2015.08.17
【おすすめ 絵本】産後のモヤモヤ感や子どもとの関わり方に悩んだら…
出産後、育児休業に入ったり、フリーランスや自営の方は仕事を中断したりし、赤ちゃんのお世話に専念する中、どうしても感じてしまう焦りやモヤモヤ感。そんな気持ちに寄り添ってくれる絵本をご紹介します。
本当にその時期は大変なのですが、乳幼児の時期ってあっという間に過ぎていくのですよね。焦る気持ちももちろん自分の気持ちとして大切に、でも、時にはあまり深く考えずに目の前の小さな子どもとの時間を楽しむことができたらいいですね。
仕事を休むモヤモヤにぶち当たった時に。『ねんねのうた』『あかちゃんのおと』
『ねんねのうた』(作: いちかわ くみこ、絵: ひろの たかこ、出版社: 佼成出版社)は、寝かしつけの中で発見する赤ちゃんの身体の様々な部分の表情を、優しく表現。「おててとあんよがわらってる」という感覚は、母親ならではでないかと思います。
赤ちゃんが生み出す色々な音を楽しく描いたのが『あかちゃんのおと』(作・絵: 宮西 達也、出版社: 金の星社)。
「がらがらがら」「ぺろぺろぺろ」「びりびりびり」……これを見ただけで、赤ちゃんの色々な様子が目の前に浮かびますね。 仕事に復帰したら何かと忙しくなります。
今の時期の色々な赤ちゃんの音、ゆったりした気持ちで楽しんで!
子どもとの関わり方に悩んだ時に。『だいすきっていいたくて』『おこりんぼママ』
子どもとゆっくり接する時間があまり取れない、ついついせかしてしまったり口調がきつくなってしまったりして、落ち込んでしまう……。大切に思う人にはその気持ちを言葉でしっかり伝え続けよう、そして、我が子をしっかり抱きしめよう、そんな風に思わせてくれる絵本はこちら。
『だいすきっていいたくて』(作: カール・ノラック、絵: クロード・K・デュボワ、訳: 河野 万里子、出版社: ほるぷ出版)では、「すてきなことば」を大切な存在に伝えたいハムスターの子の気持ちが、なかなかみんなに届きません。でも口に出して伝えられたとき、自分も相手も笑顔いっぱいに! 大切な人に会って、しっかり思いを伝えたくなりそうです。
『おこりんぼママ』(作・絵: ユッタ・バウアー、訳: 橋本 香折、出版社: 小学館)は、ママペンギンからひどく怒鳴られた子どものペンギンがバラバラになり、その子の残った足が自分を探しに旅に出るという衝撃的な展開。
でも、最後に子どもペンギンの心と体は、大好きなママによってつなぎ合わされます。決して親を責めているのではなく、「子育てには取り戻せるチャンスが何度でもある」ということを伝えているのではないかと私が感じた絵本です。
子育てそのものが大きな葛藤を伴うものであり、そこに仕事も加われば、誰もが常に迷い、悩み続けています。
でも、子どもがいるからこその悩みの中で、子どもの存在によって励まされている部分が大きいのも実際。完璧なママ、家族になんてならなくても大丈夫。悩みながら模索する気持ちが、共に歩む親子の絆を深めてくれているはずです。
作: いちかわ くみこ、絵: ひろの たかこ
佼成出版社刊
ISBN 978-4-333-02514-5
「あかちゃんのおと」
作・絵: 宮西 達也
金の星社刊
ISBN978-4-323-03901-5
「だいすきっていいたくて」
作: カール・ノラック、絵: クロード・K・デュボワ、訳: 河野 万里子
ほるぷ出版刊
ISBN 978-4-593-72389-8
「おこりんぼママ」
作・絵: ユッタ・バウアー、訳: 橋本 香折
小学館刊
ISBN 4097272799
千葉美奈子
ライター