2015.06.14
【夏に大流行⁉︎】手足口病、知っておくと安心な基本事項
夏に流行することが多い「手足口病」。発熱と共に、その名の通り手、足、口に水疱が出ることが特徴です。痛みを伴うため、口の中に水疱ができた時には食欲が落ちることもあります。ただ、典型的な症状や経過が現れず、受診してもはっきりとした診断が下りにくいケースも。
現在3歳2ヵ月の我が家の末っ子が2歳の夏に手足口病にかかったときのケースとその時受診した小児科医院の先生のお話を中心に、その特徴をお伝えしたいと思います。
手足口、すべてに症状が出るとは限らない
~我が子の症例~
▼1日目:38度台後半の発熱が、4時間後には37度台に下がる。
▼2~3日目:ふくらはぎに細かい発疹が出る。顔と手にも、2つ3つ程度の発疹。おちんちんやお尻周りにも発疹らしきものが。口内に異常は見られず機嫌もよく、食欲もいつも通り。しかし、手足口病流行のニュースもあり念のため受診したところ、経過や症状、流行の様子などから総合的に見て、手足口病の可能性が高いとの診断。
はっきりと「これは手足口病です!」とならなかったのには、根拠がありました。予防接種や受診時にいつも丁寧な説明をしてくださる先生なので、手足口病について色々教えていただきました。色々なケースがあるのだなあととても参考になったので、ご紹介したいと思います。
気になる手足口病のあれこれ、小児科の先生のアドバイス
▼発熱・水疱の出方には個人差があります。
・発熱だけがはっきりとした症状で、水疱といえるほどのものがほとんど出ないこともあります。
・手足口病というと水疱のイメージを持っている方もいるかもしれませんが、細かい発疹の形で出る場合もあります。
・熱が下がって2~3日してから発疹や水疱が出てくる後発タイプもあります。
・お尻やおちんちんの周りに発疹が出るケースは、後発タイプに多く見られます。
我が家の末っ子の場合は、この後発タイプだったようです。
▼手足口病を引き起こすウイルスはいくつかあります。
高熱が出て手・足・口を中心とした水疱が出るという似たような症状を引き起こすウイルスはいくつかあり、まとめて「手足口病」と名付けられています。原因となるウイルスが違うので、症状の出方も異なるのです。
なるほど! だから、症状と流行の様子をあわせて「恐らく手足口病の可能性が高い」との診断だったのですね。
▼基本的に普通の風邪と同じ扱い
保育園や幼稚園生活を送る場合にも、他の伝染病のような登園停止期間を定めるなどの隔離状態を義務付けていません。理由は、まれに髄膜炎などの重篤な合併症を引き起こすこともありますが、「多くの場合は軽い症状で快方に向かうこと」「ウイルスは便などから1ヵ月近く排出され続けることもあるので、生活の中で普通に存在するウイルスと同じであること」などです。
とはいえ、子どもがウイルス性の病気にかかっているということは、一緒に生活している家族にも感染している可能性はあるのではないか、普通に日常生活を送って他の人と会ったりしてもだいじょうぶなのかと少し不安な部分も。それに対しては……。
▼一緒に生活している人はうつっているの?
一般的な風邪のウイルスも、持っていても発症することもあればしないこともあります。症状が出てくることでしか、それはわかりません。普通の風邪と同じ扱いの手足口病の場合にも、家族が、発症していない段階でうつっているかどうかを心配したり行動制限をしたりということは意味がありません。
しかし、看病をしている家族にうつることも少なくないのです。
大人にもうつります!
私は5人の子どもたち、皆症状の重い軽いの差はあれ、手足口病を経験している中、自分にうつった、またはうつったと思える自覚症状があったことはありませんでした。しかし、お子さんが手足口病にかかったママ友に多かったのが「私もうつって大変だった!」の体験談。
寝込んで仕事を休むほどではないケースばかりでしたが、「口が痛くてあまり食べられなかった」「手足の痛みがつらかっら」という話も聞きました。
手足口病の感染経路は、飛沫、接触、糞口(便中のウィルスが手などについて口に入る)だそう。治った後でも、1か月前後、便からウイルスが排泄されることがあるそうです。発症したお子さんに近づかないことは到底無理。しかし、オムツ替えの時をはじめとする手洗いを流水と石けんで念入りにすることや、手を拭いたりお風呂上りに体を拭いたりするタオルを家族それぞれで分けることも、それなりに有効のようです。
厚生労働省のホームページのこちらのページにも、手足口病に関する詳細が掲載されていますので、参考になさってください。
厚生労働省 手足口病に関するQ&A
千葉美奈子
ライター