2015.06.16
高熱が下がらない! 赤ちゃんに多い「突発性発疹」とは?
生後6ヵ月~1歳代ぐらいに多くの赤ちゃんがかかり、初めての本格的な発熱になることも多い「突発性発疹」。とてもポピュラーな赤ちゃんの病気ですが、育児が始まって初めて知ったこの病名に、特に0~1歳代から保育園生活を送るお子さんの場合には、我が子はいつかかるのかとドキドキしている方もいるのではないでしょうか。
私も5人の子たちそれぞれで突発性発疹を経験しましたが、過ぎてしまうと忘れてしまう特徴や経過もあり、赤ちゃんの高熱というものはその都度不安でした。少しでもご参考になればと思い、病気の一般的な経過や回復時の特徴などを、経験談を中心にお伝えします。
一番の不安は、「原因不明の高熱が続く」こと
突発性発疹は、38度以上の熱が3日程度続いて、熱が下がった後に体中に発疹が出て初めて診断がつきます。なので、高熱が続いている間中、受診しても「恐らく突発性発疹かも」という情報しか得られず、熱が下がらずつらそうな子どもの様子に不安が続きます。
当時生後10ヵ月だった我が家の末っ子の場合は、
・抱っこしていて何だか体が熱いぞ!と思い検温すると39度! 初めての高熱でした。2月という季節、上の子たちの幼稚園や小学校でインフルエンザがはやっていたこともあり、家族はまだかかっていないものの「インフルエンザか!?」と戦々恐々。急いで小児科を受診しました。
まずは問診。
・ご家族にインフルエンザにかかった方はいますか?→いません。
・鼻水や咳などの症状はないようですね。→はい、ありません。
念のため、インフルエンザの検査もしてもらいましたが陰性で、「突発性発疹かもしれませんね」との診断。
ああ、この子もそんな時期なのねと思いつつ、熱が下がるまでは心配で仕方ありませんでしたが、3日目には熱が37度台に下がり、その後半日ほどして全身に赤い発疹が広がりました。熱が下がる前後に便が緩くなりましたが、これも突発性発疹の典型的な症状だそうです。
熱が下がったのに不機嫌状態が続くのも特徴
しかし、熱が下がってからの方が機嫌が非常に悪く、フラッとつかまり立ちをしてはだるそうに座り込んだり、ふと笑顔を見せてくれてホッとした途端に機嫌が悪くなってぐずり続けたりします。「突発性発疹 熱が下がる 機嫌が悪い」というワードでネットで検索をかけてみると、「熱が下がるころから下がった後に機嫌の悪さが続く」「熱が下がった後の数日続く機嫌の悪さに戸惑った」という類の話題や相談が続々。
熱が下がってスムーズに回復すれば受診はしなくてもいいかなと考えていたのですが、不機嫌状態が3日ほど続いた頃にやはり心配がぬぐえず再受診したところ、先生は「熱が下がって発疹が出てからの方が、かゆみというよりもだるさが出るようです」とのこと。上の子たちの時もそうだったかなあ。振り返るとそうだった気もするけれど、あまり覚えていないのが実際でした。
意外と知られていないけれど、2度かかることも!
1度かかると2度とかからない、と思われていることも多い突発性発疹。しかし、突発性発疹を起こすウイルスには「ヒトヘルペスウイルス6型」と「ヒトヘルペスウイルス7型」があり、6型が多くの原因ですが、6型と7型で2回かかるケースもあります。
我が家の第1子長男が、そうでした。0歳代終わりにあまり顕著な症状が出ないまま突発性発疹と診断され、1歳代に顕著な症状で、即、小児科医から「突発性発疹ですね」。「え? 0歳の終わりにかかったのですが?」という戸惑いに対して、2回かかることもあるという説明を受けました。
経過も個人差があり、発疹の出方がはっきりせずに診断もはっきり下らずモヤモヤしたり、一度収まってきた発疹が、入浴などで体が温まった時にひどくなり心配になることも。重症化することはほとんどないそうですが、まれに高熱による熱性けいれんや脳炎を引き起こすこともあるので、高熱→早めの小児科受診が治療の土台になります。
学校安全法で出席停止期間が定められている感染症ではありませんが、厚生労働省の「保育所における感染症対策ガイドライン」では、登園の目安について「解熱後1日以上経過し、全身状態が良いこと」とされています。小児科の先生と相談し、登園の時期を決めたいですね。
高熱の割に機嫌がよいこともあるが、早めの受診を
子どもの発熱、特に赤ちゃんの発熱は、何度目でもとても不安。私もその都度、小児科の先生のアドバイス、ネット情報、ママ友の体験談など、色々な情報に助けられながら、ドキドキしながら見守りました。
特に初めてのお子さんの初めての高熱はなおさらです。熱が出ていても飲んだり食べたりできていればそう重篤な事態にならないことも多いですが、赤ちゃんは体調が急変しやすかったり、体力が低下したりすることで別の感染症などに見舞われることもあります。38度前後以上の発熱の際には、やはりなるべく早めに小児科を受診をし、経過を共有しておきたいものです。
千葉美奈子
ライター