2018.12.18
【共感】「共働き」気づいたら〝ため息と舌打ち〟ばかりの日々!ワーママの心の声とは?
少し前のことです。仲良しのママが「数えたことある?」と突然言うのでなんだと思ったら
「自分のため息と舌打ちの数よ」
と答えるのでビックリしてしまいました。
「え、数えたわけ!?」
「そりゃ会社行っても数えられるわけないからさー、でも、朝起きて電車おりるまで、なんとなーくだけど数えてみたらさ、30回以上ため息か舌打ちついてたのよ」
起床6時にして会社に着く9時までの3時間、30回ものため息か舌打ちをついているのか、とママ友に同情したものの、ふと考えてみたら
「いや、待て。わたしも同じくらいじゃないか」
・・・そうなんです。働くお母さん、たぶん、多くの人がため息と舌打ちの日々ではないでしょうか。
ため息だらけの日々ですが
ため息は、ウンザリした時や疲れ果てたと思う時についてしまうもの。あるいは身近な人に対してや、起きた出来事について「やれやれ」と思った時につい漏らしてしまうものです。
そういえば、今朝、私が最初についた〝ため息〟は、洗濯物を干していて「あれほど何度も言っているのに、どうして靴下を裏返したまま、洗濯カゴに入れるかな~っ!」の後でした。
それから、「あ、今日、体育で縄跳びいるんだった、どこだっけ~?」と登校10分前に次男がノコノコと私のもとにやってきた時にも「はぁ~」とため息ひとつ。
そして、大騒ぎしながらも古い縄跳びが見つかり、子どもが出かけた直後に「なぁ、オレのマフラー、クリーニング出しといて?ってか、明後日使いたいから、朝イチで出しといてよ」と夫にフツーな感じで頼まれた時。気軽に頼んでるけど、そのひと手間が大変なんですけども!クリーニング屋に回る10分が働く母にどれだけ貴重な朝の時間がわからないのか!?
「ふぅー」とため息をつき、いろいろ言い返すのも面倒になって「はいはい」と答えましたっけ。朝のたった1時間で3回のため息。20分に1回はため息ついている計算ですよ・・・。
やがて「舌打ち」しだしたら要注意
ため息の次に出てくるのが、プチ怒りを伴った「舌打ち」ですね。舌打ちはあまり良い印象ではないとはわかっていますが、これがまた、ついつい、「チッ」と口をついて出てきてしまいます。
今朝一番の「ちっ」は、朝にゴミを捨てなくちゃと思い、ゴミ箱からゴミ袋を取り出そうとしたら(ごみ袋をかけるワイヤーみたいのがある)ひっかかり、ドサっとななめ横に倒れてしまって、キッチンに昨日の夕飯の残りと牛乳パックと、何やらわからぬ紙切れの山がちらばった時。
ティッシュでつまんだものの、大きなゴミがバカスカ落ちるものだから、ええい、しょうがないと素手でゴミを片付けだした時に、すでに2度目の「チッ」が漏れましたとも。
ため息ならともかく、舌打ちはあまり良い態度とは言えません。公の場ではかなり自制が効くものですが、家にいるときはそうそう良い顔ばかりもしていられませんよね。私が「チッ」ともらせば、子どももふっとこちらを見、視線をすぐにそらせます。たぶん、自分が原因だったらヤバいな、の視線でしょう。
夫はどうでしょうか。夫は知らんぷりをしますが、私の「チッ」が3回くらい続くと露骨に嫌な顔をします。露骨に嫌な顔をしている夫に無言で(で、わたしの大変さ、わかってるのかね!?)の意味をこめた、もはやため息とは言えない、「ああああああ〜」という吐息+苦悶の叫びが口から飛び出します・・・。
舌打ちからの無間地獄
聞く側になると、舌打ちはかなりイヤなものです。たまにスーパーやコンビニなどで、機嫌が悪いらしい見知らぬ人が私の前で「チッ」なんて舌打ちつかれると、「え?なに?」と身構えてしまいます。
自分ではなく、夫が舌打ちするとどうでしょう。私は、夫がなにげなく「ちっ」と言うと、何だろう、何が気に食わないんだ? と、チラチラと表情を盗み見しますね。苛立ちを見せる夫に「知らぬフリ」でいると、今度は大仰なため息をついたりして、何を私にアピールしたいんだ?と、今度はこっちが無意識にため息をもらし、やがて、「チッ」と私も小さく舌打ちしたりして。
それはこんなに私があれこれと忙しくやっている中で、聞こえんばかりの大きさで舌打ちつくなんて、どうして気に障るようなことをするんだろう、の「ちっ」です。
そうなると、夫婦で「チッ」の堂々巡りが始まり、我が家中に不穏な空気がたちこめます。舌打ちって、聞こえるとそれだけで不愉快になりませんか? 夫や、ましてや子どもなんぞが「ちぇっ」なんて声に出そうものなら、
「はぁぁぁぁぁ? あんたが言う!?」
みたいな、ワケのわからない苛立ちが私を襲うのです。
負の連鎖ですね。家庭内「無間地獄」の始まりです。でも、「チッ」が出る前に、たぶん、多くの「ため息」が漏れており、家中にため息が蔓延して、それから「チッ」へ移行することが多いんだなぁとなぜか冷静に分析した私。
ちょっとしたこと、些細なことだからこそ、文句にもならない。ならないけれども、確実に不満があり、イヤだなとも思っているから、最初はあきらめ半分のため息になる。そのため息は床を這うようにして広まり、息苦しくなった末に、ほんの小さな出来事で「チッ」と舌打ちしてしまうこと。
前向きに生きよう、明るく頑張ろう、お母さんは家庭の太陽でありたい! って、私ももちろん思ってますが、1日のスタートから本当のことを言えば、ため息の連続と、やがて舌打ちしてしまうんです。
愚痴の壺より「声にして伝えてみる」
自分に余裕がなければ、相手の機嫌の悪さや、不満や不安を感じ取り、励ましたり話を聞いてあげることだって、できません。だけど、ポジティブになるってそう簡単ではありません。自分がもらすため息も、家族がもらすため息も「しかたない」。いつでも、常にみんなが笑顔の家族なんて、ホームドラマだってありはしません。それに、家族だからこそ、遠慮もせずに心のままに「ちっ」なんて、漏らしてしまうのでしょう。
だけど、なるべく「ため息」のうちにやめておきたいな、と改めて思っています。舌打ちは、知らずと側にいる人の心を逆なでするし、時には不安にもさせるから。努力してもできないことのひとつだけれど、せめて
「あ~、ふぅ~」
ふたつのため息だけで、どうにか終わらせておきたい。そういえば、「愚痴の壺」「叫びの壺」ってあるそうです。最初に話したママが「バカバカしいけど、その壺、買おうかなって思っちゃったわ」って言ってましたっけ。言いたいけど言えない些細な不満、だからこそ、たまれば重くのしかかる。叫んでスッキリするなら〝壺〟買ってもいいんですけどね。
いや、待てよ、です。
叫ぶくらいなら、やはり言葉にして相手に伝えるべきなのかも。今朝、私がため息をつくかわりに、ちゃんと言葉にして「マフラーさぁ、私も今忙しいからさ、今日行って!みたいに簡単に頼まないでほしいな。忙しい中悪いんだけどクリーニングに行ってもらえないかな、と丁寧に頼まれたら、私だってイライラしないから」そう夫に言うべきだったのかも。「ゴミ箱ひっくり返しちゃったよ!あー!やっちまったー!」と家族に向かって愚痴を叫べばそれでよかったのかも。そうしたら、もしかしたら夫が、子どもが「うわ、大変」手を貸してくれたかもしれないし、「大丈夫?」そう聞いてくれただけでも、スルスルスルって、苛立ちが薄れたかもしれないのに。
思っている以上に、私たちは心の声をしまい込んでいるのかもしれません。
と、考えながら、またひとつ、今度は反省をこめた〝ため息〟をついてしまった私です。
大橋 礼
ライター
年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。