2022.01.05
小学校入学直後の子どもに変化が!夜驚症、体調不良…その原因とママたちの対策とは?
保育園生活と小学校生活、それはもうまったく違うもの。保育園では、ほとんどの時間が「好きな遊び」「気持ちいいお散歩」「ぐっすりお昼寝」、そして多くても20人ほどのお友達と朝から晩まで先生に守られながら、楽しい時間を過ごします。
一方、小学校は30人ほどのクラスに先生は1人、朝から午後2時くらいまで、お昼寝もなく「勉強」の日々が始まります。そして学校が終われば、そのまま学童に移動して過ごす。もちろん新しいお友達もでき、毎日の授業も新鮮で、楽しい刺激はたくさんあります。
しかし、3月31日まで比較的ゆったりした保育園生活を過ごし、4月の頭から突然小学校生活がスタート。子どもにとって、新しい環境は「高い壁」となってしまうことも。今回は、そんな経験した子どもを持つママに、そのときのお子さんの様子や大変だったエピソード、どう対応したのかなどを聞いてみました。
夜中に突然騒ぎ出す!
Q.入学してからのお子さんの変化や大変だったことはなんですか?
入学して数週間、いきなり夜中に泣きながら叫んで起き、ひどいときはそのまま部屋を駆け回ることも。2~3日続いたので、心配で受診したところ、夜驚症でした。医者には「病気でもないし、一過性のもの。すぐに落ち着くよ」と言われたものの、私も寝不足でヘロヘロでしたね。本人はケロッとして、翌朝は覚えていない(笑)。結局1カ月ほどで治まりましたが、本人は6年間過ごした保育園からいきなり環境が変わり、戸惑っていたのかもしれません。
Q.その原因はなんですか?
はっきりした原因は分からないけど、同じ学区に同じ保育園出身の子がいなくて、友達がいない状態で入学したため、人見知りだった長男はどうやって友達を作ったらいいか分からなかったようです。それで小さいなりに悩んでいたのかな、と。
Q.ママはどのように接しましたか?
1年生の1学期の間は、よほどのことがない限り怒らず、なるべく好きなこと(まあ、ゲームやテレビなんですが…)をさせてあげました。ゆったりした気持ちになってもらおうと思って。
Q.お子さんはどのように、どれくらいで落ち着いていきましたか?
夜驚症は1カ月ほどで治まり、朝登校するときに少し緊張気味だった表情も、1学期間でずいぶん柔らかくなりました。クラスも学童も同じ子何人かと仲良くなれたようです。〔Tさん、子ども12歳、10歳、2歳〕
お呼び出し電話が保育園よりも多かった!
Q.入学してからのお子さんの変化や大変だったことはなんですか?
ケンカなんてするタイプではなかったのに、入学してすぐに「隣の席の友達と取っ組み合いのケンカをしてしまいました」「図工の時間に材料の木を投げてしまった」など、「事件呼び出し」が1週間に1回はありました。そのたびに謝ったり、ときに迎えに行って先生と話したり。保育園では、「お熱呼び出し」すら滅多になかったのに、なぜ? と悩みましたね。
Q.その原因はなんですか?
保育園ではいつも男の同士で遊び、女の子とほとんど絡んでなかった息子。担任の先生と話した時に判明したのですが、小学校で隣の席がめちゃくちゃ口の達者で世話焼き、しかもやんちゃな女の子(基本男女で隣席になる)。その子には本当に申し訳ないしむしろ世話を焼いてくれてありがたいのに、それが煩わしくて仕方なかった、でも口で言えなくて、つい手が出た、というのが原因のようでした。
Q.ママはどのように接しましたか?
なにかあるたびに相手の女の子のお母さんに謝りに行きましたね。幸い女の子がケガをするようなことはなかったので、そのお母さんもよく事情を分かってくださり、それとなく女の子を諭してくれたよう。担任の先生には「手を出したとき、私もしっかり怒ったし、ちゃんと理由があってのことなので、お母さんは怒らずにしっかり話してあげてください」と言われたので、謝りに行くときも私1人で行き、「叩くこと、モノを投げることは決してしてはいけないこと」「ちゃんと口で言えば伝わる」ということをじっくりと子どもに話していきました。
Q.お子さんはどのように、どれくらいで落ち着いていきましたか?
その女の子と仲良くなるところまでは至らなかったものの、お互い「やりすぎた」と納得したようで、1カ月ちょっとで収まったかな。まあ、落ち着いてきたかな~と思った時期に席替えになったようですが…〔Mさん、子ども10歳〕
毎朝の「お腹痛い」攻撃には参った!
Q.入学してからのお子さんの変化や大変だったことはなんですか?
保育園時代は本当にお腹が痛いとき(そういうときはたいてい下痢)だけ「お腹が痛い」と言っていた娘。入学して少し経ったとき、爽やかに起きて朝ごはんもすべて平らげ、楽しそうにEテレを見ていたのに、いざ玄関で靴を履くときに「お腹痛い…休む」と言い出したんです。最初は本当かと思って休ませたのですが、休んでいるのになんか妙に元気(笑)。
2日目、3日目くらいからさすがに「ん~?」と。でも、やはり毎朝「お腹痛い」は続きました。
Q.その原因はなんですか?
朝の登校時間は、靴箱がものすごく混むようで、そこで何度か男の子に「どけー!」と突き飛ばされてしまったようです。それがけっこうショックだったし、担任の先生にもうまく伝えられなかったようです。保育園は登園時間もバラバラ、靴箱が貸し切りでゆっくり履き替えられる、なんてこともあるくらいですから、そのギャップは大きかったのでしょうね。
Q.ママはどのように接しましたか?
2週間ほど、遅刻覚悟で(会社には言っておきましたが)毎朝下駄箱で靴を履き替えるまで付き合いました。確かに子どもでごった返し、中にはやんちゃな子もいる(笑)状況がわかったので、「ピークが過ぎて、同じクラスの女の子が来たタイミングで一緒に履き替えに行ったら」と提案しました。
Q.お子さんはどのように、どれくらいで落ち着いていきましたか?
一緒に登校し、アドバイスしながらスムーズに靴を履き替えられるようになってから落ち着いていきましたね。ささいなことですが、子どもにとっては大きなことなんだな、と思った出来事でした。〔Uさん、子ども9歳、3歳〕
生活リズムの変化に、まったくついていけなかった!
Q.入学してからのお子さんの変化や大変だったことはなんですか?
とにかく一番大変だったのが、生活のリズムです。息子が行っていた保育園は、3月の上旬までお昼寝があり、うちの子はよく寝るタイプ。昼寝のない小学校生活のリズムに、最初は全然ついて行けませんでした。6時頃家に帰ってきて、やっとのことで宿題を終わらせ、気がつけばご飯も食べずお風呂も入らずソファで寝ているということもしばしば。
Q.その原因はなんですか?
うちの子がよく寝る子だったこと、そして、学校で勉強をしてその後学童に行き、グラウンドで走り回って遊んでいたので、今までとは必要な体力が違っていたのだと思います。
Q.ママはどのように接しましたか?
とにかく、家に帰ってから宿題・ご飯・お風呂をいかに早く終わらせるかを考えていました。保育園の頃は、ご飯を食べてからお風呂に入っていたのですが、それではお風呂に入らず寝てしまうことが多かったので、お風呂→ご飯に変えました。お風呂に入ると少し目が覚めるのか、ご飯を食べるまで持つようになりました。
Q.お子さんはどのように、どれくらいで落ち着いていきましたか?
5月末くらいまでそんな状況だったと思います。次第に生活に慣れ、体力もつき、起きれるようになってきました。とはいっても、今でも夜8時過ぎには寝て、朝は5時くらいに起きたりしますが(苦笑)〔Mさん、お子さん7歳、4歳〕
壁はいつまでも続かない
新しい世界は楽しい世界ではありますが、今までの生活や環境が一気にガラッと変われば、大人だって戸惑ってしまいます。まだまだ小さな、ほんの6、7歳の子どもにとっては変化が「壁」となって立ちはだかってしまうこともあるでしょう。でも、その壁はいずれ低くなり、そのうちなくなっていくもの。最初から無理に超えさせようとしなくていいと思うんです。
すぐにすんなり小学校生活になじめる子どもなんて、ほとんどいないのではないでしょうか。とはいえ、子どもの様子がいつもと違ってママは心配になりますよね。でもいろいろあって当たり前、そしてそれは「そんなこともあったね」という思い出、あるいは笑い話になる日が必ずくるのです。
※この記事は2016年10月に公開されたものです。
田崎美穂子
mamaライター