2020.08.12
子どもと電車に「うるさくて迷惑だから」と乗りたくないママへ伝えたいこと
小さい子どもを連れて電車に乗るのは大変ですよね。私も、初めて子連れで電車内に足を踏み入れた瞬間の緊張感は忘れません。しかもネットを覗けば、ベビーカー論争やら「妊娠中にお腹を蹴っ飛ばされた」という証言やら、オソロシイ話があふれてますます萎縮してしまいます。
でも実は、悪いことばかりではありません。先日、電車好きの息子を満足させるべく電車を乗り継いだのですが、たった数時間のうちに心温まる出来事がいくつもありました。
はっきり言って、とても些細なことです。でも本来、拡散するべきなのは暗い話題ではなく明るい話題。真偽のほどは不明ですが、明るいニュースを一定数必ず報道するように定めている国もあるといいます。
少しでもママの気が楽になればと思い、たいしたことない話題をわざわざ公開してみます!
握り棒を息子に譲ってくれた
とあるJR線に乗ると、なかなかの混み具合。
座席とつり革はすべて埋まり、入り口付近にも人が立っていました。ベビーカーは無理だと判断してドアの前に息子を立たせたのですが、いかんせん身長92㎝のひょろひょろボーイ。電車が揺れるたびに、あっちにフラフラ、こっちにフラフラ。
それでも外の景色を見たい息子は、なんとかドアのガラスから外をのぞき込もうとします。
息子を支えようと悪戦苦闘していたら、隣にいた女性が、「こっちへおいで」と息子を呼び、握り棒を譲ってくれたんです!
すぐさまお礼を言い、ありがたく握り棒を使わせてもらいました。
その後も息子に向かって「外、見えるかな?」などと話しかけてくれ、息子もごきげん。
混んだ車内に乗り込んだときの不安が吹き飛んでいきました。
息子に話しかけてくれた
うちの息子は、「(ディズニーランドの)ビッグサンダーマウンテンに乗りたい!」と言うような感覚で「京浜東北線に乗りたい!」とおねだりするほどの“乗り鉄”(鉄道に乗るのが好きなオタクのこと)。
車内ではごきげんで、泣いたりぐずったりすることはまずありません。
でもその分、大きな声ではしゃいでしまうことがネック。
たとえば、すれ違う電車を見て「成田エクスプレス!」「スーパービュー踊り子号!」と興奮してしまったり……。
冷や汗もので、そのたびに「小さい声にしようね。ここはおうちじゃないから」と言い聞かせるのですが、残念ながら効果がないこともあります。
でも私が必死に注意していると、隣の方が息子に「たくさん電車の名前知っていてすごいね」「あの電車は何かな?」などと話しかけてくれたんです!
しかも、そんな方が1日に2名も!
本当にありがたいです。
もちろん、「うるさい」と思っていた人もいたでしょう。でも全員がそうではないとわかり、ほっとしました。
息子プラレールを笑顔で拾ってくれた
息子は外出するとき、小さなプラレールをいつも持っていきます。
ところがうっかり手を離してしまったため車内をザーッと走行し、1mほど先の男性の足に当たって停車。
「すみません!」と平謝りで取りに行くと、にっこり笑って拾ってくれました。
嫌な顔されると思ったのに……。
実は、ママの想像以上に電車内には思いやりがあふれているのかもしれません。
白状します。かつては子連れに冷たい視線を送っていました
実は私、子どもが生まれるまで、子連れのママ、パパにはどちらかといえば冷たい態度をとっていました。
今思うと、本当に申し訳ない。過去に戻ってぶん殴ってやりたいです。
でも罰が当たらず、たった1日でこんなに親切にしていただけるなんて嬉しい限り。
これから先、過去の私のような嫌な奴に遭遇する可能性は十分あるでしょう。
そのときはこの日のことを思い出し、「いい人もたくさんいる!」と自分に言い聞かせていきます。
そして一人で電車に乗るときは、子連れを温かく見守っていく。
少しでも、過去の罪滅ぼしをしたいと思います。
※この記事は2016年8月に公開されたものです。
平田けいこ
ライター