミットがあります。だいたい40歳を過ぎると成功率はかなり低くなってきます。日本生殖医学会によると、体外受精・顕微授精を行っても45歳以上になると妊娠の可能性はほとんどなくなってきます。つまり、不妊治療のタイムリミットは45歳までと言えるでしょう。

それでもトライし続ける人はいます。しかし不妊治療にはお金がかかり、体力も精神力も大きくそがれます。今度こそ赤ちゃんが授かっていますように、という願いが砕かれる瞬間は、どんな女性でも胸を引き裂かれるような思いを味わうのではないでしょうか。何度もトライするということは、この胸の痛みを何度も味わうということです。

不妊治療のなかでも生殖補助医療と呼ばれる体外受精や顕微授精は、非常に高額です。そのため、近年は条件付きですが助成金が出るようになりました。大きな条件のひとつが、「年齢」です。女性の年齢によって、助成金が受けられるかどうかが決まります。そのため、助成金を受けることができる年齢をタイムリミットと考える夫婦も少なくありません。次項では、不妊治療にかかるお金と助成金について詳しく見ていきましょう。

不妊治療にかかるお金と助成金について

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不妊治療にかかるお金は自費診療が多く、クリニックによっても治療内容によっても大きな違いが出ます。ここでご紹介するのは、ごく一部の例に過ぎません。目安にして、通っているクリニックにあらかじめ料金を訊いておくと安心して治療を受けることができます。

人工授精…15000円前後~55000円前後
体外受精…10万~30万程度
顕微授精…45万~ 55万円前後

こうした不妊治療には、助成金が出るケースがあります。人工授精に関しては、東京都など多くの都道府県・市町村で、不妊検査・人工授精までの一般不妊治療に対して1回に限り、5万円までの助成金が出ます。

さらに体外受精と顕微授精に関しては、やはり多くの都道府県・市町村で助成金が出ます。
・東京都の場合…初回の助成上限30万円
・宇都宮市の場合…初回の助成上限45万円

不妊に関する特定治療支援は各都道府県・市町村によって限度額や適用される治療が異なります。男性不妊に関する手術に適用される場合もあるので、お住いの地域の官庁・役所の窓口で詳しく説明を聞いてみてくださいね。

また、多くの場合夫婦の年収や助成される回数・女性の年齢に制限があります。特に女性の年齢制限は「タイムリミット」と大きく関係します。多くが40歳~45歳の間にリミットが設定されているため、不妊治療は一刻も早くスタートすることをおすすめします。

不妊治療を早くスタートするためには、不妊検査を一刻も早く受ける必要があります。不妊検査を受けるタイミングには「早すぎる」ということはありません。結婚前にブライダルチェックという形で受ける人もいますし、30歳前後で不妊に不安をおぼえて検査を受ける人もいます。

検査の結果、子宮内膜症や子宮筋腫・卵巣嚢腫といった女性特有の疾患や、男性の精索静脈瘤などの病気が見つかった場合、まずその治療に時間がかかります。完治してからの不妊治療や妊活になるため、一日でも早く検査を受け、妊娠に向けて動き出すことはとても重要なことなのです。

今赤ちゃんが欲しいと思っていなくても、いずれ「欲しい」と感じる時がくるかもしれません。また、子宮頸がんなど思わぬ病気がひそんでいることもあります。夫婦互いの健康のためにも、まだ見ぬ未来の可能性のためにも、少しでも早く検査を受けましょう。

不妊治療を乗り越えるための夫婦円満の秘訣

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不妊治療は、先の見えない闘いです。いつ赤ちゃんが授かるか、本当に授かる可能性はあるのか、妊娠するまで分かりません。そして、夫婦どちらかに明確な原因があることもあります。夫婦が心をひとつに立ち向かわなければ、乗り越えられない壁に突き当たることもあります。

そのため、夫婦円満に日々を送ることはとても大切です。万一赤ちゃんを授かることがなくても、夫と妻の生活は生涯続いていきます。その時に、それでも幸せだと思えるきずなを育てていくことは、不妊治療を乗り越えるための糧になります。

よく話し合う
夫婦で不妊のこと、治療のこと、不安や疑問についてよく話し合いましょう。不満に感じることがあれば、それも伝え合いましょう。そして「赤ちゃんを欲しいと思う気持ち」について、互いに確認し合いましょう。どちらかが頑張っていて、どちらかがそれに仕方なく引っ張られている状態だと、いずれ不満が積み重なってしまいます。互いの気持ちを確認し合い、思いの強さを確かめ合って、これからのことを決めましょう。

互いの立場に立って考える
互いの立場に立って、今できることを考えてみましょう。妻が病院で受けているつらい治療のこと、夫が今後の家族のために仕事の正念場で踏ん張っていること、共稼ぎで家事と仕事を両立している今の状況に、いずれ育児が加わるかもしれないこと……。普段は忙しさや大変さから相手に対して不満ばかりがつのってしまうかもしれませんが、相手の立場になって考えてみると、「大変なんだな。ありがとう」という気持ちが芽生えてくるのではないでしょうか。

ポジティブな気持ちは言葉にして伝える
「ありがとう」と、いつも言っていますか?「大好き」「愛してる」「もっと一緒にいたいな」「頑張っているよね」「尊敬してる」……そんな言葉を伝えることは、恥ずかしいと感じてはいませんか。人は明日どうなってしまうかわからない生き物です。伝えられる時に伝えておかなければ、大切な気持ちは置き去りにされてしまうかもしれません。特にポジティブな気持ちは、思いつく限り言葉にして伝え合うよう努力してみましょう。

直して欲しい部分や努力して欲しいことは冷静に伝える
逆に相手に対して不満に思うこと、直して欲しい部分や努力して欲しい部分などは、冷静に伝えるようにしましょう。仕事のプレゼンのつもりで、大切な骨子だけが正しく伝わるように工夫してみましょう。大好物を詰め込んだお弁当箱に、可愛い付箋紙にしたためて貼ったり、寝坊している日曜の朝の枕元に、きれいな封筒に入れた手紙にイラスト入りで書いてみたり、いろいろな伝え方を考えてみましょう。

ハグ&キスを習慣に
互いに性欲の後退を感じているようなら、普段からハグ&キスを習慣化するようにしてみましょう。ちょっとした感謝や嬉しい気持ち、尊敬の気持ちを伝えるとき、優しいハグや、ほっぺにキスをしてみませんか。長らくセックスレスになっている夫婦だと、互いに触れ合うことに緊張するようになってしまいます。そんなときは手をつなぐところからまたやり直してみましょう。もう一度恋をし直しているようで、ときめいてしまいませんか?

こうした夫婦円満法は、めでたく赤ちゃんを授かったあとにやってくる「産後クライシス」にも役立ちます。産後クライシスとは産後ママの気持ちや大変さを理解せず、育児を手伝わない夫と、育児と家事の両立、育児と家事と仕事の鼎立でボロボロに疲れた妻の間に訪れる冷戦状態のこと。これが原因で離婚するカップルも少なくありません。

私自身、産後クライシスの危機をこうして乗り越えてきました。最初は恥ずかしくても、真摯に取り組んでいる間に相手も向き合ってくれるようになるかもしれません。また、向き合ってくれるように話し合うことが大切です。「恋する家族」でいられるのは夫婦だけ。そんな特別な関係を、不妊治療という共同作業でより高めていきましょう。

 

 

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河野 まちこ

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