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2022.06.09

「PTA」どんな係やっていますか?活動したことで実感したメリットやデメリット



PTAについて、世の中にはさまざまな意見や情報があります。それらを目にするだけで入学前から不安になったり、「PTAって面倒くさい」と敬遠したり、「PTAって必要なの?」と否定的になったりする方も少なくありません。
今回は、実際にPTAを経験した保護者の方4名に、

・どんな係を担当したのか
・具体的にどんなことをするのか
・一番苦労したこと
・経験したからこそ感じたメリットとデメリット

を聞いてみました。学校によって係の名称や内容に違いはありますが、大まかな内容や流れや要する時間など、参考になることも多いと思います。実際を知ることで、PTAに対する考え方が少し変わったり、余計な不安感をぬぐえるかもしれません。

小学校1年生のときに「学年代表係」に立候補


「PTA活動は早いうちにやっておいた方がいい」と聞き、就学前から同じ保育園の先輩ママにリサーチして、働いていても割とやりやすい係に立候補したという〔Mさん、子ども8歳(小学校3年生)〕にお話を伺いました。

・どんな係を担当した?
子どもが小学校1年生のとき「学年代表係」といって、主にPTAが学校全体に伝えたいことなどをクラスに一斉メールするという役割です。

・具体的にどんなことするの?
PTAの役員さんから「この内容を流してください」というメールが来たら、クラス全員にメールを流します。お互いのアドレスが分からないよう宛先をBccにしたり、簡単な時候の挨拶を入れたり。お知らせ事項やイベントの注意事項くらいだったので、1学期に2~3回送るくらいのペースでした。学年代表はクラスで2人いたので、男子児童と女子児童で分担してメールを送っていました。後は2か月に1回開催されるPTA理事会に出席する、運動会や合唱コンクールなどのイベントのときに受付や誘導などのお手伝いをする、くらいでした。

・一番苦労したこと
苦労したというか、理事会のたびに半休を取るのがキツかったです。2人体制だったので、2学期以降は出席も分担し、出席回数も減って楽になりましたね。

・経験したからこそ感じたメリットとデメリット
人とのつながりができたことです。理事会の後や手伝いのときなど、学年を超えて色々話ができた時間はとても楽しかったし、さまざまなジャンルの情報も聞けて参考になることも多かったですね。デメリットと言えるか分かりませんが、一度PTAをやると「経験者」とみなされ、また数年後も何かやってくれるよね?的な空気があるのでそれがちょっと困りました。

楽だと言われていた「イベント係」が意外と大変だったけど…


抽選でPTAに当たってしまい、係としては一番人数が多い「イベント係」を希望したという〔Tさん、子ども11歳(小学校5年生)、4歳〕。人数が多ければ、一人当たりの分担もそんなに大きくないかなーと思っていたようですが…

・どんな係を担当した?
娘が通う小学校では、毎年夏休み期間に2日間にわたって盛大な夏祭りが行われます。学年ごとに分担は決まっていて、当時3年生だった娘の学年は「綿あめ」担当でした。大まかにいえば事前準備、当日の綿あめ作り、後片付けなのですが、それが意外と大変でした。

・具体的にどんなことするの?
1年生のときからイベント係を経験している方数人が、いろいろな指示出しをしてくれました。作業内容としては、
・お祭りの1か月ほど前に近所にあいさつ回り、お祭りのポスターを貼る(場所は毎年決まっている)
・祭り前日に小学校の保管場所から綿あめ製造機(?)を校庭の定位置に設置して、諸々作業しやすいように準備する(もちろん数人で)。
・祭り当日(2日間のどちらか)に綿あめ作成と露店に並んでいる人の誘導を交代で行う
・祭り後の撤去、翌日の掃除(これはほぼ全員で)
という感じでしたが、2日間ともフォローなどでなにかしらバタバタ動いていました。

・一番苦労したこと
当時まだ下の子が1歳だったので、主人や母に私がいない間の世話をお願いしなければいけなかったことです。特に当日2日間は、お祭り自体が16時~18時半だったので、後片付けや掃除などでけっこう遅くまでかかってしまい、下の子が大泣きして主人や母が大変だったことですかね。

・経験したからこそ感じたメリットとデメリット
連日汗だくだったし、大変なこともありましたが、終わってみれば「良いひと仕事を終えたな~!」という爽快感が味わえたことです。本格的な綿あめ機を使うなんて初めての経験だし、綿あめを受け取るときの子どもの嬉しそうな顔に癒されました。「あ、〇ちゃん(娘)のママ頑張ってる!」と声をかけてもらったり。デメリットは…せっかくのお祭りなのに、大変すぎて全然楽しめなかったことかな(苦笑)。

入学2年目で「PTA副会長」という大役


子どもが小学校2年生で、あまり何も知らないうちに同じ保育園仲間に誘われて(というかそそのかされて?)いきなりPTA副会長に。「えらいことになった!」とめちゃくちゃ不安だったという〔Yさん、子ども9歳(現在小学校4年生)〕にお話を聞きました。

・どんな係を担当したの?
PTA副会長ですが、大まかにいうと、
・学校・PTA会長と各委員の間に入っていろいろな調整を行う
・会長の補佐、あるいは会長に何かあったときにその役目を代行する
という役割です。

・具体的にどんなことをするの?
私のほかにも副会長が2人いて(全部で3人)、それぞれの委員担当付けになるのですが、私は「書記委員」と「校外委員」の担当になりました。
とはいえ、息子の小学校はそれぞれの委員にやり方はほぼ一任するので、各委員から「このようなことをやりたい」と言われたら会長や、場合によっては担当の先生に承諾を得たり、「この日にPTA室を使いたい」という要望があったら調整したり、というくらいでした。
校外委員や書記委員の実際の活動に時々参加したりもしました。

・一番苦労したこと
フリーランスの仕事をしていたので時間の融通は利くのですが、年度初めや年度末、担当委員が忙しいときなどは週1~3で学校に行くということもありました。「ここまでに(仕事の)原稿を書き上げて、あとは学校で作業」など、時間のやりくりに苦労した時期もあります。

・経験したからこそ感じたメリットとデメリット
とても不安なスタートでしたが、「周りの人に支えてもらったなー」と感謝でいっぱいの1年間でした。会長やほかの副会長はもちろん、担当は私なのに逆に委員の人から教えてもらったり助けてもらったりもしました。人とのつながりや温かさを感じることができたのは大きなメリットといえます。日頃話せない先生とのつながりが持てたのも良かったですね。
デメリットは、確認が取りたいのになかなか連絡がつかない、先生とPTA間で行き違いがあって板挟みになったり…というちょっとした精神的ストレスがあったことです。でもそれも、いろいろな方に助けてもらったので、「デメリット転じてメリットになる」と今は思えます。

パソコンさえあればほぼ家でできる「書記」のお仕事


平日はとても仕事で時間が取れそうにないし、PTAは逃げ切りたい!と思っていたけれどくじ引きで当たってしまい…パソコンがあれば家でもできそうな「書記」を選んだという〔Uさん、子ども17歳(現在高校2年生)、14歳(現在中学2年生)〕。

・どんな係を担当した?
上の子が中学2年のとき、下の子が中学1年のときと、2回「書記委員」を担当しました。2~3か月に1回行われるPTA理事会の「理事会だより」の作成し、全校に配布する、という役割です。

・具体的にどんなことをするの?
・PTA理事会に出席(書記は3人いるので、持ち回りで出席)
・PTA理事会で校長先生、副校長先生、PTA会長が話したこと、各委員の活動報告やその他連絡事項を盛り込んで「理事会だより」を作成し、全校生徒に配布盛り込む内容はすべてデータでもらえるので、「データをもらう手配→ひな型にデータを流し込んで原稿を作成→原稿を校長先生、PTA会長に確認してもらう→最終データを副校長先生に渡して全校の保護者にメールで流してもらう」という流れです。

・一番苦労したこと
盛り込む情報が多いと誤字脱字や用語統一などの校正が大変だったり、当時校長先生が連絡のつきにくい方で確認がなかなか取れなかったことですかね(苦笑)

・経験したからこそ感じたメリットとデメリット
フルタイムで働いていても、パソコンさえあれば家で、しかも割と簡単にできる役割もあるんだという発見があったことです。数年前から「理事会だより」がペーパレスになったことで、印刷などで学校に行く必要になくなったのも大きなメリットだと思います。ほぼ学校に行かずにできるため、人とのつながりが希薄なまま終わってしまったな、というのが唯一のデメリットといえるかもしれません。

いかがでしょうか。「具体的に何をするのか分からない」「ただただ大変そう」〝よく知らないから″実はこれが、つい敬遠してしまう一番の理由なのかもしれません。知ることで「これならできそう」「こんなに学校と関われるんだ」と前向きに検討できることもあるのではないでしょうか。
「どうやって逃げ切ろう」と毎年ハラハラするより、「次年度はちょっとやってみようかな」という気持ちで新年度を迎えられたらいいですよね。ある意味、開き直った気持ちで引き受けてみてもいいと思うのです。
経験してみたら意外と楽しかった、嬉しいつながりができたというメリットがついてくることも。また、「どうしたら保護者の負担を減らしながら活動ができるか」と模索している学校もたくさんあります。PTAには多くの人がかかわり、子どもに楽しいことをしてあげたい、より良い学校・地域活動をさせてあげたいという思いもこもっています。その「バトン」を一度は受け取ってみるのもいいかもしれませんね。

田崎美穂子

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