2018.10.29
育休中に「イクメン・カジメンだった夫が退化」協力的な夫に戻す方法とは?
産前のお休みを含めて育休をとると、おおむね1年以上になるでしょう。それまで共働きで妻も仕事に行き、昼間の家庭は「からっぽ」だったのに、この間は妻であり母である存在が常に「おうちにいます」という状態になりますね。
そこで、残念ながら、それまではそれなりに家事を手伝い、育児に協力していた夫が、徐々に「イクメン・カジメンから」→「あれ、だって家にいるんだから、やってよね男子」に退化するのは珍しくありません。今回の記事では
●育休中に「変わってしまった夫」
●育休後に再びイクメン・カジメンにさせるための極意
この2つに絞って体験談と共にお話したいと思います。
「すっかり何もしてくれなくなった」育休中の夫の変化
「ついやってしまった家事が〝妻がやるのが当然〟に」
産前産後を通して、子どもを出産し6ヶ月くらいまでは、私も授乳と夜泣きで寝不足だし、夫もそれまで以上に家事や育児に協力的でした。ところが、育休も半年以上を過ぎると、妻が家にいることが当たり前に思えるのか、家事や育児の分担がなし崩しに。私も産後半年も過ぎるとそれなりに体も動くし、ついついやってしまったのがいけなかったのかもしれません。育休復帰を前にして、「明日から保育園だし、これとこれはあなたやってね」と確認したら「えっ!?」って驚いた夫に、驚きました・・・(Nさん)
「育休中に変貌してしまった夫よ」
退院直後は当然ながら、赤ちゃんのお世話は大変でしたが、ある程度夜も眠るようになると昼間の時間ができます。そこで、ついつい、それまで家事分担していた「洗濯物をたたむ」とか「ゴミ捨て」とか「まぁ今は家にいるんだし、いいか」と無意識のうちにやっていたんですね。それが気づくと「私がやるのが当然」になってしまい、私自身もそう思うところがあって、それで育休復帰となったところで「さぁ、私も仕事に戻るから、あなた、コレやってね」と言うと夫はポカンとしています。それどころか、急に「やらなくてはならなくなった」と言わんばかりにすごい不機嫌になるんです。「育休中はよかった」と夫がぽろりと言った時には、共働きでお互い協力しようね、と言って結婚した当初、実際にそれをやっていた夫が、すっかり変貌してしまった、またイチからやり直しか・・・とガックリきました(Yさん)
「共働きっていう考え方さえも変わっちゃうの!?」
一人目の時はそうでもなかったのですが、二人目にもなると育児の経験もあるし、上の子の学校もあるから私も寝不足でも朝、起きて世話を焼きます。そのまま育児は全面的に私に、夫はお風呂に入れるくらいで、「夕飯後の洗い物」「洗濯物を干す」「土日のどちらかは夫が夕飯を作ってくれる」というルールもないものに・・・。その上「子どもも二人になったし、フルタイムじゃなくて、手に職あって時給も悪くないんだからさ、パート勤務にして家事育児にもっと時間かけたら」ってさら~っと言われてビックリ。私がこれまでに培ってきて、ふたりめを産んでも職場に戻れるような実績、それを捨てろというわけ!? いや、なんか育休前までの「お前の仕事に対する熱意はわかるし、なるべく協力するよ」って言葉、どこいっちゃったの!?(Kさん)
産休育休後も「イクメン・協力的な夫」でいてもらう為に
「しつこく思い出させる!忘れさせない家事分担!」
育休を取る前、産前で仕事を休職した時に、まずは最初に「これから子どもができたら、私はしばらく家にいるから、できる家事はやるつもり。でもいずれ復職するのだから、同じようにはできないからね」と何度も釘を刺しました。妻が日中ずっと家にいる、ということに慣れてしまうのはある種仕方はないので、常に「でもね、復帰したら違うからね」としつこく言い続けるしかないと思います(Sさん)
「復帰3ヶ月前に夫を脅しまくった!」
二人目を産んだ時に育休を1年半とりました。というわけで、夫はそれまでけっこうイクメンで何でも「ふたりで協力し合う」感じだったのに、すっかり私がやるのに慣れてしまって。なので、育休後復帰3ヶ月くらい前に、夫にガッツリと「私がこれから育休復帰したら、上の子の時以上に大変なんだよ。あの時以上にあなたが協力しなかったら、あたし、育児放棄するか、おかしくなるかのどっちかだね」と脅しました(笑)でも、実際に笑い話ではありません。育休は1~2ヶ月のことではないだけに、夫も「妻が家にいて、あれこれやってくれる」ことに慣れてしまう。しかも産んだ当初より、後半に従って(子どもも少しは大きくなっているわけで)復職前にとアレコレ家事や家のことをやってしまいがち。それはあくまで育休中の間だけ、ということを、かなり真剣に、なかば脅すくらいのイキオイで、1対1でしっかり話すことが必要です(Nさん)
「育休中こそお手伝いを増やしてもらうのがコツ」
ズバリ、産後からきっちり家事をしてもらうことです。育休で、妻が家にいるから家事してもらえる、という考えを最初から持たせないことです。そもそも赤ちゃんのお世話はとっても大変なんですから、それが「会社に出勤」から、単純に「家で何もまだできない赤ちゃんのお世話を24時間体制でしなくてはならない」に変わっただけ。なので、夫にも産後は大変だと言い続け、育休前以上にお手伝いを求めましょう! そうすれば、育休後にひとつかふたつの家事分担を外してあげるだけで「あ、いいの? ラクになるな。奥さん大変なのに、オレのために気を遣ってくれてるんだな」と逆に感謝さえされますから。決して決して、育休中に夫の家事分担を減らさず、むしろ増やしておいて、育休復帰後に「いいよ、コレは私がやるから」とするぐらいでちょうどいいのです(Hさん)
復職後に向けて「夫婦の心構え」が必要かも!
産休・育休をいれると、共働きだった頃と打って変わって「妻が常に家にいる」状態になります。
体験談で多かったのは、夫が変化する以前に「つい自分がやってしまって」それがいつの間にか「妻がやること」にすりかわってしまい、ふたりともその状況に慣れてしまったというパターンです。
「旦那に期待しすぎないのが一番」という悟りの境地ママもいれば、「甘やかさずにパパ教育に励む!」という人もいます。夫婦のスタイル、子育てのスタイルはそれぞれですが、いずれにしても「全く協力してくれない夫」では困りますね。
産休育休期間は長いだけに、もともと家事に協力的だった夫でも少しずつ感覚がずれて「退化してしまう」のは珍しくありません。育休中からガッツリ、イクメン・カジメン化してもらうか、復職後に向けて「共働きに戻ったら、今度は子育てもあってもっと大変だからよろしく」と事前の心構えをつけて頂くか、なんにせよ、夫とはよくよく話し合うのが必要なようです。
ちなみに「退化」とは、進歩したものが、もとに戻るという意味だそうで(三省堂・大辞林引用)。せっかく共働き夫婦として、なんとか二人で協力し合う体制を整えたのに、長い産休と育休ですっかり「元の木阿弥」に戻ってしまうのは残念すぎます。
実は前よりも「育児」がプラスされる分、共働きの負担はもっと増えるという現実をふたりで乗り越えていけるよう、育休中こそ夫婦でゆっくり話し合いたいですね。
大橋 礼
ライター
年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。