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2018.08.23

【小学校】子供の「貸し借りトラブル」体験談、嫌と言えない子供の対処法どうする?


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小学生くらいになると、モノの「貸し借り」が始まります。我が家でも過去にこんなことがありました。

ある時、筆箱をあけたら気に入っている黒い消しゴムがなかったので「どうしたの?」と聞くと「えーと、○○君に貸した」「それで?」「なんか、返してもらっていない」「消しゴム返してって言えばいいじゃない」「言ったけど・・・」と後はあいまいなコトばかり言うし、畳みかけるように問いかける私に、あからさまに嫌そうな表情をして話を避けようとしました。

その後もいろいろな場面で「あげちゃった」「別にいらないし」「いいの、交換したから」と言うのですが、親としては首をかしげることがよくありました。

こういうタイプの子、けっこういますよね。そして親としては「なんでも言いなりになっちゃって」・・・ついイライラっと、歯がみしたくなるような気持ちになってしまいます。

「言われるままのわが子」と親の苛立ち

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●カードで遊んでいると、レアカードをいつも変なものと交換させられている。言い返しもせず、なすがままの子どもにイライラする(Nさん/子ども小学2年生)

●ゲームのDSカードをなくしたと言っているが、他のママから公園で別の子に貸していたと聞いた。本人に問いただしても、うやむやな返事ばかり。頼りないなぁと心配になる(Tさん/子ども小学4年生)

●コミックを貸したのだが返してもらえないと言う。既に何回も、です。もっときつく返して!お母さんに言うよ!って言いなさいよ、と言ったのに「別にもう読んだし、いい」リーダー格の女の子らしく、言い返せないらしいけど、やられっぱなしの娘が可哀想なのと情けないのと複雑な気持ちです(Mさん/子ども小学3年生)

●ゲームをやるのに足りないからとコントローラーを持っていった。忘れてきた、と言い、取りに行きなさいと言ったら、その子じゃなく、別の子が間違えて持って帰ったっぽい、と言う。結局コントローラーは出てこなかった。自分で管理できないのが悪い!と新しいのは買っていません。でも諦めているようで、友だちと話し合うとか聞いてみることさえしていない様子。「別にいいや」という態度そのものをどう諭すべきか悩んでいます(Eさん/子ども小学2年生)

●気が弱くて、いつも頼まれるとイヤと言えない。文房具からオモチャまで貸したり、取られたりして、そのまま諦めてしまっています。夫は「優しい子なんだよ」と言いますが、こんな弱いままではもっとひどいイジメにあうのではと不安でなりません(Sさん/子ども小学3年生)

貸し借りのトラブルに3つの対策

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(1)きちんと言葉で伝えられるようにすること
何の貸し借りにせよ、まず貸すことが嫌な場面では「貸せない」とハッキリ言えるようにすることですね。子どもの中でも小さな序列やその場面においての優劣があるのは、社会である以上当然です。「ちょうだい」とか「貸して」に対して「イヤだ」となかなか言えないタイプの子はいます。前述の通り、ウチの子もそうでした。

「なんでイヤって言えないの!」わたしも何度怒鳴ったかわかりません。でも、そういうタイプというか人柄の子は、いくら怒ってもなかなか態度は変わらないんですね。

押しの強い子はいますから、最初はなかなかうまく言い出せないかもしれません。本当はあげたくなかったものや貸したくなかったものを渡すハメに陥った子どもは、子どもなりに悔しかったり、早く忘れようとしたり、逡巡し、迷いながら考えています。そこへ重ねるように親が「あんたが優しすぎるから」「弱いところを見せるから、つけこまれるの!」と怒鳴り続けると、子どもは心を閉ざしたように不機嫌になります。

ケースによっては叱る必要はあるでしょうが、ただ、頭ごなしに怒鳴っても解決しません。私もカッカしてばかりで実践できなかった方なので偉そうには言えませんが「コレはお父さんに買ってもらって大事にしてるから貸せない」「お母さんにダメと言われているから」と具体的にどう話すべきかを提案してみましょう。

(2)そもそも「持っていかせない」ルールにする

そして「取られたり、貸したままになったりするんなら、そもそも持っていかないこと」と我が家ルールを徹底させるという方法もあります。我が家では、度重なる似たような「返してもらえない」「どっかいっちゃった」のトラブルに業を煮やした夫が「自分で自分のモノを管理できないなら、カードもゲームも家から持ち出し禁止!」と終止符を打ちました。

子どもの性格や状況にもよるでしょうが、特に低学年のうちはいっそ持ち出し禁止にし、成長に応じて「本人に任せる」ようにする方法もあると思います。

(3)記名する
防衛手段としてわかりやすいのは、まず記名しておくことです。特にゲームは高価なものですし、貸し借りで大きなトラブルになりがちです。まずは名前を大きく書いておく。子どもと一緒に書きながら「お誕生日にプレゼントしてもらった大事なものだからね、なくさないようにしないと。誰かのと間違えたりしても大変だし、もしお友達に貸すようなことがあっても、名前が書いてあればおウチの人が○○ちゃんのじゃない?って気づくでしょ?ソレ、僕のだから返して、とも言いやすいでしょ」と貸し借りのルールについても話すといいかもしれません。

「弱い・やられっぱなしの子」もやがて強くなっていく

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親としては、何でもかんでも言いなりになっているように見えて、イライラすることもあるでしょう。損な役回りばかりしているわが子が、この先ちゃんとやっていけるのだろうか、いつもこんな風に弱くてやられっぱなしになるのでは? と不安がよぎることもあるでしょう。

小学生低学年くらいまでは、例えば上に兄や姉がいる子はそれなりの知恵がついていますし、もともと性格的にも押し出しが強い子もいます。でも、ずっと同じようなパワーバランスではありません。

小学生は中学年から高学年あたりで、男女共にグループを作ったり、仲間同士のルールで行動したりと、少しずつ「社会の派閥」を形成していきます。その過程では、ジャイアンのような子もいれば、のび太のような子もいるでしょう。でも、だんだんと周囲も理解してきて、優しい穏やかな子に対して「あの子は信頼できる」と別の解釈をするようになって親しくなるケースも多くあります。

非常に強かった子が、ある日いきなり攻撃に回った相手にいともあっさりとやり込められ大泣きして、子ども達社会の序列が一気に崩れることもあります。

序列と書くとマウンティングのようで印象が悪くなりますが、どんな小さな社会でも、仲良しとかグループとか仲間はずれにされるといった問題は起きます。というより、この時期にお互いにやったり、やられたりしながら「譲る気持ち・引かない姿勢・戦うべき時・諦めて忘れること」状況に応じて自分の気持ちとどう折り合いをつけるか、コントロールする方法、意思をどこまで表現するべきか、ひとつずつ学んでいくことがとても大切です。

それがコミュニケーション能力の基本だからです。

子ども同士の関係でしか学べないことは沢山あります。親がいくら「こうされたら、こうしなさい」と教えても、それは身につきません。

程度の問題はありますが、基本的には親が子どもの関係に土足で入っていくようなマネはしないほうが、結果的にはいいと思います。もちろん、高価なものを子どもから奪い取ったとか、一種の脅しに近い形で繰り返しモノを取り上げているようなら、それはもう親から相手に、あるいは学校での問題ならば先生に相談するなり対応は必要でしょう。

ただ、世の中に出た時、全ての人が善人ではないのも事実です。多少ずるいことをされたり、意地の悪いことをされても、そこで悔しい思いをするのも、子どもの経験としては必要なのではないでしょうか。

とはいえ、やられっぱなしのわが子を見るのは親としては、なかなか辛いことです。歯がゆく思うことも、イライラすることも、つい子どもを怒鳴ってしまうこともあるでしょう。ただ、子どもなりのプライドが悔しさの経験の中で少しずつ育ち、プライドを守るために立ち上がり、ハッキリと相手に意思を伝えようとするきっかけさえつかめば、子どもは大きく成長します。必要な時に必要な言葉や態度で子どもをおおらかに見守っていきたいですね。

大橋 礼

大橋 礼

年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。


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