2023.09.13
小学生になったら子どもが突然口答えするようになった!?「中間反抗期」の理解と効果的な対応法
小学校に入学してから、急に子どもの態度が変わったり、それまでと違った形で親に抗う場面が増えて戸惑うことがあります。
「なんでウチの子はまだ小1なのに、何かと親につっかかってくるわけ!?」そんな経験はありませんか?
今回は小学生に入った頃から始まる「中間反抗期」の子どもに関する悩みと、似たような経験をした先輩ママがどう対処したか、どんなことが有効だったかのアドバイスを紹介します。
中間反抗期って何?
まずは、中間反抗期についての基礎知識を知っておきましょう。
中間反抗期の定義と特徴
中間反抗期とは、主に小学校入学後、小学校低学年から小学校高学年にかけて起こる、子どもの心理的な変化のことです。
この時期には、子供は自分の意思や感情を表現したり、親や先生に対して反抗したりするようになります。
こどもの発達と中間反抗期の関連性
中間反抗期は、こどもが自我や自立心を育てるために必要な発達段階です。
自分と他者の違いや自分の能力や限界を知るために、親や先生との関係を試すようになります。
また、友達やクラスメートとの交流を通して、社会性や協調性を身につける時期でもあります。
具体的には、以下のような事柄での発達が見られます。
・自我や自立心が育つ
・アイデンティティや価値観を確立する
・社会性や協調性を身につける
・自立心が芽生えることで、親と新しい関係を築くことができる
中間反抗期の典型的な行動パターン
中間反抗期に入ると、子供は以下のような変化を見せることがあります。
・親や先生の言うことに従わなくなる
・自分で決めたことにこだわる
・感情の起伏が激しくなる
・友達と喧嘩する
・学校や家庭で問題行動を起こす
こうした変化が起きたら無闇矢鱈と怒ったり悩んだりせず、「中間反抗期という発達段階が来たんだな」と落ち着いて理解しましょう。
中間反抗期の対処法:まずは共感してあげる
今まで素直で大人しかった子どもが中間反抗期に入った途端に反抗しだしたら、親は戸惑いますよね。
まずは、以下のことを意識して子どもと接してみましょう。
・子どもの気持ちを聞いて共感し、理解してあげる
・自分で選択や判断をさせる機会を与える
・自尊感情を持てるようにほめたり励ましたりする
子どもが反抗的だからといって、否定したり怒ったりしてばかりいては逆効果です。
「どうして怒っているの?」「なぜ嫌だと思うの?」と子どもの気持ちを聞いて、「そうだね、確かにそういうこともあるね!」とまずは共感してあげましょう。
その上で、「でもこうしたほうが良いと思うよ」「こっちのほうがあとで楽しい思いができるよ」など、優しくアドバイスするように意見をしてあげましょう。
中間反抗期の終了のサイン
中間反抗期は、環境や子どもの個性により個人差があり、終了する時期もさまざまです。
一般的には、以下のようなサインが見られます。
・親や先生とのコミュニケーションを取ろうとする
・自分の考えを柔軟に変えたり、他者の意見を尊重したりする
・子供が落ち着いたり、前向きになったりする
他者の意見を取りいれて、少し大人びてきたかな?と思ったら、中間反抗期が終わりを迎えているのかもしれません。
パパママの体験談:うちの子の中間反抗期はこんなにひどかった!
中間反抗期は子どもとの関係性が大きく変わってしまうため、思い悩むパパママも多いと思います。
いろんなパターン中間反抗期体験談をリサーチしましたので、「ウチだけじゃないんだ!」と悩まず、子どもの成長を見守りましょう!
口答えがひどいタイプの中間反抗期と対処法
ああ言えばこう言う
小1の子どもがなんでも口答えし、ゲームを止めさせようとしたら大泣き。突然「ママ、だいきらい!」と叫び、家中騒ぎに。どんな時でも反抗的な態度を見せ、こちらもイライラ。どう扱えばいいのかわからず、ついには自分自身が寝室に引きこもりたくなる。こんな状況がしょっちゅうあります(Uさん/35歳/子ども・小1)
いちいち反抗する
小学5年生になった娘が、ハンバーグが出ると「またハンバーグ」「さいあくー」と言い、ブロッコリーを食べるように言うと「なんで、ママが食べるものとか命令するの」「ママってだけで偉いの」と反論。態度がいちいち攻撃的でカンに障り、本気でケンカになることも。本当に生意気で、反抗期は中学生のものだと思っていたから、対応に困惑しています。(Kさん/40歳/子ども・小5)
子供たちが中間反抗期に突入すると、彼らは自分の意志を持ち始め、親の言葉に反発したり、口答えをすることがあります。
これは彼らが自分で考え、自分で行動したいという気持ちが芽生えてきた証拠でもあります。
これは一時的なことなので、あまり不安にならなくても大丈夫!私の子どもも同様の期間を経験しました。
子どもが反論したときは、「そう?」と軽くスルーし、後で落ち着いたときに話し合いましょう。
これは子供が友人関係や自分自身の感情に対処できない時期で、親に対する反発は八つ当たりかもしれません。ですので、心配しすぎず、落ち着いたときに子供の気持ちを理解し、受け止めることが大切です。
暴れるタイプの中間反抗期と対処法
虐待だ!と泣きわめく
色鉛筆で宿題をしていた子供が突然怒り、紙を丸めて投げました。取り上げて叱ると、子供は「ママのそういうのって虐待だよ!」と言い返し、「警察に行く」とまで。どこでそんな話を覚えたのか驚きです…。最近は私が怒ると物を投げる、壊す行動が増え、今後家庭内暴力になるのではと不安でたまりません。(Sさん/36歳/子ども・小1)
暴れて八つ当たりをする
小2の男の子なんですが、怒りや不満を八つ当たりで弟にぶつけてしまい困っています。一緒に遊んでいても、ゲームで負けるなど些細なことでイライラし、弟を突然叩くことが多くなりました。また、自分の思い通りにならないと、手に持っていたおもちゃを床に投げつけて壊すことも…。子供自身も、暴れた後は泣きながら後悔する様子ですが、その場の感情に任せてしまうみたいです。どう対処すれば良いのか、手を焼いています。(Tさん/38歳/子ども・小2、弟・年長)
子どもがモノを投げたり壊しだすと、驚くし不安にもなりますよね。
でもこれも、中間反抗期によくある行動のひとつ。ストレスやエネルギーの発散場所を提供すると良いでしょう。
例えば、お子さんが好きなスポーツを習わせてあげたり、身体を動かすようなアクティビティに連れて行ってあげるのもおすすめです。
子どもの行動がさらに激しくなった場合や学校生活にうまく適応できない場合は、専門家に相談することも考えてみてください。
専門家と話すことで親のストレスも軽減しますし、必要に応じて適切な対応法を学べますよ。
中間反抗期を上手に乗り越える方法
中間反抗期は子どもにとっても親にとってもストレスが溜まる、大変な時期でもあります。
上手に乗り越えて、親子ともに成長するためのヒントをご紹介します!
中間反抗期に入った子どもの気持ちを理解する
自立心や自我の発達段階に入った子どもの気持ちや考えを尊重し、責任感や自信を持たせる機会を作りましょう。
たとえば「金魚が飼いたい」と言ったら、「毎週〇回必ず水替えをして、毎日〇時にエサをあげる」というようなルールを徹底させるなど。
ルールを破ったときの約束事もしておきましょう。これは子どもの責任感や自己決定力を育てるのに有効です。
また、子供の良いところは積極的にほめてあげましょう。これは子供の自尊心を高め、ポジティブな自己イメージを育てるのに役立ちます。
中間反抗期の子どもとの具体的なコミュニケーションのコツ
素直だった子どもが突然暴れん坊になったら、対応に困ってしまいますよね。
中間反抗期のこどもとの付き合い方には、ちょっとしたコツが大切です。
①対話を大切にして、感情を認めてあげる
子どもの怒りや悲しみといった感情を否定せず、認めることが大切です。子どもが自分の意見や感情を表現する場を設け、聞き手にまわって共感してあげましょう。
その際親の思いも正直に伝えることで、双方向のコミュニケーションを育てます。
②落ち着いた声調と態度で接する
子どものストレスがたまり、イライラが高まった時でも、声を荒げずに落ち着いた態度で接することが大切です。
これは子どもに対して安心感を与え、感情的に反抗することを防ぎますし、親自身が冷静になる効果もあります。
③問題解決を一緒に考える
絶対にダメということ以外は、自由に行動させ、問題が生じたときは一緒に解決策を考える時間を作りましょう。
一方的に解決策を提示するのではなく、一緒に考えることで、子どもの問題解決能力を育てるとともに、親子の絆を深めることができます。
中間反抗期にしてはいけない親のNG言動
中間反抗期に入っている子どもに対して、親がしてはいけない言動や態度をまとめました。
①怒鳴る、厳しく叱る
中間反抗期は子供の自我や自立心を育てる重要な時期です。
そのため、親が子どもの反抗に対して怒鳴ったり、厳しく叱ったりすると、子どもの発達を妨げ、反抗期が悪化する可能性があります。
②子どもの気持ちや考えを無視する
子どもの気持ちや考えを尊重せず、「いいから言うとおりにしなさい」などと言って親の考えを押し付けると、子供は自己否定感を抱くことがあります。
その結果、自尊心が傷つき、反抗期が長引く可能性があります。
③目線を合わせずに話す
話すときに目線を合わせないと、子どもは親が自分をないがしろにしていると感じ、反発する可能性があります。
家事や仕事で忙しいときでも、必ず子どもと同じ目線に合わせて、話を聞いてあげましょう。
④親子での話し合い時間を作らない
親子で話し合う時間を作らないと、子どもは自分の意見を表現する機会を失い、自己表現の技術を身につけることが難しくなります。
子どもには積極的に話しかけて、悩みはないか、今何に興味があるのか、常に現状を把握しておきましょう。
中間反抗期の段階別対処法:小学校低学年から小学校高学年まで
中間反抗期の中でも、子どもの言動や成長内容は徐々に変化します。
それぞれの段階で、親がどのような対処をすることで子どもの成長を支援できるかをまとめました。
小学校低学年(小1〜小2)
子どもの気持ちや考えを尊重し、話を聞いてあげる。
子どもに適度な自由や選択肢を与える。子供にルールやマナーを教える。
小学校中学年(小3〜小4)
子どもの自立心を認めて支援する。
子どもと約束事をつくり、責任感や自信を持たせる。子どもの良いところをほめる。
小学校高学年(小5〜小6)
子どもと話し合う時間を作る。子供に意見や感想を聞く。
子どもに具体的な質問をする(いま何をやりたいのか、将来何をめざしているかなど)。
Q&A:中間反抗期でよくある質問とその回答
中間反抗期の親がよく抱く疑問と、その回答をご紹介します。
Q: 子どもの友達との付き合い方につい口出しをしたくなりますが、どこまで干渉していいのですか?
A: 子どもの友達に関して色々と意見を言ったり、付き合い方への口出しをするのはできるだけ控えましょう。
中間反抗期の子どもは友達や集団の中で社会のルールや人との関わりを学ぶ時期です。親が干渉しすぎると、子どもは自分で考える力や判断力が育ちません。
「パパやママは何も知らないくせに!」と自分の殻に閉じこもってしまい、反抗期がさらにひどくなる可能性もあります。
Q:子どもが生意気な口答えや反抗的な態度をとるとき、どう対応すればいいですか?
A: ついカッとして怒ってしまいそうになると思いますが、ここはグッと我慢です。感情的にならずに冷静に対処しましょう。
反抗期の子どもは自分の思いをうまく言葉に整理できないため、イライラや不満が爆発することがあります。そんな子どもの気持ちを、そのまま受け止めてあげることが大切です。
例えば、「そう思うんだね」「それは辛かったね」と共感して気持ちに寄り添ってあげるだけでも、子どもは安心しますよ。
Q:子どもが話しかけてくれないときや悩み事を打ち明けてくれないとき、どうすればいいですか?
A: 子どもが話しかけてくれないときや悩み事を打ち明けてくれないときは、無理に聞き出そうとしないでください。
反抗期の子どもはプライバシーを重視するようになるため、親が詮索したり、強引に聞きだそうとしたりすると、子どもは閉じこもったり、嘘をついたりしてしまいます。
子どものそばにいるようにするなど、いつでも話しやすい環境作りを心がけましょう。
まとめ
中間反抗期は発達段階とはいえまだまだ子どもなので、「対応しきれないこと」が起きた時、自分の感情をうまく制御できなくなります。
自分の感情をコントロールするのは、大人になってからでも難しいことです。子どもは成長過程ですので、どうしていいのか自分で自分の気持ちをもてあましてしまうことも多いのでしょう。
子どものイライラ・八つ当たりにも、「何やってもうまくいかないことってあるんだよね」「なんか、嫌なことがあったら、そりゃ怒りたくもなるよね」と、子どもに寄り添う言葉をかけてあげてくださいね。
大橋 礼
ライター
年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。