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2022.09.27

家族で話し合ってみませんか?「ゲーム条例についてどう思う?」



香川県による「ゲーム条例(ネット・ゲーム依存症対策条例)」はご存知でしょうか。しばらく前に話題になりました。ごく簡単に説明すると、香川県議会により2020年に施行された「ゲーム依存症を予防するため、インターネットやゲームの利用時間を規制する(18歳未満対象)」条例です。
この条例は当時も物議を醸しました。また、この条例は違憲であるとして訴訟を起こしたのですが、結論から言うと判決で「条例は合憲」とされています。今やネットもゲームも子どもたちにとって当たり前にある日常です。法的な問題についてはわかりかねますが、では、私たち親はこの条例と判決結果をどう受け止めたらよいのでしょうか。

「ゲーム時間を規制する条例」最初に感じたのは違和感だったが


ゲーム規制の条例について聞いたとき、第一印象としては「え?自治体がゲーム時間まで決めるわけ?」とわたしは違和感を覚えました。周囲のママ友ともこの話題になりましたが、多くが似たような反応でした。
しかし同時に、小学生のうちから何時間もゲームに没頭し、親が何を言おうと聞こうともしない状況があるのも事実です。オンラインゲームにハマり親に隠れて課金していた、トイレにまでスマホを持っていきゲームをしている、学校から帰宅し親が仕事先から戻ってきてもゲームをやめようとしない……親が怒ると、ふてくされる程度ならまだしも、ゲーム機を取り上げようとすると子どもが暴れたので親が呆然とした、という話も耳にしました。

そしてゲームについては、

・時間を決める

・勉強などするべきことをした後ではにとやらない約束にする

・ゲーム内容を親が確認し不適切な場合には許可しない

・ゲーム機やインターネットに制限をかけて強制的に「一定時間」しかゲームができないようにする

・親子で話し合い、ゲームをやるルールを決めて守らせる

といったあたりが、一般的な対処法となっています。

しかし、これだけでは解決しない家庭が一定数いることも現実です。

香川県の条例には罰則はなく「利用時間は基準を意味する目安」らしい


香川県の条例は罰則があるわけではありません。2021年には、現役の高校生が香川県に対して、ゲーム条例の「ゲームは1日1時間という制限はやりすぎではないか」と問いかけ、「ゲーム時間を制限せずにゲーム依存を抑えるにはというテーマで研究を進めた」うえで対策の提案をしました。それに対して「子ども政策課」は以下のように回答しています。

この条例では、「平日60分まで」などの利用時間や「午後9時まで」などの使用の終了時間について、「おおよその基準」を意味する「目安」として規定しています。保護者には、子どもにスマートフォンなどを使用させる場合に、子どもの年齢や各家庭の実情などを考慮の上、使用に伴う危険性や過度の使用による弊害について、子どもと話し合い、この目安を踏まえ、使用時間を含めた使用に関するルールづくりや見直しを行っていただくとともに、家庭で決めたルールを子どもに順守させるよう努めていただくものです。

 

この条例は、インターネットやゲームの利用を否定したり一律に制限を行ったりするものではなく(一部抜粋)

出典:県民の声データベース/香川県公式サイト

あくまで、香川県の条例は「目安として提示」しているものであることがわかります。こうしたことを踏まえた上で、いくつか親の意見を見ていきましょう。

香川県「ゲーム禁止条例(通称)」に対する親の意見とは

やりすぎ感はあるが、条例になったことで話題になり、家庭でもより注意をするようになったことを考えると一定の効果はあるのかなとは思う。ただ、条例という形がセンセーショナルなので、もっと多くの人に理解してもらえるような喚起の方法はなかったのかな、と思う。また、議会の議論はどの程度行われ、識者の意見などはどうだったのかは気になるところ(Nさん)

 

あくまで「ゲームをする」のは、テレビを見るとか映画を見るとか、そうしたことと変わらない。ゲームによってはやめられなくなるものがあると言うが、本気でやめさせようと思ったら、ゲーム機やスマホを取り上げるなど方法はあるはず。県が注意喚起をするのはいいと思うが、条例にするというのは家庭内に土足で踏み込み「このルールを守らないと、子どもはゲーム依存症にはって廃人になるぞ」みたいな脅しのようなものを感じて逆に怖い。ゲームをやっている子がみんな廃人や悪人になるのか?(Yさん)

 

ゲーム依存症というか、昼夜逆転して学校にも行けないとか、生活にまで影響を及ぼすほどひどくなるとしたら、それはやはり家庭の問題だと思います。アルコール依存症になる人もいますが、条例で「平日はビールは2本までが目安」とか考えにくい。アルコールに限らず「依存」するには、理由があるはず。その理由は、未成年だからこそ家庭や学校生活の中にあると思われるし、それなら家族や学校、子どもを取り巻く環境で対応するべきでは?県が介入してくるのは、何か不自然さを感じてしまう(Iさん)

 

わたしは、こうした条例ができるのは歓迎です。ゲームをしてもきちんと自制してできる子どももいるでしょうが、放置している親やあきらめて好きにやらせている親もけっこういる。気にしない親もこの条例ができたおかげで「何かまずい」と気づいて、改めて子どもがゲームとどう付き合うかを考えるきっかけにもなっていると思うから、それほど悪いことだとは思わない(Eさん)

 

ゲーム依存症になるには、ただ「やめられないゲームをする」からだけでなく、さまざまな理由があると思う。たとえば親子関係がうまくいっていないとか、コミュニケーションがうまくとれないとか、大きな不安や不満を抱えていて、逃げ場になっているとか、ひとつではなく、いくつもの理由が背後にあるのではと思う。だとすれば条例で縛れば、ゲーム依存症がなくなるのか?と疑問もわく。下手をすると、親が「ほら、おじさんが怒っているから走り回るのはやめなさい」と他人を使って子どもを叱るように、「法律で(実際は違うが)決まっているのよ、だからやめなさい、つかまっちゃうわよ」みたいに叱ることもありそうで、それはかなり変な方向に感じる。(Uさん)

 

ゲームにハマるとして、それが「好きなこと・得意なこと」として認めて、才能を伸ばす方向へと考えられないのかな。幼少期ならゲーム時間を決めて守らせることはさほど難しくはないだろうし、ある程度の年齢になってゲームばかりで勉強しないと言うのなら、それこそゲームクリエイターとかエンジニアとかプログラミングとか、どんどん習わせて、自分がゲームを作る側になるように導くという方法もあるのでは?この条例は「依存症になるから・依存症にならないために」という、依存症ありきで作られているのが解せない。依存症対策とか、依存症になりそうだと不安な場合には、その傾向があるお子さんがいる親が自主的に動いて、メンタルヘルスクリニックにかかるとか、専門家に相談することで解決していくべき(Eさん)

 

なぜ、これほど、この条例が叩かれるのかわからない。ゲームが悪いというのではありませんが、ゲーム依存症は生活がなりたたないほど、家庭崩壊につながるほど、大変なことです。「それは大変なことだから、県としても条例で皆さんにゲーム時間を決めなさいと通達します」というのは、間違っていますか?(Wさん)

いま必要なのは「議論と正しい知識」


さて、この問題で話題になったのが、ゲムトレ社が四国新聞を中心に「勉強ばかりしてないでゲームしなさい」と全面広告を打ったことです。これについては、特に香川県の条例を攻撃する意味はなく、議論を投げかける意味でもあったようです。

議論と正しい知識。

もしかしたら、そこが一番大切なのかもしれません。
議論をしただけで結論が出るとは限りませんが、少なくとも「これはどうなのだろう?」と疑問を感じたところで、たとえば夫婦で、家族で、まず話し合うことはできます。議論というと大げさですが、「こんな条例があるんだって」と話題を家族に投げかけてみませんか?いろいろな意見が出てくることでしょう。

よくあることですが、夫婦で意見が一致していると思い込んでいたけれど、話をしてみたら違う考えを持っていて驚いた、なんてことになるかもしれません。夫婦だから、親子だから、家族だから「同じ考え」とは限りません。でも、ひとつの話題から家族の違う一面や、成長し新しい考え方を持ち始めている子どもの心に少しでも触れることができたら、そこから互いの理解が深まることもあるのではないでしょうか。小学生の子どもでも、きちんと耳を傾けたら、しっかりとした意見を言うことは珍しくありません。では正しい情報についてはどうでしょうか。

今は情報が溢れかえっており、何が正しいのか判断するのは簡単ではありません。
私たち親は、ゲーム依存症について本当によくわかっているのでしょうか?依存症の定義や、ゲーム依存症の特徴、医師がどう対応するのか、こうしたことをきちんと学び、知ることも大切です。
もっともネットで調べても、どれが真実なのかはわかりづらいですし、そもそも依存症自体が非常にあいまいなところがあって、調べれば調べるほどわからなくなる面もあります。
でももし、わが子がゲーム依存症かも?と思うことがあったなら、不安を抱えつつ子どもにゲームをやめるよう怒鳴るよりも、いっそ専門家に相談したほうがいいかもしれません。

正しい情報や知識を得るのは、現代ではとても難しいことです。ゲームの問題は各家庭によっても状況が違いますから、一概に「こうすればよい」とも断言できません。だからこそ、話し合うことが大事なのです。

こうしたニュースをきっかけにして、家庭内で話し合ったり、いろいろと調べて学んだりすることは決して無駄にはならないのではないでしょうか。

大橋 礼

大橋 礼

年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。


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