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2019.04.17

【働くママの資格】取得するきっかけ、勉強はいつやるの? 



子育てしながら家事、仕事…働くママは、1日24時間ではとても足りない! そんな中、一念発起して資格を取るママも少なくありません。
まとまった勉強時間が取れないワーママが資格を取得するまでの道のりは、長い闘いになることも。今回は、資格を取得したママ3人に、なぜその資格を取ろうと思ったのか、どのように勉強したのかなどを、詳しく聞いてみました。

資格取得でさらなるステップアップを目指す!


長年の出版社勤務を経て、編集プロダクションに転職、現在は食品カタログの制作に携わっているTさん(46歳、子ども14歳)。フードコーディネーターの資格を取るまでに、どんな苦労や工夫があったのかうかがいました。

Q.フードコーディネーター資格を取ろうと思ったきっかけや理由を教えてください

出版社で17年間、自治体向けの冊子やチラシのデザイン編集業務に従事していました。そして8年前、デザイン編集プロダクションに転職し、生協の食品カタログ制作に編集者として携わるようになりました。
仕事内容は、商品を使ったメニューを提案したり、それが通るとキッチンスタジオで撮影の立会いをしたり。そこで、初めてフードコーディネーターの「“魅せる”技術」を目の当たりにし、自分もあんなふうにスタイリングしたり美しく撮ってみたい、と思うようになったんです。それに関わる資格や資格試験はないかと調べ、さっそくフードコーディネーター検定3級試験に申し込みました。無事合格したのが3年前、昨年は2級、今年は1級と、運よくスムーズに取得することができました。
ちなみに、フードコーディネーター検定は2級から3分野(レストランプロデュース、商品開発、イベント・メディア)に分かれており、私が取得したのは「イベント・メディア」の1級です。

Q.仕事や家事、育児をしながら、どのように勉強したのか教えてください。

いつもより1時間ほど早く起きて身支度を終え、出勤するまでの時間に勉強していました。早起きは苦手ですが、夜だと頭も体も疲れていて集中力も切れてダラダラしてしまうので…朝だと、短時間でもかなり集中してできましたね。
通勤電車内でも勉強しました。乗車時間が(片道)30分と区切られているので、むしろ飽きずに取り組めました。特に、暗記系には有効な時間でしたね。休日に時間ができると、カフェなどに行って1時間ほど勉強することもありました。テレビや本などの誘惑がないので、はかどります(笑)

Q.資格取得までに苦労したことは?

3級、2級はマークシートや筆記のテストだったので “インプット” だけでよかったのですが、1級はテーマに基づいた企画書提出(30枚以内)という “アウトプット” も要求されます。インプット作業は、本を読みあさったりwebで調べるなど、それなりにスムーズに進んだものの、企画を練って形にしていくアウトプット作業はかなりきつかったです。短時間では考えがまとまらないし、仕事や家事をしていても、常に「どよーん」と重く心にのしかかってくる。
息子がときどき作ってくれる晩ごはんに癒されたり、同じ試験を受ける友人たちとLINEで励まし合ったり、仕事仲間にもアドバイスをもらいながら、どうにかこうにか仕上げて提出しました。一次を通過し、二次は面接・企画書に基づいたプレゼン。発表の仕方やそのための資料作成など苦労も多かったですが、学ぶことも多く、自分自身成長できたと思います。

※2019年度より、2級の資格試験の内容が変更になります。

Q.資格を取得して良かったと思うこと、プラスになったことは?

何よりもまず、人脈が広がったことですね。日本フードコーディネーター協会の先生方をはじめ、食に関わる各業種の人たちと多くのつながりを持つことができました。これをきっかけに、これから新しい仕事をつかめたらと考えています。また対外的にも、フードコーディネーター1級(イベント・メディア)取得者であることを信頼材料のひとつとしてアピールし、新たな需要を掘り起こせたらと思っています。

資格を取ることに二の足を踏んでいるママも多いと思います。Tさんから「忙しい毎日でも、時間はつくろうと思えばなんとかつくれるもの。いくつになっても学びを楽しみ、未来につなげましょう!」という心強いエールをいただきました!

勉強スタートから1年かけて簿記2級取得


「簿記」と聞くだけで、数学嫌いの筆者は難しそうだしハードルが高そう! なんて思ってしまいました…多忙な毎日の中、約1年かけて簿記2級を取得したMさん(40歳、子ども13歳、9歳)気になる勉強時間や勉強法、工夫したことなどは?

Q.簿記2級を取ろうと思ったきっかけや理由を教えてください
新卒でメーカー会社の経理部に入りました。理系というわけでもなく、何の資格もなかったですが、研修などを受け、割と問題なく業務はこなせていました。
しかしここ数年、簿記資格を持った新人ばかり入ってきて、最初から凄腕の子ばかり(苦笑)すごい!と思うと同時に、肩身が狭いというか…これはいかん! と一念発起し、「年齢も年齢だし、最短で簿記2級を目指そう!」と決意しました。それが今から3年前のことです。

Q.仕事や家事、育児をしながら、どのように勉強したのか教えてください

事前に調べたら、3か月で合格するためには「一般的に3級の合格レベルまでには30~50時間、2級合格レベルは100~150時間の勉強が必要とされる」(参考:日商簿記ホームページ)とあり、育児・家事・仕事をしながらこれは無理だ! と思ったので、1年かけて取ることに決めました。
専門学校に行くのは難しいので、通信講座で学ぶことに。テキスト学習はもちろん、スマホで講義が聞けるコースだったので、隙間時間にちょこちょこ勉強をしていました。洗濯物を畳んだりしながら講義を聞いたりもしました(笑)後は、通勤時間や会社の昼休み、子どもが寝た後ですね。
子どもが病気など不測の事態が起きると、ぜんぜんできない日もありました。とにかくあまり生活を変えないように、家族に負担をかけないように、睡眠不足覚悟で頑張りました。とはいえ、主人は食器洗いや子どもと遊んだりは率先してやってくれる人だからこそ、「生活を変えず」に勉強できたんだと思います。

Q.資格取得までに苦労したことは?

とにかくまとまった時間が取れないこと。当時はまだ上の子が10歳、下の子は甘えん坊の6歳。主人に丸っきり子どもを任せて勉強するのも気が引けたし…
あと、「資格取るからって、みんなに迷惑はかけないから」と豪語して、結局自分の首を絞めてしまったこと(苦笑)たぶん、主人も子どもも「別にそんなに(家事とか)無理して頑張んなくていいよ」と思ってたと思います。
資格取得までの約1年間は、常に寝不足でしたね。でも、本気で何かを学ぶのって大学受験以来だったし、1年でダメだったら諦めようと思っていたので、「もう嫌だ!」とはなりませんでした。

Q.資格を取得して良かったと思うこと、プラスになったことは?

簿記試験は年に3回あります。勉強をスタートしてから半年で3級、そのさらに半年後に2級を取得することができました。そして昨年、自宅からほど近い、個人営業の会計事務所に転職しました。簿記資格を持っていたからこそできた転職だと思っています。
今まではフルタイム勤務でしたが、現在は週4で9時~17時半。朝は割とゆっくり家事ができるし、子どもの帰宅時間に合わせて帰れる。自分にとってはプラスしかありません!

「プラスしかない!」といいきるMさん、すがすがしいです。「1年でダメならやめよう」と自分なりの区切りをつけたからこそ、割り切ることが多かったり睡眠不足だったりしても頑張れたのかもしれません。

今までとはまったく違う世界の資格にチャレンジ


最後は、新卒から長年勤めた業種とはまったく違う世界の資格を目指したSさん(40歳、子ども10歳、7歳)。社会福祉士は、福祉の世界で幅広く活躍できる資格で、年齢に関係なく目指せます。Sさんが社会福祉士を目指したきっかけや、気になる勉強方法とは。

Q.社会福祉士資格を取ろうと思ったきっかけや理由を教えてください
私の次女に知的障害があり、かつ両親も高齢になってきたので、障害のある人の支援や介護の両方に関われる資格を取りたいと思いました。まとまった時間が取れるのは、子どのが保育園の間しかない、「取りたい=取ろう!」と即決。今から4年前のことです。
それまでは福祉とはまったく関係ない事務職でフルタイム勤務。娘は障害児向けの認証保育園に通っていたので、園長先生に事情や理由を話し、(資格取得のための専門学校の)通学証明書を提出することで、それまで通り通園することができました。

Q.仕事や家事、育児をしながら、どのように勉強したのか教えてください
私は一般の4大卒だったので、社会福祉士資格試験(国家試験)の受験資格を得るためには、専門学校に1年通わなくてはいけませんでした(※)。通信講座もあったのですか、意志が弱いので(苦笑)、通学を選びました。
学校は年齢層もさまざまで、「若い子ばっかり…」と気が引けることなく通えましたね。昼休みや空いたコマなど、まとまった勉強時間も確保できました。その代わり、子どものお迎え時間からは育児・家事モードにスイッチを切り替え、家ではほとんど勉強しませんでした。というか、できませんでした。
※受験資格は最終学歴によって異なります。

Q.資格取得までに苦労したことは?

基本的に勉強時間=学校にいる間と割り切っているつもりでしたが、模試や試験の前はモヤモヤしてしまいました。苦労というか、家ではほとんど勉強できなかったので、「勉強時間が圧倒的に足りていない、こんなんじゃ何年もかかっちゃうかも…」と、常に不安でしたね。

でも、学校にいる間にがっつり勉強に集中、家では気分を切り替えたことが結果的に良かったようです。ありがたいことに、一発合格できました。

 

Q.資格を取得して良かったと思うこと、プラスになったことは?
現在は、住んでいる区内にある福祉事務所(事業所)に勤務、障害を持つ人やその家族の相談に乗り、その人に合った支援計画を立てる業務に就いています。数年後には介護関係の職に就き、経験を深め、広げていきたいと思っています。

知識や経験を広げることで、自分だけでなく、娘の将来や親の介護などにもプラスになっていくといいな、と思っています。

 

気持ちを勉強モードとママモードに切り替えたSさん、自分では気づかないうちに効率よく、中身の濃い勉強ができていたのかもしれません。自宅で勉強となると、「あれしなきゃ」と気もそぞろになることがあるので、通学を選択するのもいいかもしれません。なかなか難しいですが…

子どものため、子どもがいるから、やることがたくさんあるから…そう言い訳しながら、隙間時間にyoutubeばかり見ている自分が恥ずかしくなりました。「時間はつくろうとおもえばつくれる」Tさんの言葉が、深く胸にしみました。
「自分で目標を決めて、何かを課して頑張る」ことをもう何年もしていないママ、多いのではないでしょうか。ママ自身の世界や可能性が広がるのはもちろん、ママがひとつの目標に向かって頑張る姿は、子どもにもいい刺激になるかもしれません。

田崎美穂子

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