2018.09.05
小学1年生「国語と算数」授業内容は?どこまで進む?
来年度、小学校入学を控えているお子さんがいるママ・パパたち。
「1年生で国語と算数の授業ってどこまで進むの?」
「足し算引き算できないとヤバい?」
入学前に1年生の学習がどう進んでいくか、少し不安に思っているかもしれません。また、現在小1のお子さんがいる場合には
「うちのクラスだけ、宿題が少ないみたい」
「隣の小学校はもっと授業が進んでいるようだが大丈夫?」
授業内容に関して気になることも多いようです。今回は一般的な公立小学校1年生の国語と算数の授業内容や進み具合についてわかりやすく説明します。
小1の国語「4月から夏休みまで」の授業は
スタート時期は学校や先生によって違いますが、だいたい入学式後1週間程度で「小1こくご」の勉強が始まります。ひらがなは、1日に1文字の先生もいれば、2~3文字を教えることも。多くの場合、5月中、だいたい6月前にひらがなが終了します。
この時、けっこう最初はスローペースなので「こんなもんかぁ」と親子共に思ってしまいがちなのが落とし穴! 1年生の当初はとても簡単ですし、今は5歳くらいから五十音くらいは書ける子もいるので、余計に気を抜いてしまうのですが、ただ宿題をやればいいというものでもないんです。特に「殴り書き」ではなく、きちんと丁寧に字を書くことを気をつけてあげましょう。この時期に鏡文字(反対に書いてしまう)で覚えている子もけっこういますよ。
文字を上手に書けなくても「丁寧に読みやすく書く」ことは非常に重要なんです。学年が上がってきて他の教科テストで「乱雑な字を書いて、×をつけられた」なんて日常茶飯事です。
厳しい、細かいくらいチェックしてくれる先生の方がありがたいくらいですが、できるだけ親も側にいて、書き順なども気をつけてあげましょう。
小1の国語「夏休み明けから~」
夏休み明けくらいには「カタカナ」が、それからすぐに漢字もスタートします。
1年生で習う漢字は80字前後ですし、最初は「一」とか「上」とか、1日1文字だとすると「たいしたことない」ように感じます。し・か・し! ここで大切なのは、必ず学校の宿題(たぶんほぼ毎日漢字の練習が出されるでしょう)を行い、確実に漢字をきちんと正しく書けるようにしておくこと、です。特にハネや止めも大切で、ここをおざなりにしていると中学受験をする人はもとより、高校受験でも国語のみならず社会や理科といった解答でも「漢字の間違いで点数を引かれる」このクセのせいで苦労することになります(最初のひらがなを丁寧に書くも、ここに繋がってきます)。
また、カタカナは簡単なようですが、学校の授業数も非常に少ないです。一般的には2週間程度あるようなんですが、例えばウチの次男の時はわずか数日でカタカナは終わっていました。カタカナは「シとツ」「ヲ」といった文字がちゃんと書けない高校生も珍しくありません。
ちなみに次男は中学受験をしましたが、塾の先生が「最近、カタカナが書けなくて、社会の解答はあってるのにカタカナ表記が間違って点数を損している子が増えている」と嘆息していました。「オアシス」と書いたつもりなのに、乱暴に書いた上に間違って覚えているので「オアツス」と誤読され×とされるなんて例は枚挙に暇がありません。書き方のクセとか、間違って覚えた単純な文字ほど直すのが大変です。
そもそも、国語はすべての教科の基本となります。
少なくとも夏休み明けくらいからは国語の宿題はきちんと親がチェックする、平日に時間がないようなら週末に少しの時間でもいいので(例えばパパが担当してもいいかも!)学校のノートや提出した宿題を確認して、取りこぼしがないようにしたいですね。
小1の算数「4月から夏休みまで」授業内容
算数も4月当初は「数字を書く」ことからスタートするので、簡単です。1年生のほとんどが1から10まで書けるので、入学前に少なくとも「10までの数を書けること」の練習はしておいた方が安心かなと思います。最近では簡単な足し算・引き算くらいはできる子の方が多いかもしれません。
といって焦る必要はありませんが、ゴールデンウィーク明けから7月くらいまでには「9-7」「6-1」といった計算は行っているでしょう。
その前に出てくる「いくつといくつ」といった問題も、最初ちんぷんかんぷんの子どももいます。これは「8は7と1」「8は6と2」というように考えます。これが足し算・引き算と繋がっていくのですが、わかる子がほとんどだからこそ、ここで「え、え?どーいうこと?」とパニックになってしまうと、早速〝算数嫌い〟が登場してしまいます!
しかも、この「分解」の方法が、1年途中から出てくる「繰り上がりの足し算」に必要なんですよ。
例えば「6+8」は、学校の教科書では
6は(2と4)
8と2を足して=10
10に4を足して14
と教えます。数字を分解して、わかりやすい方で10の単位にして、残りを足して答えを出すわけです。かーっ、こっちの方が難しいわい!と当時思ったものですが、これが計算の基礎になっているんですね。
さて、GWも開けると算数ドリルの宿題やプリントも持ち帰ってくるでしょう。算数セットを覚えていますか? おはじきとか棒みたいのがセットにされているアレです。この算数セットには時計も入っています。
そうです、だいたい夏休み前までに時計もやるんですよ~! 時計は普段スマホで確認しちゃったり、デジタル表示しか見ていない子も多いようで、不得意な子は1年生のこの最初の時点からつまずきます。これから入学予定のお子さんがいたら、ひとまず「針のある時計」を見せて教えておくと後がラクです。
小1の算数「夏休み明けから~」
さぁ、算数は夏休み明けから一気に加速していきますよ!
●繰り上がりの足し算
●繰り下がりの引き算
これが小学1年生算数最大の難関ですね。まぁそれまでは10本の指で足りましたし、子どもは複雑に考えなくても「頭の中にリンゴを6つ置いてみて、3つ食べちゃった」と画像化して答えを出したりもします。
しかし、繰り上がり・繰り下がりになってくると、練習が必要です。しかも、計算でここが最初のハードルであり、今後の計算問題の基礎の基礎となるベースです。先生にもよりますが、繰り返し練習させることになるでしょう。
先生による学習ペースの違いもある!「学校任せ」にはできない勉強
ざっくりと流れを書きましたが「え、ウチの子はもっと早くから漢字やっていた」「計算問題はけっこう後から始まった」と思った人もいるはずです。
学校・先生によって、学習のペースはかなり違います。公立小学校だからといって一律すべての学校で同じペースではありませんし、もっと言えば、同じ学年でも「隣のクラスはもう繰り上がりの足し算やってる」みたいに、ペースに差があります。
しかし、当然ながら指導要綱があり、1年生のうちに「教えなくてはならないこと」は一緒ですし、授業数もほぼ同じです(多少の裁量は与えられているようですが)。
ということは、先生によって比重をかける場所が違うかもしれず、さらにはノンビリペースでやっていて、難しくなるところ、親としては時間をかけて欲しいところで「タイムアウト!」となるものだから、ざっくり駆け足で教えて終わり、なんていうことも、まぁ実際にはあるわけです。
「子どもの性質や既に学習してきたかどうか」によっても、先生のペースが良いか悪いか評価が分かれます。全く「まっしろ」で入学した子の親とすれば、ひらがなも数字もじっくりやって貰いたいですし、簡単な計算くらいまでやってきた子の親としては「こんなに遅いペースで大丈夫なの?」と不安になるでしょう。
現段階では、学校に様々な要求を求めるのは難しい状況です。国や教育委員会や自治体によって、より先生にとっても子どもにとっても、幅広い知識が得られる教育環境が整うことを願いますが、現実に、私たちの子どもは今ある環境でやっていくしかありません。
最終的には、親が子どもの学習をどうフォローするか、が大きく影響します。勉強だけでなく、例えばスポーツを中心に考える家庭もあるでしょうし、中学受験で難関校を目指す家もあるでしょう。友だちを沢山作り健康であればいい、と思いつつ「とはいえ成績もせめてクラスの真ん中くらい、通信簿ならオール5(評価方法は昔とは違いますが)までいかなくてもオール4くらいにしたいな」なんていう人は多いでしょう。
その目標に向けて、すべて学校任せとはいかないのが現在の公立小学校です。そして何事も最初が肝腎なのは一緒です。1年生で良い成績を取るというよりも、宿題をきちんとやる、毎日教科書を開く(または学習する)時間を15分でもいいから持つ、といった「勉強クセ」をつけておくことです。
1年生はまず、学校に楽しく通い友だちを作り、集団行動について学ぶこと、同時にごくごく簡単な勉強をおろそかにせず、きちんと継続して行うこと。
この部分は、働くお母さんにとって、まして兄弟姉妹がいると大変でしょうが、ほんのひと声かけるだけでも、ノートや教科書を一緒に開いてみるだけでも違います。「ひと手間」が働くママにとってはどれほど大変かは私もよくわかります。でも、勉強は高学年になるほど「簡単に修正できない、わからないところまで戻らないとやり直せない」苦労のタネとなります。今の10分が、将来何倍にもなって返ってくるところですから、ママ・パパが協力しあって、子どもの勉強ペース、学習の姿勢を少しずつ確立させてあげたいですね。
大橋 礼
ライター
年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。