2018.08.17
こんなものまで取っておく!?物(おもちゃ)を捨てられない子供たち、その理由は?
「これ、捨てるよ」「捨てないで!」親子でこんな攻防戦をしたことのあるママ、多いのではないでしょうか。子供って、なんで「こんなものまで?」ってモノを取っておきたがるんでしょう。親は捨てたくてウズウズするものばかり。捨てたらスッキリできるのにぃー!
今回は、「捨てさせてくれない」悩みを持つママたちと、「捨てたくない」子供たちをたくさん見ている保育士さんにお話をうかがいました。
「捨てる」という行為自体が悪!?
娘(4歳)は、捨てるという行為自体が悪だと思っているらしく、本人が大切だと思っているモノを捨てた日には、号泣しながらゴミ箱から拾い上げてきます…たとえば、
・保育園で落ちている、誰が描いたわからない絵を持って帰ってきて「捨てないで!」という
・自販機で売っているアンパンマンの紙パックの空き箱も「捨てるな!」
・シワシワになったガス風船や、空気でふくらませる犬のぬいぐるみがしおれても「絶対捨てないで!」と泣いて頼む。
・一番笑ったのは、私のパジャマのズボンがほつれて切れてしまったので、ほつれている部分を縫い直そうとしたときに、パジャマのズボンの裾を何センチか切って捨てようとしたら、「捨てるの嫌だ!」と泣きながらゴミ箱から拾い上げ、自分の宝物が入っている引き出しにしまっていた。
〔Kさん、子ども5歳〕
捨てる=悪なんて、なんだかかっこいい(笑)「私が捨てる姿は決して見るな!」状態で、娘さんが見ていないところで捨てるしかないですね。
アンパンマンのものは決して捨てるべからず!
5歳の息子、アンパンマンがついているものは、とにかく取っておこうとします。そっと捨てる作戦が成功するときもありますが、たいてい「昨日食べたアンパンマンカレーの袋は?」と思い出して探し当てたり…女性より男性の方がコレクション好きって、ホントかもなんて思ってしまいます。
・アンパンマンのキャンディーチーズの袋。外袋だけならまだいいけど、チーズが包んである包装紙までコレクション!
・もうずいぶん長いこと使ってないのに、子ども用便座についていた音の出るアンパンマンの部品を取っておき、思い出したときだけ遊ぶ
・アンパンマンカレーのルーが入っている袋。一個一個違うキャラクターが描いてあるので、取っておきたいらしいです。しっかり洗うの大変だし、臭いは残るんだぞ!
〔Tさん、子ども5歳〕
アンパンマンを大好きな気持ちは素敵ですが、チーズやカレールーの袋はなかなかキツいですねー…家中いたるところで漂っていそうです。
それもうほぼゴミだよ!?
はっきりいって、大人から見たらほぼ、いや、もろ「ゴミ」。それを大切に取っておくんです。最初は可愛かったけど、汚いものもあるし、溜まっていくし。「俺、なんでこんなもん集めてたの?」と思ってくれる日は来るんでしょうか。
・新聞紙で作ったボール(みたいなもの)。その辺に散らばっていると、ゴミ屋敷みたいになってしまうので(笑)、可愛めのバスケットにしまってはいますが…捨てたい!
・道端や園庭で拾った松ぼっくり、石。セミの抜け殻を拾ってきたときは、「ママの見えないところにしまって」とお願いしました。
・チラシと何かについていたリボンで作った魔法ステッキ。何年前に作ったか忘れましたが、チラシの持ち手は折れ、リボンはしゃぶった形跡が…
〔Yさん、子ども6歳〕
拾ってきたもの系、どんどん溜まるので困っているママ多いのではないでしょうか。セミの抜け殻なんて部屋に転がってたら「ぎゃー!!」ですが、子どもには宝物なんでしょうね。
保育士さんは「捨てないで!」をどう考える?
子供の「捨てないで!」に対して、保育士さんはどう考え、どう対応しているのでしょうか。ある保育士さんにお話をうかがってみました。
・子供たちの「なんでも取っておきたがる、捨てたくない」の理由は?
子供たちをたくさん見ていて、「これはいらないもの」とか「これは大切なもの」に関して、子供たちの中にはもともと判断基準なんかないと思うんです。周りの大人たちが、「これは大事なものなんだよ」とか言うことによって、判断基準を獲得していくものじゃないかな、と。子どもにとって、モノはすべて同じ価値なんだと思っています。
だからこそ、その中で自分にとって興味深いもの、たとえば新しいものとか、めったに見ないものとかを拾ったり集めたくなったり、取っておきたくなるんだろうな、と思います。
・園では、子供の「取っておいて」「捨てないで」にどう対応?
帰りの時間まで、棚の上などに置いておきます。特に大きい子(年中、年長くらい)だったら、口に入れるなどの危険もないし、「○○くんが朝見つけて拾ったんだって。今日のお散歩ではみんなで探しに行こうね」などの活動に広げられる。そうやってみんなで集めたら、何かの製作にも使えますし。
私にも2歳の男の子がいますが、よく分からないものを取っておいてますよ。でも、今はそういうのが好きなのねーと思って見ています。とりあえず、危険なもの以外は否定せず、受け入れようにしています。でも、飽きた頃にこっそり捨ててますよ(笑)
その代わり、違うものに興味を持たせるようにはしています。
「もう、なんでそんなものを?」ついそう思って捨てたい衝動にかられてしまいますが、きっと一時のこと(と信じたい)。大人には理解できない、子どもたちなりのモノへの愛着があるんですね。その気持ちを大切にしつつ、飽きるタイミングをしっかり狙っていきましょう!
田崎美穂子
mamaライター