2018.08.10
スポーツキッズの「食事」どうしている?ママたちの栄養サポート法
最近の子どもたち、3歳くらいからスポーツに挑戦してますよね。小学生にもなると運動系の習い事も一気に増えます。
私もつい先日目にしたアンケート結果(株式会社ブルボンがスポーツをする7歳から14歳の子どもを持つ母親を対象にした実施)を見て驚きました。このアンケートによると、子供たちは、平均「週7時間」もスポーツをしているそうなんです。10時間以上の子供も約3人に1人。忙しいのは働く母だけでなく、子供も同じなんですね。
となると、母親としては気になるのが子供の食事や栄養面です。「たくさん食べさせたい」「偏食を直したい」「身長を伸ばすような食事をさせたい」あれこれ考えれば考えるほど、それでなくても忙しい働くママにとっては、してあげたいことと、できないギャップに悩むことも・・・。
忙しくても手をかけられなくても、子供にはグングン成長して欲しい! 今回はスポーツキッズを持つママたちの食事エピソードを交えながら、専門家による栄養サポートの知識も紹介していきます。
子どもたちに人気のスポーツ・スポーツ習い事って?
では実際に、どんなスポーツをどれくらいやっているのでしょうか。皆さんの習い事スケジュールをまずは見ていきましょう。
3歳から土曜日にスイミング、保育園の友だちがサッカークラブに入ったのがきっかけで、5歳でサッカーもスタート。今、小学校3年生ですが、水泳が土曜日、サッカーは木曜夜と日曜が基本、他に体操スクール(送迎バスありの週1・水曜日)に入れています。下の子は女の子ですが、お兄ちゃんと一緒に水泳と体操に通ってます(Nさん/長男9歳・長女7歳)
私もパパもテニスで知り合ったので、幼児期からテニススクールに入れました。でもちょっと大きくなったらダンスやりたいと言い出したので、今は日曜日にテニス90分、ダンスは週2日(家から徒歩数分なので助かってます)毎回1時間、それと地元のボランティアが中学校のプールで行っている水泳教室に入れています(Uさん/長女9歳)
完全な野球少年。小1からクラブチームに入っています。水曜夕方から校庭練習、土日はほぼ練習か試合です。他にスイミングも通っていますが一通り泳げるようにはなっており、野球と両方やるのは親子共に大変で、続けさせようか迷っています(Yさん/子ども10歳)
みんな、たくさん習い事させてるな~!と思いつつ、うちも「水泳・テニス・格闘技」と3つもやらせていた時期があったと思い出しました。
スポーツキッズたちの食生活の現状は
さて、ほとんど毎日のようにスポーツをしている子どもを持つママ・パパたち、お子さんの食事はどうしているか気になりませんか? いろいろ悩みもあるようです。
今はミニバスケットに夢中ですが、なんといっても背が低いのが悩みの種で子どももとても気にしています。夫は昔ながらの「牛乳飲め!」派で本人も我慢して朝から飲んでますが、正直あまり効果ないような気がします。この知識、正しいのでしょうか?(Fさん/長男11歳)
いくら言っても「ご飯にふりかけ」が大好きで、大抵野菜は残すし、魚も鮭くらいで他は手をつけません。毎食怒鳴りつけて食べさせるのもどうかと思うし、正直働く母としては、一汁三菜をしっかり準備するのだって大変です。つい、ふりかけご飯おかわり!で「ま、ご飯食べてるからいっか」となってしまうので反省はしているのですが。バレーボール選手になるのが夢で強豪中学に入りたいと口にはする子どもに「食事と栄養が体作りに大切か」を理解させ、バランス良く食べさせたいのですが、なかなか・・・(Aさん/長女10歳)
保育園の頃は気にならなかったのですが、小学校に入って、サッカーや剣道をやりはじめてから子どもの栄養面について考えるようになりました。なかなか身長が伸びなくて、カルシウムをたくさんとるよう、毎日朝は「しらすご飯かじゃこ混ぜご飯」牛乳嫌いなので、カルシウム入りのヨーグルトやお菓子を選んでオヤツに用意しておいてます。でも、なんか、しらすをちょっと混ぜたくらいじゃ足りないみたいだけど、だからって子どものうちからサプリメントとかってどうなのよ?と思うわけで、これからもっと成長期に入るので親としてはどうサポートすべきか気になります(Hさん/子ども8歳)
水泳の育成コースに入れました。とにかく練習後にお腹がすいてしょうがないみたいで、学童卒業してからは結局いつもコンビニで買い食い状態。すると夕飯はあまり食べなかったりして、それで寝る前くらいにお腹がすくもんだから、つい簡単なうどんやラーメン作ってすませてしまっています。これって一番よくないパターンみたいだけど、もともと料理は不得意だし、栄養とか考えて毎日買い物する時間もありません。帰宅して炭酸飲料のペットボトルと菓子パンの袋、アイスのカップが散乱しているのを見ると「いい加減ヤバいよな」とはいつも思うんですが(Iさん/子ども11歳、7歳)
そうなんですよね。毎日栄養バランスを考えた食事をきっちり用意なんて出来るわけがありません。とはいえ成長期である上に、体力を消耗するスポーツに熱心な子どもには、相応の栄養を摂らせなくては、と、焦ります。
専門家に聞く「成長スパート期」に必要な食事って?
スポーツをやる子を持つ親として、ぜひ知っておきたいのが「成長スパート期」です。管理栄養士であり、公認スポーツ栄養士の佐藤晶子先生によると
成長スパート期とは、体が大きく変化する第二次性徴のタイミングのこと。このタイミングは子どもにより異なりますが、母子手帳にもあったような成長曲線のように、平均より下回っていても、きちんと曲線にそっていれば健康的に成長している
山登りでいきなり山頂に行くことはできない、成長スパート期も、事前の準備が必要。つまり一番体が大きく成長する前から、栄養や適切な食事をとらせるよう気をつけることが大切
グンと成長する時期になってからでは遅すぎる!ジュニアといわれる年齢になる前から、日頃の食事が大切ということですね。
【成長期における栄養の取り方ポイント3つ】
●さまざまな食品を組み合わせたバランスの良い食事
●エネルギー源だけでなくビタミン類も摂取させること
●日本人に特に足りないカルシウムはしっかり摂取させること
うーん。
改めて言われると、当たり前のようなことですが、これが日々の食卓でなかなかできないのが現実ではありませんか?
ママたちは栄養サポートにこんな努力をしている!
では実際に日頃から「スポーツキッズ」を支えるため、こんな工夫をしている、努力をしているというママの声を紹介します。働くママたちのアイデア、ぜひ参考にして下さいね。
忙しい毎日なので、なるべく簡単に豊富な食材を摂れるよう気をつけています。朝は「おにぎり」(しらす・青のり・牛佃煮・ごまなど何でも混ぜちゃってます)と「味噌汁」(残り野菜を全てツッコみます!さらに卵も落とします)。朝は下の子の支度もあって大変なので、もはやワンパターン。いつも同じなら他の事をやったり話をしながらでも、自動的に手も動きますから! 夕飯も野菜炒めとか、子どもの好きな甘味噌炒めでとにかく「おかずの数は少なくても、沢山の野菜や肉がとれる」献立にしています。
ただ、学童が終わってからは、サッカー練習へ行く前のオヤツが問題。暑い時期はアイスばかり買い食いするので、最近はカットパインや果物を冷凍しています。ジュニア向けのプロテインバーやドリンク(我が家は主にウィングラムプロテインバー(セノビック)を使用)も用意して、行く前に食べるように言ってあります。フルタイム勤務ですから、手軽に簡単に子どもが食べたり飲んだりできて、私も用意する手間がなく、添加物や栄養に問題がないものを選ぶように気をつけています(Kさん/長男10歳・長女5歳)
子どもが小学校3年生くらいから本格的に水泳を習っていますが、スグにお腹がすくみたいで、ほぼ毎日オヤツとして「おにぎり・サンドイッチ」を作っていますが、夏場は食中毒も心配。そこで、いわゆる栄養サポート食品のようなものを常に用意しておき、小腹がすいたり、スクールに行く前に食べています。夜ご飯は、栄養ばかりを考えると子どももウンザリもします。必ず好物の1品を入れて、ちょっと少なめに盛り付けて「おかわりあるよ〜、でも小松菜とカボチャも食べてからじゃないとダメだよ〜」とアメとムチ作戦(笑)野菜を食べたのを確認してから、好物をまた〝おかわり〟で、てんこ盛りにしてあげてます!(Hさん/長男11歳・次男4歳)
少なめに盛り付けて・・・なんて、ママの知恵を感じますね〜。うちも最初は大皿に盛り付けて取り分ける形でしたが、これだけと子どもがどれくらい食べたかがわかりづらく、やはりそれぞれに盛り付けるように変えました。
スポーツキッズの食事「心の栄養」も考えてあげたい
さて、最後に心に残った「ママのエピソード」をひとつ。
剣道を頑張っているわが子、ジュニア大会にも出場するようになると親もどうしても期待してしまいます。試合後の夕飯では、ついつい「あの場面はこうした方が良かったのでは?」「闘志をもっと出していこうよ」などと励ましとアドバイスのつもりで言っていたのですが、ある時、子どもに「食事くらいプレッシャーかけないで」と言われてハッとしました。どんなスポーツでも勝敗があり、子どもといえどもプライドもあれば重圧もある。食事の時間はそんな子どもの心をリラックスさせる大切な時間なのに、「コレを食べないと力つかない」なんてことばかり口にしていたかも・・・。
それ以来、試合の後は好物ばかりを並べて「おつかれ〜!」で、後は本人から話し出さない限りは剣道の話はしません。逆にそうしたら、ぽつんぽつんと気持ちを語ることもあり、食事の時間は「ただ必要な栄養素を摂るだけの時間じゃない、力も精神力も使い切って〝からっぽ〟になった心を満たしてあげるのこそ母親の役目」と思うようになりました。試合の後くらい「何も考えず、好きなものお食べ〜!!!」でいいのかなって最近は思っています(Tさん/長男11歳)
精密に計算して栄養を摂るのはプロの選手のやること。子どもはスポーツを通して「体も心も成長する」のが基本のはず。だとしたら食事もまた「栄養を摂取する」だけでなく「子どもの心に寄り添うように」豊かな時間を過ごせるよう、あまり神経質になりすぎず、おおらかにやっていきたいですね!
大橋 礼
ライター
年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。