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2018.10.05

【中学受験】偏差値40台で行ける中堅校ってどう?受験をするメリットとは?


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地域にもよるでしょうが、公立小学校でも学年の半数くらいが「中学受験する」というところもありますね。さて、そうなると不思議に思いませんか。

いわゆる御三家とよばれるような難関校や、早稲田や慶応といった付属校というのが、「中学受験」といってスグに思い浮かぶところです。また最近は都立の中高一貫校も人気があります。しかし、受験組の全員がこうした学校を目指しているわけではありません。

でも、学年の半分が(多少大げさだとしても)受験するなら、みんな、いったいどこへ行くんでしょうか? 学校の成績が「下」とまでは言わないが、中より上くらいで「なぜ中学受験、高い受験費用とその後の学費を払ってでも行かせたいのか」と首をかしげたくもなりますね。

地域による違いはあるので、都内近郊と限定はされますが、お勉強がかなりデキるわけではない・・・が、中学受験を選択することについて少しお話したいと思います。

中堅校以下の学校でも受験して通うメリットは

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ここで実名を出しませんが、たぶん受験に全く関心がない人たちなら名前を聞いて「それ、どこの学校?」というところも実際にあります。偏差値でいうと、40から50台前半の学校です(*1)。

(*1)ちなみに偏差値というのは、数値に違いが大きくあります。例えば、ざっくりですがサピックス(大手進学塾)の偏差値を見ると、開成は66前後ですが、首都圏模試では70以上です。だから、どの模試・テストを受けるかによって偏差値は違います。ここでは、中堅校クラスからそれ以下の学校を受ける子がほぼ試すであろう、首都圏模試で言うところの「偏差値40台から50台」とします。

私立中学の一番の強みは、それぞれの学校が「特色」や「教育方針」「教育環境」を公立中学校よりも打ち出しやすい面にあります。

■私立中堅校のメリットとは■
▪ 偏差値は高くはないが入学してから面倒見がよく中高一貫で学習サポートがしっかりしていて大学進学の実績が良い
▪ レベルは真ん中程度だが特進クラス(受験時の成績が特に良い)に入れれば受験体制・推薦制度が非常に整っている
▪ 部活や文化部の活動が盛んで外部顧問もいるなど部活動のサポートが充実している
▪ IT化した学習環境があり専門の先生もいる
▪ 先生の数が多く学習面・生活指導の面でもきめ細かい

と、学校に子どもを集めるためのカラーを明確に打ち出し、実績を作っている学校も多くあります。

入試自体も、テストだけではない方法で評価を見るところも増えています。ハッキリ言えば、子どもの数が減っている今、何もしなくても生徒が集まる学校に対して、真ん中レベルが受験するであろう学校は、「ウチの学校はこんなことをしてますよ」と強くアピールしていて門戸を大きく開いています。

公立中ではないと思った「中堅校」を選んだママ・パパたちの本音

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学校に「難関校」「中堅校」末は「下位校」とまで位置付けすること自体に違和感はあります。とはいえ、中学受験はテスト結果で決まるわけで、当然ながら学校をレベル分けせざるを得ません。

「たいした学校でもないのに、高いお金払って私立行くって意味あるわけ」

こうした意見があるのも事実です。また実際に、中学は義務教育なのですから、わざわざ高い学費を捻出し、いわゆる有名大学へ行けるといった約束もない私立中学に入れる理由がわからないというのも一理あります。では、それでも中学受験を選ぶ理由はどこにあるのでしょうか。実はけっこう多いのが「地元の公立中に行かせることにどうも不安感があった」だから受験を選んだという意見です。

地元の公立中学はひどく荒れている。公開授業を見たが、ひどいものだった。校長先生が替われば、またとても良い学校になる可能性があるとは聞いたが、とりあえずわが子が受験する時はその時期に当たらないわけで、公立中学進学という選択肢じたいがないと思った(Nさん)

現在通っている公立小学校で、いじめに遭いました。おとなしいタイプで、いじめられる理由もあったのかもしれませんが、色々と話し合い、本人も心機一転、全く違う場所でスタートしたいと、みんなが行くあの公立中には行きたくないと言われ受験を決断しました。結果として、受験した私立中学で今はとても楽しく過ごしていて、良かったと思っています(Nさん)

サッカーに夢中ですが、地元の公立中はサッカー部はあるものの、顧問も熱心ではなく(というより、部活にかける時間がないのでしょう)、当時入っていた少年クラブチームでアレコレ情報を聞きかじり、サッカーの部活に熱心な学校へ行きたいと言いました。プロサッカー選手になれるかどうかはともかくとして、子どもがやりたい事を存分にやれる環境に入れてあげたいと思い、受験に賛成しました(Yさん)

長男は公立中から都立高へ進みました。が、下の娘はのんびりした性格で、人数が多く、先生の数が少なく、色々な意味でフォローが少ない公立中よりも、似たような環境で育った子が多く、全体的にのんびり(しかしノンビリしすぎている面があるとは入学後に親としては思いましたが)やらせる方が向いていると思いました。夫は「男の子だったら、様々な子がいる公立中でもまれることも必要だと思うけど、まぁ、下の子は女の子だし、だから私立受験でいいのかも」と最終的に賛成してくれました(Mさん)

私立中学へ進学「デメリット」もある

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しかしながら、私立中学受験には当然デメリットもあります。

▪ 学費が高い
▪ 家から距離がある・遠い
▪ 実際に入学したら特進クラスのみ優遇されていて、普通クラスは公立中との違いを感じない(それなのに高い学費を払う)ケースもある
▪ 部活目的で入学したがレベルの高さについていけず目標を失った
▪ 先生や学校のカラーにマッチしていないと、公立中のように様々な子がいないだけに浮いてしまう
▪ いろいろな環境の子どもと知り合う機会がなく、もまれることを知らないままノンビリ過ごしてしまう

特に難関校を目指す場合と違って、このランクだと親子共に「なんとなく、公立中イマイチだし」「共働きだし、私立中に行かせられるのだから、面倒見のいいところがあればいいかも」と、どうも最初のうちは理由がハッキリしません。ハッキリしないために、志望校選びでも迷いがちです。

親子で見て・体験して・印象をもとに中学受験を考える

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あくまで私の経験ですが、小さい頃から目標とする学校・進路があり頑張ってきたのではないとしたら、です。そこで公立中がイマイチだし、受験をさせようか、と思ったら、まずわが子の実力とそれにマッチして「親子共に納得がいく」学校があるか、実際に自分たちの目で見て、体験して、決めることが大切だと思います。

偏差値40台から受験できる学校は実際にあります。学校も当然経営が関わっているのですから、親子にとって魅力があるように、それぞれアピールしているポイントがあります。そこが我が家の教育方針、子供の人柄、親の希望と合っているか、は、塾のオススメとは別に「文化祭・体育祭・説明会・体験会」などで様々な角度から見てみましょう。

逆に「よく考えると、家の近くの公立中でまず頑張って、高校受験でより目標をハッキリさせて受験するのがベストなのかも」とわかることもあるでしょう。この判断は子供だけでは到底できません。子供が明らかに「この学校はイヤ」とか「どうしてもココに入りたい」と言えば別ですが、それも雰囲気に流される部分もありますから、親としては細かくリサーチしなくてはなりませんね。

偏差値40から50台での中学受験は、難関校受験とは違った意味でまた、大変です。特に学校選びは、「どうしてもココに入れたい」がないだけに、だったら「どこがいいのか」は悩みどころです。

色々と調べていくと、「ええええ、昔、そこってひどく荒れてた私立じゃん!」というような学校が、今や様変わりして、大学進学の実績もあるような所があります。ひと昔前の自分たちの受験時代による学校のイメージにとらわれず、なおかつ、知名度や付属校だけにこだわらず、子供の性格・今後の進路・実際に通いやすいかどうか、といった面を踏まえて、親子でしっかり受験校選びをできるのなら、「偏差値40で行ける学校ってどうなの?」という外野の声は気にしなくていいのでは、と、私は思います。

しかし、繰り返すようですが、何となく違う感じがするのだとしたら、あるいは子供の性格的に「後でガツっと頑張るだろう」と思えたら、ムリをして中堅校以下の中学受験をせず、高校受験に的を絞って、公立中でしっかり親子で進路を決めていくことも、まったく正しい結論です。

中学受験は、色々な意見があります。偏差値が決して高くない学校に対して「受験をする意味があるのか」は常に話題にのぼります。しかし、その答えは、誰でもない、親子で出すことです。親子で納得し、選んだ結果であれば、私立中でも公立中でも、きっと、ふさわしい進学先なのです。

大橋 礼

大橋 礼

年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。


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