2020.12.19
ママになったら変えるしかなかった!育休明けから働き方をシフトした先輩ママの体験談
結婚・出産・育休復帰、その間で働き方を変えたママも少なくありません。当初から予定した人もいれば、実際に子育てと仕事の両立で現実的な問題が生じて「働き方を変えるしかなかった」ママもいます。
子育てという大きな役割が増えた以上、今までと同じように働けないのは当然のこと。今回は様々なケース別に「育休明けから〜働き方をシフトする生き方」を先輩ママの体験談も交えて紹介します。
育児と仕事の両立が困難で転職という決断
■こんな女性に向いている■
・夫の協力はこれ以上期待できない
・働くママに対する理解がない職場にいて辛い
・キャリアを断ち切りたくない
育休復帰後に、壁にあたるママは沢山います。
ひとつは「もっと夫が協力してくれると思った」両立できるだけの手助けを得られないことによるもの。イクメンなんて口だけ、もあるかもしれませんが、現実問題として「夫もほぼ毎日残業だし、出張もある。働き盛りでそうそう有給や早退を申請してもらうわけにもいかない」話し合っても解決策が見つからない状況です。
もうひとつは、自分の職場が「ワーキングマザー」の為の制度はおろか、周囲の理解もないという状態。
どちらも会社という環境はそう簡単に変えられるものではない以上、「夫が転職という選択肢はなかった。つまり自分が小さな子どもがいても働きやすい職場に移るしかなかった」ということです。
夫は家事育児も手伝ってはくれていますが、なにしろ家にいる時間が短い! 11時すぎに帰宅、6時半には出社する夫にそうアレコレと頼めません。復職した私の職場は育休復帰のワーママはこれまでにわずか数人、1年未満で辞めた人がほとんど。
時短勤務は認められていましたが、保育園のお迎えだから、と言い出せない雰囲気でした。権利は実行と頑張ったものの、同僚ともうまくいかず、やりづらくて精神的にも限界でした。
会社の環境は、根付いた風土のようなものがあり、根本から変えるのは時間がかかります。私は子育てしながら、会社の考え方を変えるなんていう余力はとてもなかった。でも社会人として働き、母親以外の面も捨てたくない。だとすれば、転職して働きやすい違う職場に移る、それが最善の選択肢でした(N・Kさん/33歳/子ども2歳3ヶ月)
小1・小4の壁で変化、派遣・パートで乗り切る
■こんな女性に向いている■
・入学後子供の様子が落ち着かない
・子どもの受験が最優先
子供の年齢が上がるにつれて、本来は預ける心配は減るはずなのに、実際には小学校に入ってから、親がいない間子どもをどう過ごさせるかが大きな問題になってくる場合もあります。
保育園を卒園してから「自分の働き方を見直さざるを得なかった」ケースは意外と多いのです。
例えば保育園より早く帰宅する1年生、学童保育があるものの、どうしてもなじまない「イヤ!」と言う子ども、また保育園では特に問題がなかったのに入学してから周囲とうまくいかなかったり、学校からの呼び出しも多く、親の見守りが必要なのか判断を迫られることもあるでしょう。
また学童が終わる時期は、中学受験をするかどうか決める時期でもあります。受験は母親のサポートが必ず必要となります。そこで、派遣やパートで「子どもの予定に合わせて」スケジュールが決められる働き方へシフトするママもいます。
難関校の受験を考えており、1年生から学習サポートのある民間学童に入れました。それでも5年生になると塾も週5日ペースになり、お弁当や送迎もあって大変に。会社員のフルタイム勤務で何とか家事はこなせても、受験間近になれば親子共に不安定になりがち。それでも頑張っている子どもを見て、今、母親としてサポートしないで後悔したくない、と思って仕事を辞めました。
派遣で週4日、午後3時半に終わるコールセンターに転職、2週間ごとに希望シフトを出せばOKでけっこう融通がきくのが良かったです。
ただ受験が終わってみると自分も40代、派遣から正社員へのさらなる転職には苦労しました(I・Mさん/42歳/子ども13歳)
フリーランスや起業を目指す変化
■こんな女性に向いている■
・もともとやりたいことがあった
・フルタイム勤務に対するこだわりがない
・自分なりの働き方が明確にある
育休復帰後に、前の職場に戻りつつも「いずれフリーランスに」と考える人もいます。資格があったり専門職の女性が多いようですが「フリーのデザイナーとして働きたい」「保育士の経験と資格を活かして、新しいシッターサービスをやってみたい」「ライターで様々な原稿を書いていきたい」と起業や独立を視野に入れた働き方へ移行していく変化ですね。
ITベンチャーで育児支援もあり比較的恵まれた職場でした。ただ2人目も考えており、ちょっと保育園に不満もあって教育環境の整っている幼稚園に入れたいとも思い、漠然と考えていた独立を真剣に検討しました。
今は主にワードプレスで作成したサイトの修正作業を請け負っています。専門職なので在宅ワークとしては比較的、高収入かな。WEB系の業務委託はやり取りもスカイプで行えますし、在宅育児をしていても出来るのがメリットですね。ただし納期がある以上、徹夜しても請け負った仕事をこなす覚悟は必要で、会社員時代のフルタイム勤務よりラクだとは思わないですね。収入も波があるので、夫の給料が安定しているのが前提です。
いずれ子どもが大きくなったら同じような仕事をしているママたち数人とひとつの会社として立ち上げられたら、を目標に頑張っている最中です(H・Oさん/35歳/子ども4歳)
お金が必要だから働き方は随時見直す!
■こんな女性に向いている■
・働く理由の第一は経済面
・「お金の必要度」によって働く量を変えていきたい
・キャリアに対するこだわりは強くない
夫の給料だけではとてもやっていけない、という切実な人もいます。食べてはいけるけれど、子どもたちの教育費を考えると共働きしないと・・・という夫婦も少なくありません。
その理由も様々に変化します。最初は夫の給料が少なく、やりくりのために復職するかもしれません。やがて子どもを私立に入れたいと思い、より高い給料の会社へと転職、その子どもが大きくなれば「自分が自由に使えるお金も欲しいし、ずっと家にいるっていうのも」と今度はすこしゆるやかな働き方へとシフトします。
家族の形が変化していく都度、必要となるお金も変化するわけで、それに合わせて働き方を切り替えていくケースです。
今、49歳で、長女が今年独立。次女は自宅にいますが専門学校卒で看護師として働いているので、子育てはひと段落です。
地元の零細工場勤めの夫は薄給でしたので、私も看護師としてずっと働いてきました。生後6ヶ月から大学病院で夜勤なしで働きつつ認定看護師など資格取得を同時進行、下の子が小学校入学からはふたりぶんの教育費を考え、夫でも面倒が見られるようになったので、スキルアップと経験を武器に、夜勤ありで高収入の私立病院へ転職、ここはかなりハードでした・・・。下の子の専門学校学費のメドがついたところで、もうムリ〜と思い、今はパートで近くの小児科クリニックで週3日働いています。看護師なので転職が普通というのもあったとは思うんですが、私の妹は事務職ですけど、夫がずっと塾の契約社員なので不安だからと、子どもの成長に合わせながら転職を繰り返していますね。
もし夫が高給取りだったら、まぁこんな働き方はしてなかったかも。でも少しの贅沢や子どもの教育の為、フル回転で働く時期もあれば、もういいかな、で辞めるっていう人、私の周囲にはけっこういますよ(E・Aさん/48歳/子ども 23歳・21歳)
母は強し、なのですから!
転職をお勧めするわけではありませんが、家庭を持つと自分のことだけを考えられないのが現実である以上、家族に合わせて自分の働き方をシフトしていくのは、ままある事です。
それに家族の為だけでなく、自分の生き方、考え方が年齢や子どもの成長と共に変化するのもよくあること。働きやすい環境を与えてくれない国や企業に対する不満が第一にありますが、しかし現実は目の前にある・・・。
私は女性ならではの強みとして「柔軟性」があると思っています。
仕方なく、子どもや夫の状況に合わせるというよりも「いいわ、だったらこんな働き方だってできるもの」ひらりとハードルを飛び越えていきましょう。そんなフレキシブルな思考力、ガッチガチやで〜の男性にはできないかもしれないんですから!
※この記事は2018年3月に公開されたものです。
大橋 礼
ライター
年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。