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2016.04.22

【食で悩むママ必見】楽しい食卓作りが子どもの心を育てるって本当?


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落ち着いて食べない、食べるのが遅い、選り好みする…など、子どもの食事で悩むママも多いのでは?

わが家も男の子二人なので、食欲は旺盛なんですが好き嫌いはあるし、食事中もじっとしていられない。ボロボロこぼすし食事のあとは目も当てられない有様に。

毎回食事のたびに口うるさく注意していたので正直、楽しくないなぁと思っていました。 そんな中、「子どものこころを豊かにする『いつもの』食卓」という食育セミナーがあると知り、参加してきました。

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4月初旬、世田谷区にあるマフィス馬事公苑で行われたセミナーの講師は、臨床心理士でありながら食育インストラクターの資格をもつ柴田裕美子さん。

ご自身も一男一女を育てるママで、心理学と食育の両視点を持って、日々の食卓あり方を考えているそうです。 子どもの成長と共に楽しい、そしてこころを育てる食卓作りを目指して。 今回は講義の内容をお伝えするセミナー編と、より具体的なポイントをご紹介する実践編の二本立てでご紹介いたします。

?堅く考えすぎない!いかに楽しむかが大事

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第一子が生まれてから、食育の第一人者である服部幸應先生の「人を良くすることを育む=食育」の考えに共感し、勉強を始めた柴田さん。心理学でも乳幼児期の子どもは身近な人との日々の関わりの中で、共感することがこころを育てると言われています。

そこで子どものこころの成長に大切なのは『毎日の食事の時間』と考えるように。 『いつもの食卓で、お母さんの手作りの料理を食べて「おいしいね」とみんなでこころを通わせる。この「いつも」があることで安心感を得て、こころも安定する』のだそう。 …とは言え、帰宅後がまさに戦場のように忙しいワーママにとって、ゆっくりと食卓を囲む時間なんて・・・。思わず遠い目をしてしまいました(苦笑)。

でも冒頭におっしゃったのが「いかに楽しむかが一番大切です。毎日のことだから難しく考えすぎず、できるところから取り入れて。今日の話は軸づくりの参考にしてもらえれば。」 そう聞いて安心しました!ではまずは心理学的にみる食卓の大切さを紐解いてみましょう。

年齢や成長に合わせて、見守る大切さ

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そもそも乳幼児期ってじっとしていられないし、食べ方も野性的。その上なんでも「自分でやりたい!」の意欲満々。もう食べ方とかマナーどうこうとか言える状態ではありません。

でも心理学的に考えると、それらの行動はこころが育つ上で大切な成長を経ている段階なので、できるだけ見守ることが大切なのです。

「幼児期のこころの発達課題(エリクソン)」

●0〜3歳は世界から受け入れられているという実感、とにかく愛されているという安心感を獲得する時期。

●2〜4歳は自律性を獲得する時期で、着替えやトイレ、食事などを、基礎的な成功体験を多く積むことが重要。

●3〜5歳は積極性・自発性を獲得する時期。失敗にこだわらず、本人のやる気をとにかく尊重してあげること。

 

「あとよくあるのが食事中落ち着いて座っていられないなど、実は年齢と共に落ち着いていくことが多いんです。なので今はまだそういう時期なんだな、と。短所は苦手項目ぐらいに考えておいて、良いところを褒めてあげるほうが親も気持ちがラクですよ」 落ち着きのない性格ではなく『そういう時期である』と知っていれば少しイライラも減りますね。

では「いつもの食卓づくり」は具体的にどう言ったことに意識すればよいのでしょう?

「いつもの食卓」って…どういう食卓?!

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まずは食べる環境を整える。ごちゃごちゃしている食卓を当たり前にしないで、スッキリした食卓で配膳をきちんとします。 ランチョンマットを敷くことや、箸置きを使うことも心理学的にも有効なんだそう。

詳しくは次回の実践編で説明しますね。 そして大人も一緒に食卓について一緒に食べること。「いつものメンバー」の中に自分がいることの安心感と、お母さんがそばにいるということでまずこころが安定します。この中で礼儀や作法を実践で学ぶと言います。

「この時大事なのが、すべての注意を子どもに向けないでください。どんな大人でもずっと食事中見られていたら苦痛ですよね」と柴田さん。確かに。 そして大人も子どもも同じものを食べること、できるだけ手作りで都度作る。

手の込んでいる云々ではなく、それが母の味となり、子どもの味覚の基本となるからです。また手作りによって生まれるストーリーがあるので、毎日の中でも「今日は上手くできた!」「ごめんね、焦がしちゃった…」みたいなやりとりが自然と生まれます。

市販のものではそういったストーリーは生まれません。 とは言え、働いていると作れない日も多々あるんですけど…! と嘆いてみたところ「もちろん、あって当然です。私ならお惣菜を買った時は味が濃いものが多いので、ひとつ野菜を加えて味を調整します。

そういったことで自分の罪悪感も少し減りますし。あと例えば買ったものを話題にして、会話を楽しむ方に意識をシフトするといいですね」なるほど!そういう意識は今までありませんでした。

外食の場も大切で「ここは多くの人が食事をしているので、静かにしないといけない」そういった家とはちがう食事の機会を作ることも必要だとか。

騒ぐと面倒なのでなるべく外食は避けていましたが、ちゃんと機会を設けて学ばせることも大切なんですね。 「食卓は社会の縮図です」と柴田さん。毎日の当たり前のことの中で、子どもたちに教えられることがたくさんある、そういう意識を持つことが一番大切だと感じました。

いろいろ頑張りすぎない!ほどよい母親で

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とは言えこれらを毎日100%全力では取り組めません。でも、それでよいそうです。

要は食卓という場を使って、子どもとたくさんかかわりましょう、ということ。

「理想像に縛られて食事を楽しめなくなるぐらいなら、ちょっとテキトーなぐらいで丁度いいのでは?」と柴田さんも経験談を交えておっしゃっていました

また、イギリスの精神分析家であるウィニコット先生が提唱しているのが ”Good enough mother”。

これは3歳ごろまで母子関係における、理想的な母親像だそうです。完璧に子どもの要求にこたえるより、自然な愛情と優しさを注いで、一緒にいる時間を楽しめる母親。まさに目指したいですね!

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食育って聞くと子どもにむけての教育と考えてしまいがちですが、子どもに接する大人にむけてのメッセージなんですね。 またカタそうで日常的に取り入れるのも難しそうだな、と当初思っていましたが食事を楽しめる環境作りが大切と再認識。また、日常で取り入れられるポイントがたくさんありましたので、それらは次回実践編でお伝えします!

飯田りえ

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