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2020.07.20

【コロナ対策】保育園や小学校、特別支援学校はどんな対応や工夫をしている?



非常事態宣言が解除されてしばらく経ち、ほとんどの保育園・幼稚園が再開され、分散登校していた学校も通常登校に戻りました。
しかし、ここ数日感染者が再び急増し、保護者や先生も戦々恐々とする日々となってしまいました。
せっかく登園、登校できた子どもたちにまた休園や休校で辛く寂しい思いをさせたくない。そんな思いから、先生たちは日々どのような工夫や努力をしているのでしょうか。今回は保育園の先生、区立小学校の先生、特別支援学校の先生にどのような対策を行っているのか、詳しくお話を聞いてみました。

小さな命を預かる、保育士さんたちの奮闘


0~6歳までの、小さな命を預かる保育園。まだ自分で自分の身を守る術を身につけていない乳幼児に、どのようなことを教え、どのような工夫・対策をしているのか、認可保育園の保育士さんに聞いてみました。また、保育士さんご自身が気をつけていることもうかがいました。

・気をつけていること、実行していることを教えてください
保育士は必ずマスクを着用し、園でも自宅でも手洗い、うがい、手指消毒をこまめに行い、日ごろから食事、睡眠をきちんと取り、免疫力が下がらないようにしています。また、繁華街などへも行かないようにしています。
園から保育士にも健康チェック表を渡されていて、朝晩の検温、食欲、咳、鼻水、嗅覚など、自身の気になる症状、行動記録をつけるようにしています。
保育中に使った玩具、部屋はその都度消毒しています。もちろん今までもやっていましたが、かなり回数を増やしました。小さい子どもは、つい口に持っていくことも多いので…

・子どもにどのようなことを教えていますか。
2歳児クラスを担当していますが、今までどおり(コロナ以前から)「外から帰ったら、食事前、トイレに行ったら、きちんと手を洗うよ」ということくらいです。マスクは、園内では体調の変化に気づきにくくなったり、熱中症の危険もあるので、つけさせていません。

・子どもへのスキンシップをどうしていますか。
スキンシップも、抱っこやおんぶなど今までどおりです。ただ、給食は子どもたちと一緒に食べることはしばらくお休みにして、職員は休憩時に別室で食べるようにしています。

・子どもたちの様子に変化はありますか。
ウチの保育園は、緊急事態宣言中はずっと休園していました。長い休園だったので、休み明けの登園時は、4月のように親を恋しがって泣いている子もいましたね。最近はだいぶ慣れてきましたが。コロナによる不安は、2歳児には今のところ見受けられません。

・保護者へはどのようなお願いをしていますか。
登園時、保護者はマスク着用、園舎(園庭にも)には入らず入り口で引き渡しになり、親子で体温測定、手指消毒をしてもらうようにしています。お迎え時も入り口で引き渡しを行っています。7月も引き続き、自宅でお子さんを見られる方には登園の自粛をお願いしていて、延長保育も短縮しています。

移らない、移さない! 小学校の先生が工夫していることとは


マンモス校ともなると、全校で900~1000人の生徒が在籍している学校も。先生もさまざまなことに気を配る毎日、本当に大変だと思います。その中で、特に気をつけていることや工夫していることを聞いてみました。

・気をつけていること、実行していることを教えてください。
教室ではクーラーをつけ、窓を半分開け、扇風機を回す、この3本柱で換気と熱中症に気をつけています。教室の入り口に消毒液を置き、入室前に必ず消毒、入室後は手を洗うことを徹底しています(この「徹底」が子どもへも大きな負担になっている気がしますが…)。
席もできるだけ離して配置しています。
体育の授業では、1メートル以上間隔を空けるようにしています。どうしても距離が近くなってしまう球技やランニングなどは控え、縄跳びや体操など、その場でできるものを中心に行っています。

・子どもたちにどのようなことを教えていますか。
マスクの正しい着け方と同時に、暑くなってきたので、つらくなったら外す、先生に伝えるということも教えています。
「コロナにならないためには、元気な体を作って、免疫をあげることが大切。たくさん寝て、たくさん食べて、お家でできる運動をして、そしてたくさん笑って過ごしてください」と伝えています。

・子どもたちの様子に変化はありますか。
コロナ前は、給食は班に分けて席を向かい合わせにくっつけて、楽しく話しながら食べていましたが、今は全員前を向いて、おしゃべり禁止。食欲も減退してしまうのか、完食できない子が増えた気がします。「全部食べなさい」と無理強いはしていません。
「学校に行けたけど、「これダメ」「これは禁止」が多くて、面白くない」という子どももいます。ほかの楽しいことを模索して、なんとか心穏やか学校生活を送ってもらいたいと思っています。

・保護者へはどのようなお願いをしていますか。
健康カードを配り、毎朝体温と「咳、鼻水、のどの痛み」など身体状態のチェックをつけてもらっています。
お便りなどで、「なるべく早く寝かせる」「子どもの状態をよく観察して、少しでも具合が悪かったら休ませてください」などのお願いをしています。

苦手なことが多い子どもたち、特別支援学校の先生はどうしているの?


言葉では伝わりにくい子、違う状況になるとパニックを起こしやすい子など、さまざまな子どもに対し、特別支援学校ではどのような「コロナ対策」を行っているのでしょうか。

・気をつけていること、実行していることを教えてください。
基本的にひとクラス4~6人なのですが、距離を取ることが難しい子がほとんどなので、クラスを半分に分けて、教室と空いている他の教室の2部屋に分散して授業をしています。ほかのクラスや学年とかぶらないよう、教室を調整するのに頭を悩ませますが…
登校はほとんどの子がスクールバスなのですが、車内はどうしても密になってしまうので、バスを増便して、なるべく密にならないよう工夫しています。

・子どもたちにどのようなことを教えていますか。
今まで以上に分かりやすい言葉で伝えるようにしています。たとえば、「友達や先生と少し距離を取ってね」と言っても、伝わりにくい。「両手を横に広げて、この長さでお友達と話そう」「手のひらで触ったり、ハイタッチはしないでね」「お話したいときは、マスクをしてね」など、具体的に伝わるよう今まで以上に心がけています。言葉でもわかりにくい子には、体で示したり、床に足のマークを書いて「ここで止まるよ」と指示したり、その都度手助けをしています。

・マスクができない、手を洗いたがらないなど苦手が多い子どもへの工夫、配慮。
できない子には無理にマスクはさせていません。その代わり、先生お手製のフェイスシールドをしている子もいます。マスクもフェイスシールドも嫌がる子には無理強いしていません。
手洗いはコロナ以前からこまめに行っていたので、ほとんどの子が慣れていますが、どうしても水を嫌がる子は、アルコールを手にすり込むようにしています。

・子どもたちの様子に変化はありますか。
こだわりの強い子が多いので、「なんで今日は別の部屋なの?」と動揺して、パニックになってしまうケースや、一度マスクをつけると給食のときも「絶対外さない!」と泣いたりする子も…もうこれは慣れてもらうしかないのですが、子どもたちを振り回してしまっているなぁ、と可哀そうで申し訳なくて…

・保護者へはどのようなお願いをしていますか。
身体に重篤な基礎疾患(心臓や肺など)のあるお子さんは、万が一コロナに罹患した場合重症化してしまうので、7月中も可能であれば登校を自粛するようお願いしています。
また支援学校は基本的に随時見学可能なのですが、今はお断りしています。朝学校まで保護者が送ってくる際は、靴箱の手前で先生に引き渡すようお願いしています。
汚してしまった場合の替えのマスクの持参もお願いしています。

先生も子どもたちも保護者もこんなに頑張っているのに、一部の不用意な行動をする人たちによって再びコロナ感染が拡大してしまったことに、正直怒りを隠せません。でも、とにかく今は自衛するしかないんです。自分ではなかなかできない子どもたちには大人が手助けをしてあげる。そして、「自粛モード」で疲れてしまった子どもたちの心のケアも、忘れずにしっかりしてあげたいですね。

田崎美穂子

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