2020.05.08
どこにも出かけられない!子どもの「車酔い」効果的な対処法は?
子連れで車やバスでお出かけすることは多いですよね。ところが、どこに行くにも少したつと車酔いで子どもがぐったり…。楽しかったはずの休日が子どもにとっても残念な結果に終わった経験ありませんか。
そこで今回は、車酔いで悩んでいるママの体験談と共に、くすり以外でも「試してよかった!車酔いの対処法」を紹介します。
わが子の車酔いに悩んでいるママは多い!?
子どもの車酔い・乗り物酔いに悩んでいるママは少なくありません。先日、BRAVAがお邪魔させていただいた中古車買取、販売の「ガリバー」で有名なIDOM社で開催された「ママたちのクルマ事情」座談会でも、車を利用するなかで困ることは」という質問に対して、参加者のひとりがこんな回答をしています。
岡本「子どもの車酔いです。急にだまりこみ、顔色も悪くなります。いつ車酔いするかわからないので困ります」
筆者の次男もひどく車酔いをするので、親が困る気持ちはよくわかります。初めての車酔いのときはただただ驚き対応に追われるのですが、病気というわけでもないですし、度重なると、お世話をするのも車を掃除するのも大変で、正直なところ(勘弁してほしい…)なんて思ってしまうこともあります。
「吐き出すと止まらない」
それまですごい元気だったのに急に気分が悪くなる。いきなりなのでこちらの準備が間に合いません。しかも、吐き出すと、匂いなどで「もっと気分が悪くなる」という悪循環。そうなったらとにかく車を止められるところまで行き、あとは30分くらい外で休ませています。ほぼ毎回なので、つい「またか」と口にしてしまったことがあり、その後、子どもがひどく落ち込んでしまい、後悔しました。子どもは悪くないんですけど、ただ、やっぱり嘔吐の掃除とかは本当に大変だし、車酔いさえしなければなぁと思ったりもします。(Aさん/子ども・6歳)
「酔うなら電車よりは自家用車のほうがマシ」
なんで?っていうくらい、すぐに酔う。しかも吐き方がひどいんです。繰り返し吐くし、そのうちグッタリした様子にもなるので毎度のことながら、それでも不安になる。ただ、うちの子は電車でも長時間になると酔うんですよ。そうなると電車で酔って吐くほうが周囲への気遣いなどもあって大変なので、家族しかいない車のほうがマシって感じで。そんなこともあって、最近はもう遠出自体を避けるようになっています。成長すると治るというけれど、今、小学校4年生でこの状態なので、いつになったら…と思いますね。(Mさん/子ども・9歳)
なぜ子どもは乗り物酔い(車酔い)しやすいの?
いったいなぜ、子どもは車酔いをしやすいのでしょう。よく聞かれるのは「三半規管」との関係。実際はどうなのか、耳鼻咽喉科学会の公式サイトに掲載されている乗り物酔いについての解説を紹介します。
乗り物酔いとは
乗り物に乗ると、乗り物の揺れが原因で顔面が青白くなり、気分が悪くなったり、吐いてしまうことがあります。これを乗り物酔い(動揺病)といいます。乗り物の種類により、車酔い、船酔い、空酔いともいわれています。遊園地のコーヒーカップやジェットコースターなどでもおこります。ビデオゲームも乗り物酔いを引き起こすことが知られています。幼児や高齢者は酔いにくく、小学校入学後から酔いやすくなり、高学年になるにつれて多くなります。小中学校の児童・生徒の30~40%、女子の方が男子より多いという統計があります。
なぜ乗り物酔いは起きるのか
人のからだは倒れたりしないように、自動的に姿勢を保つ調整機能(反射)があり、これを平衡機能といいます。この働きには内耳が重要な役をしています。乗り物に乗って、発進・停止の反復、スピードの変化、前後・左右・上下(最も酔いやすい刺激)・回転などの刺激を内耳が受けると、その情報が脳へ送られるのですが、慣れない刺激がくり返されると情報過多となり、脳が混乱して、自律神経に異常な信号を送ってしまいます。そうすると、生あくび、冷や汗、顔面蒼白、手足の冷感、気持ち悪さなどをおこし、ついには吐くなどの症状が出てしまうのです。
結局、車酔いの理由がわかっても、特効薬があるわけでなし、また病気というわけでなし…。車酔いする子を持ってみないとわからない「またか」の気持ち、思っている以上にきついですね。
車酔いでは「防御・準備」がポイントです!
今回、車酔いをするお子さんがいる家庭に取材をしたところ、多かったのが「車酔いは予防しても避けられない、だから吐いたり汚されたりしてもいいように準備する」という意見です。
岡本「子どもが車酔いするので、長距離の移動の際は汚れ防御対策をしています。ビニールシートをガムテープでとめて、座席全体をカバーする方法ですね。それと、服が汚れたままだとつらいので、クルマに自分と子どもの着替えを1セット、常に置いています。わたしも酔った子どものお世話をするときに、服を汚してしまうこともあるので…」
そうなんです。何をしても酔うときは酔います。だから「酔ったときの対応」が実はもっとも重要なんですね。では、皆さんはどうしているのでしょうか。
「吐きそうになったらハイ!と渡す」
酔い止めも、酔い止め用ブレスレットも試してみたけど、効くときとダメなときがある。基本的に「酔うだろう、吐くだろう」と思って準備して車に乗ります。車には常に自家製の袋(しっかりした大きめのビニール袋を100均で売っている紙袋の中にセット)を用意しておき、吐きそうになったら渡します。この袋は車のほかにわたしのバッグにも常に1~2枚はいれてあります。飛行機に乗ると見かける気分悪くなった時用の袋。あれ、売ってほしい!(Uさん/子ども・7歳)
「簡単に掃除できるように」
30分程度なら、お気に入りのCDをかけて一緒に大声で歌う、しりとりをする、「赤いといったらリンゴ」「リンゴといえばアップルパイ!」みたいな言葉あそびをしてしのぎます。子どもは別のことに夢中になっていると、わりと酔わないことが多いので。とはいえ、やはり一定時間をすぎるとダメですが。ただ不思議なのは、それでも平気なときは平気なんです。いつがダメでどういう時がいいのか、ポイントがわかればいいのですが、これがランダム。とりあえず子どもが座る後部座席は防水シートカバーをして、ウェットティッシュも常備。もし汚してしまっても簡単に掃除できるようにはしています。(Fさん/子ども・5歳)
「自家製乗り物酔いセットを準備」
薬局で売ってる嘔吐用のセットは匂いも残らずとてもいいけど、わが家のようにしょっちゅう車酔いする家では高くてキリがないので、これは長距離や渋滞覚悟でお出かけする時だけ。それ以外はスーパーのビニール袋で代用。車には消臭スプレーと密閉できる大きめのジップロックを用意してあり、吐いた後のビニールはそこにいれ、さらに見えないように紙袋にいれて捨てます。古くなったハンドタオルと除菌シートも必須。小さい頃と違い、最近はだいたい袋に吐いてくれますが、それでも多少飛び散るのでハンドタオルでざっとふいて(それも捨てる用ジップロックに投入)、除菌シートで座席をしっかり拭きます。最初に吐いた時はまったく準備しておらず、車の布シートに染みこむほどで本当に大変だった。本人も汚してしまうと落ち込むので、とにかく「しょうがないよね」とこちらもあまり気にしていない様子で、さっさと処理をするようにしています(Tさん/子ども・11歳)
車酔いの子どものためにこんな工夫をしています
こんなことをしたら「車酔いが減った」という意見をピックアップしました。
・とにかく話しかける、質問しまくる。無言の時間を作らない!(Hさん)
・なぞなぞやクイズ問題集を暗記して子どもに回答させる(なぞなぞ集を読んでいたら自分が気持ち悪くなった経験があるので暗記しておくのがオススメ)(Kさん)
・少し大きくなってからですが、好きなアニメのDVDを流しているとわりとそれに集中するのか酔わなくなった気がする。気がする程度で何回かに1度は酔いますが(Uさん)
・前の座席に乗せたほうが酔わない感じはする(Sさん)
・寿限無寿限無という早口をひたすらマネさせる。早口言葉の対決をする(Nさん)
・15分〜20分を目安にいったん車を止めて、子どもと外に出て新鮮な空気を吸う。遠出の場合も高速のサービスエリアごとで休憩。1時間で行けるところを2時間近くかけて行くが、到着してグッタリで時間をムダにするより結果としてラク(Sさん)
「話す・歌う」そして「なるべく休憩をとる」が基本のようですね。
車酔いの予防を普段からしておこう!
子どもの車酔いを少しでも減らすために、事前に準備できることをいくつかまとめてみました。
・寝不足にならないよう早めに就寝
・車独特の匂いがないよう窓をあけておくなど準備
・消化の良い食べ物を軽く食べる
・ゆるめの服
・乗り物酔いについて考えすぎないこと
車酔いを「絶対に予防できる方法」はありません。でも、「酔わないように、これだけの準備をしたから大丈夫!」という安心感が大きいのも事実。
乗り物酔いは本人が一番辛い。でも、片付ける親も辛い。とにかく、あまり深刻になりすぎず、子どもが「悪いことをしてしまった」と思わなくてすむように(だって子どもが悪いわけではないんですから!)、親がつい「また? いい加減にしてよ」なんて言わなくてすむよう、準備だけは万端にしておきましょう。あとは「今日は大丈夫だろう」と親子ともどもリラックスできたら一番いいですね。
※BRAVAがお邪魔した実際の座談会「前編」「後編」もご覧ください。
出典:一般社団法人日本耳鼻咽喉科学会
出典:エーザイ株式会社「乗り物酔いの予防法」
大橋 礼
ライター
年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。