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2022.06.22

小学生の子ども「言葉づかいがひどい」「にらむ」親だってイラッとします!



夕飯のときのことです。「煮物も少しは食べたら?」と、とりたてて強いるような声音ではなく、食卓での日常的な会話のつもりで母親は言いました。すると、小学校4年生になる娘が「うざっ」とボソリと、しかし聞こえるように言ったそうです。とたんに頭に血が登ったと彼女(母親)は言います。
「その言い方も、言葉遣いも、すごくとげとげしくて驚きと同時にカッときちゃったのよね」
思いがけない乱暴な言葉づかい。まだまだ子どもと思っていたわが子が、思わぬ言葉を口にした時、あなたはどうしますか?

「うざっ」から母娘のバトル勃発


この時、彼女は「ただ煮物も食べたらって言っただけでしょ」と少し怒気をはらんで言い返したそうです。すると、娘も負けていませんでした。

「なにガチで怒ってるの、バッカみたい」

さぁ、そこからは母子のバトルがスタートです。母である彼女は怒涛のように言い返し、それを無視するかのように涼しい顔をしたまま、食事の途中で娘は立ち上がりました。途中で帰宅した父親が間に入ってその場はおさまったそうですが、母の怒りはおさまりません。

「うざいという言葉だけの問題じゃないの、人を小馬鹿にしたような態度をいきなり見せたから思わずこっちもスイッチが入っちゃったのよ」

しばらくして落ち着いてから、彼女も言い過ぎたと反省。仕事から帰宅し夕飯前のいっとき娘に話しかけました。すると娘は少々面倒くさそうにはするものの、「宿題はこれからやるとこ」「あとでお風呂入ってから音読はやる」こんな感じで答えたと言います。ところが、彼女はふたたび驚くことになります。

娘の変化への戸惑いとママ友たちの反応は


たまたま早帰りのため、いつもと違うルートでこのママは帰宅しました。ちょうど娘の下校時間だったからです。
娘と仲間数人が下校するところで、近づこうとして思わず耳を疑ったそうです。

「あいつ、バカじゃね?」

「いっぺん消えてほしー」

「マジでうっせーわ」

ママからすると聞くに堪えない言葉遣いで、とても小学生のおしゃべりには聞こえません。娘に声をかけることなく帰宅したそうですが、内心は驚きと落胆でふくれかえっていました。ここ1~2年は家に友達を呼ぶのもままならず、ママ友と子どもたちが何人も集まってお花見をしたり、プールへ行くこともなかった。

「考えてみると、娘が複数の友達と集まって何かしているところって、ほとんど間近で見たことがなかった」と彼女は言いました。それだけに日常で「あれ?」と気づく小さな変化ではなく、唐突に娘が「なんだか変わってしまった」と不安になったそうです。

「これって反抗期?それとも何かテレビとかYouTubeとかの影響?」

考え込む彼女に、居合わせた数人のママたちから「うちもひどいよ」という声が。「一時的なことじゃないの?そういう風に話すのがかっこいって思ってるんじゃない。放っておけば、そのうち直るわよ」と受け流す人もいます。
いっぽうで「うちなら許さないな、友達同士だけの時はともかく、親に対してあまりに乱暴な言葉づかいだったら怒るでしょ、それがしつけでしょ」と答えるママも。親の反応はさまざまでしたが、最終的には「しかたないわよ、ちょっとした反抗期なのよ」でその時の話は終わりました。

わが子とよそ様の子は「別の話」


子どもの言葉遣いがいきなり豹変するのはよくあることです。特に小学校3年から4年生あたりは、いわゆるギャングエイジで仲間意識が強く、友達の間でわざと流行りの言葉を使ったり、仲良しの間だけで通じるような話し方をすることもあります。

また、学校や友達関係でうまくいかないことがあって、不機嫌な気持ちが親に対する言葉や態度に現れることもありがちです。
このような場合「さらっと受け流して、あまりにひどい時は冷静に指摘すればいい」というのが一般的なアドバイスになるでしょう。
とはいえ、他人の子どものことは案外と客観的に考えられるもので「○○ちゃんはもともと素直でいい子だもの、今はちょっと親に反抗したいだけだよ」なんて返せるのですが、わが子は別。いざ自分に向かって「はぁ?うざ」なんて言い放たれると、やはりカッカするのが普通なんです。

親にとっては、それこそ「ママあのねあのね」と一生懸命に話しかけてきた幼い頃の可愛さがずっと胸に残っています。小学校に入学し、「バーカ!」と言い始めたくらいでも、お、いよいよそんな言葉も言うようになったか、とまだまだ余裕があります。
ところが言葉遣いが乱暴になるだけでなく、いかにも親が鬱陶しいとばかりの表情を見せ、親を侮るような態度をとるようになると、さすがに我慢の限界です。

親だって人間ですからイラッとします!


反抗期だからしょうがないと大きく構えられたらいいのでしょうが、親も人間ですから、なかなかそうはいきませんね。もちろん根気強く子どもに対応する立派なママ・パパもいますが、多くの場合「カッカ」してしまいます。
前述のママは思わず「いい加減にしなよっ、何様だと思ってんの!あんたひとりでまだ何もできないんだからね。偉そうにするんじゃないわよ」と怒鳴り返してしまったそうです。
夫から「気持ちはわかるが同じように乱暴になってどーすんだよ」と言われて、まったくそのとおりだとは思うものの「我慢できなかったのよ」と肩を落としていました。

言葉遣いが急に悪くなったり、親を一瞬にらむように見たりするようになると、最初は頭にきますが、次に親としては動揺し不安がふくらみます。

「学校で何かあったのだろうか」

「なんかよくない友達の影響を受けているのでは?」

「ずっとこの調子だったらどうしよう」

「怒ったほうがいいのか、受け流して落ち着くのを待つほうがいいのか」

あれこれを思い悩んでしまいますね。最初からドカーーーんと「これも子どもの成長過程!」なんて受け止められる親のほうが少ないのです。あるいは、いたとしても実際には胸の内で葛藤しているかもしれません。
「うちは特に困ったことはないのよね」なんて話を聞くと、つい比べてしまい心がザワザワしますが、さてどうでしょう。わが子のことで悩みのない親なんて、そうそういないのではないでしょうか。

「ちょっとだけおせっかい」でなんとか乗り切っていきましょう!


親をないがしろにするような態度を見せたとしても、それが一生続くことはありません。むしろ、反抗期がないのが逆に心配という親も実は少なくありません。

つまり、結局、親が日々ニコニコ笑顔で子育てできるなんてことが奇跡なのです。子どもがどのような態度をとろうとも、両腕を広げて「いいのよ!ママはどんなあなたでも受け止めるわ!」と微笑みを浮かべていられる奇特な人はそんなにいません。
「ふん、一人前の口をきいちゃって」とムカッとした顔をしたっていいではありませんか。嫌な言葉を言われたら、バカにされるような態度をとられたら、親だって「なにそれ!」と言い返したくなるのが当たり前です。とはいえ、私たち親のほうが「人生経験が豊富」ということで、多少は余裕をみせてあげようではありませんか。

タイミングをみはからって「いろいろ気に食わないことがあるのかしら、まぁママも仕事でよくあるけどね」「なんか困ってることがあったら話してみたら?」くらいは声をかけてみませんか。それでも「ふん」なんて鼻を鳴らすだけかもしれません。

でも、めげずに日常を送りましょう!

「おはよう」「ごはんよ」「おかわりは?」「いってらっしゃい」と、当たり前のひと言をかけ続けることで、もしかしたら本当に子どもが何かの沼にはまりかけていたら(どうしよう、ママに言おうかな)と思うかもしれません。言わなくても、言えなくても、心のどこかに(自分の話を聞いてくれる人がいる)(自分を気にしてくれている)という気持ちがわずかでも根をはっていれば、困り果てたときには親を頼ってくるかもしれません。
親子というだけで信頼関係が生まれるのではなく、実はそうした日々の積み重ねが、今日までの日々が、親子関係の絆をしっかり結びつけているはずです。

そして、これは許せない、人としてどうかと思うような言葉遣いや態度をとったら、毅然とした態度でしっかり向き合ってみてはどうでしょう。ケンカをしても、言い争いになっても、大丈夫。親は子に対して、無関心ではなく、過干渉でもなく、「ちょっとおせっかい」なくらいでちょうどいいような気がします。

大橋 礼

大橋 礼

年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。


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