2021.05.16
PTAとは?その定義と実体!「役員決めはこう乗り切った」先輩ママの体験談と心構え
右も左もわからないまま小学校へ入学するママたち、そして進級する皆さま、「まだ、委員やってない・・・」「そろそろ回ってきそう」ビクビク・ドキドキしている人もいるでしょう。
確かに仕事をする母にとって、在籍する学校のPTAをどうこなすかは6年間を通じて頭の痛い問題です。今回はPTA役員決めをどうこなしたか、先輩ママの体験談を中心に対策法を紹介します。
PTAとは「定義と実体」の違い
先輩ママたちの「役員決め」体験談の前に、まずはPTAのおさらいをしておきましょう。
PTAとは:児童、生徒の親と学校の教師が協力して教育効果の向上をはかることを目的とする学校単位の組織
(出典:ブリタニカ国際大百科事典)
と、これはあくまで文字上での定義で、実体は違います。では実体はどうなのでしょうか? 先輩ママたちに聞いてみました。
委員や係の人数が決まっており、選出方法は厳然としたルールで決められ、どんな事情があろうとも規則破りは許されない。が、各委員の仕事内容は慣例で行われ、きちんとした運営方針もないという不思議な組織(Nさん/33歳)
推薦し合うとか、決まらないとジャンケンだ、あみだくじだとか、引いた人は号泣して抗うとか、一般的な大人の社会ではあり得ないルールと修羅場がある独特の雰囲気に包まれたもの(Iさん/35歳)
実際に学校や子どもの行事をお手伝いすること以外に、動員やら不必要な活動が多すぎるが、組織として完成しており、誰もそれを改善しようとはしない。よくわからないが一応やっておくか、と思わせる力のある組織(Eさん/40歳)
小学校PTAの組織全体を完全に把握している人は、各学校にもほんの数人しかいないと言っても過言ではありません。しかし、実際にPTAは組織である以上、様々な部があり、部員がいて、とりまとめる人もいる。つまり、どうやっても人員が必要なんですね。
さらに「みんな公平に」という非常に曖昧で難しい前提がハードルになっています。保護者全員にひとつずつ係をふったところで、やはりこれでも「不公平感」は必ず出てくるのが現実です。
よくわからないPTA。でもやらなくてはならないPTA委員・役員。だからこそ、様々な混乱が起きるのです。
PTA役員決め「私はこうして乗り切った」体験談
小学校入学すると必ずやってくるPTA問題、右も左もわからない!そんなみなさんに、先輩ママの「乗り切り対策」を聞いてみました。
どこかでやらなくてはならない、と腹をくくる。私の経験としては、えり好みせず、低学年のうちになるべくノルマを果たすこと。高学年になるにつれ、役員決めが熾烈になるし、委員長など頼まれやすくなってしまうので。そして決まったら「できる事・できない事」を丁寧にお伝えする。ここで「私、フルタイムなんで平日ムリですから」などと断言せず「家で出来ることを任せて頂けると助かります、来られる日はなるべく調整し、ご迷惑をかけないよう気をつけます」と柔らかく宣言しておく。その分、他の仕事は例え「コレ必要か?」と思っても口に出さず淡々とこなす、下っ端のうちならそれ程文句も言われないです(Yさん/35歳)
うちの学校は役員の他に、必ず全員ひとつの係は引き受ける「公平方式」。が、簡単なものから大変なものまであり、全然公平じゃない(笑) なので事前リサーチを徹底して、あまり人気はないが実はラク、という係を選びました(PTA講演会係・市外の講演会動員は場所が遠いので立候補が少ないが、年に1回の土曜に2時間講演を聴くだけ、と聞いてコレにして大正解だった)
学校によって、まるで活動量や組織の編成が違うのがPTA。リサーチは必要だし、知り合いがいないなら保育園の先生に同じ小学校に兄弟を通わせているママを紹介してもらうとか、学校に直接問い合わせるとか、とにかく少しでも事前に状況をわかっていると役員決めで焦らずにすみます(Uさん/38歳)
あまり身構える程でもないと思います。学校にもよるでしょうが、ニュースに取り上げられるような過酷なPTAばかりじゃないですし。参加してみると色々なママたちと知り合いになれて、情報量の少ないワーママとしてはけっこう心強い助けにもなりました。会社だって気に入らない人はいるわけで、学校と考えず「これも仕事のひとつ」と割り切って考えれば、自然と似たような人と仲良くなれると思います。学校の行事に参加でき、わが子以外の子どもたちとふれ合う時間はとても貴重でした。ボスママだとかカテゴリーに分けてレッテルを貼る行為自体がくだらないわけで、自分でどういう相手か判断しながら距離をとっていけばいいのだと思います(Tさん/44歳)
目立たず
埋もれず
迎合せず
(Rさん/46歳)
おお、最後のコメントはなんだかPTAの極意、ですね(笑)。ママたちの体験談からもわかるように、PTAのあり方や役員の振り分けなどは学校によってそれぞれです。それだけに、やはり事前の情報収集はしておいたほうがよさそうですね。
PTA役員決めにあたっての「4つの心構え」
体験談からまとめると、
「4つの心構え」
●事前にどんな委員や係があり、選出方法なのかを調べておく
●基本的に「こなす」感覚でどっぷりハマらない
●メリットもあること、あるいはメリットだと思うように前向きに捉える
●一生付き合う相手でもなく、一生所属する組織でもないと割り切る
気が合う人というのは、顔を合わせる機会が増えれば自然と見つかることでしょう。PTAの役員や委員の場をその「機会」と捉えるなら、また、新しい出会いもあるかもしれません。「そう考えればPTAやるのも悪くないか」と思えなくもない。というビミョーな言い回しです(笑)
でも、お付き合いが面倒なら、それもよし、です。性格にもよるのですから、無理をせず、委員としての活動以外いっさい他のママたちとの接点を持たなくても、グループLINEに入らなくても、大丈夫なんです。
色々と取り沙汰されてはいますが、PTAは本当に学校によって違うものですから、入る前からあまりに心配しすぎても、身構えるのも疲れるだけです。
ただ、特に入学時は役員決めなど不安でしょうから、事前に多少なりとも情報を得ていれば、当日慌てずにすむでしょう、ということです。
憂鬱になる気持ちもよーくわかるんですが・・・。
春はすぐそこ。子どもの入学・進級と本来、とても親にとって嬉しい季節だってことを、何より忘れないで下さいね。
※この記事は2018年2月に公開されたものです。
大橋 礼
ライター
年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。