2019.01.30
【子供の運動機能を高める】スイミング、ダンスだけじゃない! こんなにある運動系の習い事
近年、子どもの体力が全国的に落ちてきているというデータが報告されています。小学校や中学校では、年に1回体力テストがありますが、その結果、体の使い方やコントロールがうまくできない子が非常に多いそうです。
それは、圧倒的に運動量が減ってきていることが原因。昔のように野原を駆け回ったり、公園で体動かして遊ぶことが減り、スマホやゲームばかりするため姿勢も悪くなり、視力も落ちるなどの問題も出てきています。子どもにとって体動かす事は、とても大事なこと。
楽しみながら、かつ運動機能を高める習い事はけっこうたくさんあるようです。メジャーなスイミングやダンスのほかにどんな習い事があるのか、習わせているママたちの声も交えながら紹介します。
運動不足の原因はこんなにある!
「運動不足だ、運動不足だ」といわれますが、現代の子どもたちがなぜそうなってしまったのか、まずはその原因を見ていきたいと思います。
1. 子どもを取り巻く環境の変化
受験戦争の過熱、早期教育のススメなど、「からだを動かすこと」 の重要性が軽んじられる雰囲気や、からだ全体を使った遊びができる「時間、空間、友人」を作りにくくなっているという環境の影響が大きいと考えられています。
2. 子どものライフスタイルの変化
ゲームなどで夜更かしをする、結果寝坊をして朝ごはんを食べない。あるいは、ジャンクフードばかりで栄養バランスの悪い食事が中心で、肥満や「からだがだるい」という状態になって、さらに運動をしなくなる、という悪循環に陥る。
悲しい話ですが、現代の環境が子どもを運動不足にしていることはいなめません。しかし、それはすべての子どもではなく、スポーツ系のクラブや教室などで体を動かすことに熱中している子が増えていることも事実なのです。
礼儀も身につく! 武道系
「はっ!」「めーん!どーう!」といいながらシャキシャキ体を動かす姿、かっこいいですよね。そんな武道系の習い事を紹介します。
・空手
ちょっと雑学になりますが、空手は沖縄発祥のスポーツで、かつては「唐手」といわれていました。日本本土に伝わる過程で「空手」になったそうです。突きや蹴り技などの打撃技を主流とした武道。型を重視し、相手の体に触れる前に寸止めするため、子どもにとって安全面は配慮されているスポーツといえます。
子供を習わせている先輩ママから【Mさん、子ども9歳】
〔始めた時期・きっかけ〕息子が保育園年長の時。月並みですが、保育園の友達がやっていて「かっこいいから僕もやりたい!」と。〔ペースや月謝は?〕区が運営している教室で、ひと月2,000円です。近所の体育館で月2回程度。道着は最初レンタルでしたが、通販で1万円ちょっとで購入しました。
〔子どもの様子〕空手仲間も増え、今のところ熱心に取り組んでいます。大人の人も一緒なので、人生の先輩としていろいろ教えてもらうのも楽しいみたいですよ。始めたころより体力がついて、風邪を引きにくくなったかも!
・合気道
「気」をもって相手の力を「制する」、いわば「受け」の武術です。相手と直接コンタクトを取って、ひじや手首、肩に対する関節技と、投げ技がメインになります。子どもに合わせた安全な技を教えますが、投げ技などもあるため、「小学校中~高学年から」という教室が多いようです。
子供を習わせている先輩ママから【Aさん、子ども12歳】
〔始めた時期・きっかけ〕娘が小学校4年生の時。年上のいとこ(女の子)の影響です。〔ペースや月謝は?〕個人でやっている道場で、週2回のペースで月5,000円です。道着は15,000円ほどかかりましたが、習い事としてはとてもリーズナブルで助かっています。
〔子どもの様子〕始めて2か月くらいでキツくなったらしく、「やめようかな」という時期もありました。でも、いとこに「続けると、こんなことができるよ」と励まされ、今では張り切って行っています。近所の人に「挨拶がしっかりできて偉いね」と言われるようになったのは、もしかしたら合気道のおかげかもしれません。
武道といえば「礼儀」。挨拶はもちろん、ほかの人の型や技を黙ってしっかり見るなど、その場の状況に合わせた行動も身につくようです。ちなみに、空手と合気道の違いは、空手は「打撃技」がメイン、合気道は「投げと関節技」がメインだそう。知りませんでした…
足が速くなって自信もついた、陸上・体操系
陸上や体操は、なんとなく高校生くらいから部活で始める、というイメージがありますが、「足が速くなりたい」「体を柔らかくしたい」という理由から習うお子さんもいるようです。
・陸上クラブ
子ども向けの陸上クラブや教室は、主に「走る」をメインにしているところが多いようです。とはいえ、走るためにはそれなりの体力・筋力・体幹、しっかり身体をコントロールできることが必要になってきます。腹筋や背筋を鍛えたり(もちろんハードではありません)、子どもにとって必要な「しっかりした体づくり」も目指せます。
子供を習わせている先輩ママから【Tさん、子ども14歳】
〔始めた時期・きっかけ〕息子が小学校2年生の時。運動会の徒競走で1番になれず、「足が速くなりたい!」と泣いて悔しがったので、主人が調べまくって「かけっこクラブ」を探し出しました。本人もやりたい! と言ったので。〔ペースや月謝は?〕週1で、なんと月2,000円! 母体の運営会社が大きいため、この価格にできるようです。ありがたやー。
〔子どもの様子〕コーチが若くて優しいイケメンだったので(笑)、毎回ウキウキで行っています。徐々に足も速くなって、とにかく体力がつきました。嬉しいことに、小学校5年生の時には学校で一番足が速くなって、いろいろなことに自信もついたようです。将来の夢は「100mでオリンピックに出ること」
・体操クラブ
教室にもよりますが、「床・マット運動」や「鉄棒」「跳び箱」など、子どもができそうなことを中心に、安全面を最優先に行います。平均台や跳馬、段違い平行棒のような高度なものは、相当経験を積んでから。180度開脚ができたり、バク転ができたら、クラスの憧れの存在になりそう。
子供を習わせている先輩ママから【Tさん、子ども12歳】
〔始めた時期・きっかけ〕娘が小学校3年生の時。テレビで体操を見てあこがれて。〔ペースや月謝は?〕週1で、月7,000円です。水泳で通っていたスポーツクラブだったので、水泳から体操に移行しました(苦笑)
〔子どもの様子〕ぜんぜん厳しくなく、コーチも優しいのでただただ楽しんでいます。始めて1年半ほどでバク転ができるようになって、「子どもってすごい…」と感動しました(笑)今は平均台が始まったらしく、「難しい」とちょっと挫折気味ですが…
学校の体育の時間や運動会の活躍につながりそうな習い事ですね。「おー!すごーい!」なんて友達に言われたら、運動以外のことにも自信がつきそうです。
ママも一緒に楽しめるかも!? 球技系
サッカーや野球、バスケットボールをやっているお子さんはけっこう多いですが、バレーボールやテニスは、子どもの習い事としては意外とマイナー。だからこその魅力もあるようです。
・バレーボール
いわゆるキッズバレーボール。就学児前の子どもが使うボールは大きめで、一般よりも柔らかいものを使います。小学生用のボールは硬さは大人用と同じですが、一回り小さいものを使用します。コートの広さも、もちろん大人よりも狭くなっています。まずはボールに親しみ、体のどこをどう使ったら上手にできるかなど、子どもたちにわかりやすく説明しながら、オーバーパスやレシーブなど基本的なプレーを中心に初めて行きます。
子供を習わせている先輩ママから【Oさん、子ども7歳】
〔始めた時期・きっかけ〕娘が小学校1年生にあがったタイミングで。まだ初めて1年経っていません。私が上の子の小学校のママさんバレーの練習に下の子を毎回連れて行っていたら、やりたがったので。〔ペースや月謝は?〕週1回、日曜に。月謝はチケット制で、1回1,500円。行ったときに監督にチケットを渡すシステムです。
〔子どもの様子〕今はトスやレシーブなど基本練習ばかりのようで、「今日行かなきゃダメ?」なんて言うときもありますね。「基本がしっかりできてこそ、次につながるんだよ。ふんばれ!」と励まし、なんとか続けています。アタックなど攻撃プレイができるようになると、楽しくなるんじゃないかな。見た目少したくましくなり、確実に体力はついてきていると思います。
・テニス
テニスは、前後左右に走るし、踏ん張るし、瞬発力も持久力も必要な、実は激しいスポーツ。あらゆる運動能力を引き出すことができるスポーツといえます。バレーボールと同様、まずはボールに親しんだり、ラケットの正しい振り方、基礎体力をつけるところからスタートします。
子供を習わせている先輩ママから【Nさん、子ども15歳】
〔始めた時期・きっかけ〕ミーハーな私が、空前の錦織ブームに乗っかって始めました(笑)レッスンを見に来た当時6歳の息子が「やりたい!」と。将来一緒にできたら楽しいな、くらいの感覚で始めさせました。〔ペースや月謝は?〕週1回、土曜に。レッスンはひと月5,000円とさほど高くないですが、ラケットやウエアー、靴などに気合を入れてしまいました(笑)。
〔子どもの様子〕子ども5人にコーチ2人という体制で、手厚く和気あいあいの雰囲気なので、始めた当初は「テニスをする」というより遊びに行っている感じでした。そのうちにレベル別でコースが変わり、サーブやスマッシュなど高度なプレーを習ったり、試合などを経験するうちに「本格的に頑張りたい!」と思うようなったみたいです。結局テニスの強い私立に進み、中3の今はテニスに打ち込んでいます。もうとても私の相手になってくれません(笑)。
ママの影響で始めるって、なんだか嬉しいですよね。将来は春高バレー、ウインブルドン?なんて夢も膨らんでしまいそうです。球技は、素早く動くボールを目で追うため目の筋肉を使うので、視力が落ちにくいという説もあるようです。
できたらカッコいい! 将来の趣味にもつながる系
ブームになりつつあるスポーツや、オリンピックで盛り上がったスポーツが、子どもでもできる身近なものになってきているようです。大人になったときの「ちょっとカッコいい趣味」になりそうな運動系スポーツを紹介します。
・ボルダリング
壁にくっついたカラフルな岩を登っていくスポーツです。ボルダリングができる公園やキッズスペースもあるほど、最近知名度が上がってきました。本格的にボルダリングができる場所も各所にできています。足や腕をつかって「よじ登る」「支える」「踏ん張る」など、とにかく全身を使い、バランス感覚も養え、身体をまんべんなく鍛えられます。キッズコースがある教室も増えているようです。
・トランポリン
遊園地や児童館などの施設で、一度は遊んだ経験があるのでは。そう、子どもはとにかく飛んだり跳ねたりすることが大好きです。しっかり飛んで着地するだけで、バランス感覚がつき、体幹が鍛えられます。基本がしっかりできたら、宙返りやツイストなどカッコいい技もできるようになります。まだマイナーなスポーツなので、日本代表も夢じゃないかも!? 楽しく全身運動できるので、「ちょっと太ってきたかな?」というパパやママも一緒に通ってみてもいいかもしれません。
・フィギアスケート
浅田真央選手や羽生結弦選手などの活躍で、常にブームを巻き起こしているフィギアスケート。フィギアスケートは、バランス感覚を養い、足腰も強くなります。そして、選手を見ていると全員姿勢がいいし、氷上を軽やかに舞う姿は見惚れてしまいますよね。フィギアスケート=お高い! というイメージがありますが、1回2,000円前後の教室が多いようです。
いかがでしたか。未就学児~小学校の運動系の習い事は、いわゆるスポ根とは無縁で、「楽しんで続ける」工夫が凝らされているようです。「習い事何にしよう?」と迷っている方や「今の習い事に運動系をプラスしたいな」と考えている方の参考になれば幸いです。
楽しんでやっているうちに自然と体力や礼儀、身体のしなやかさなどが身につくって、なかなかありがたいことだと思います。
田崎美穂子
mamaライター