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2015.09.03

話題!「アドラー心理学」で、子育てが楽になるって本当!?


出版社勤務ママがお薦めする「読んでよかった~」
『マンガでよくわかる アドラー流子育て』
宮本秀明/著 岩井俊憲/監修

アドラー流子育て

「アドラー心理学」って知っていますか?

最近、日本でも広く知られるようになってきた「アドラー心理学」。見聞きしたことのある人も多いのではないでしょうか。これは、アフレッド・アドラーという心理学者が提唱したもので、教育分野に非常に効果の高い心理学として、現場でも活かされてきたものです。

この本の著者は、心理学講座、企業・自治体の研修、カウンセリング、カウンセラー養成などを手がける企業、有限会社ヒューマン・ギルドの研修インストラクター。同社が手がける人気のアドラー流子育て講座「SMILE」を、わかりやすくマンガと文章にまとめたのがこの本です。

ちなみに、この講座はブームが来る前の1987年からスタートしていて、今まで約15万人の家族が実践し、大きな反響を得ているそう。

私はアドラー心理学を、いわゆる「叱らない子育て」として認識していました。

我が子はまだ1歳半ですが、すでにイライラしたり、ときには「ダメ!」と言ってしまうことも。「叱らないなんて無理だよね…」と思っていたのですが、調べるうちに「叱らないということは『躾けない』こととは違う。感情的に非難したり否定したりしないということ」と分かって俄然興味が湧き、この本を手に取ったのです。

「叱らない子育て」ってどうするんでしょう。

「叱らない子育て」ってどうするんでしょう。

叱らない。褒めない。勇気づける

この本には、アドラー心理学の基本的な考え方と共に、「よくある例」としてマンガで実例が挙げられています。

<子どもの“かまって”がおさまらず、親が折れてしまう> <兄妹げんかで理由を聞かず兄を叱ってしまう> など、ママたちが「これでいいのかな…」「本当はこうしたいんじゃないのに…」と思っている事例がたくさん

そして、“その時の子どもはどんな気持ちなのか”、“そのような行動をとる目的は何か”が解説されると、なるほど~と納得。その後「好ましい例」として、マンガで声かけの例や対処法が示されているので、分かりやすく読み進めることができました。

例えば、子供が何かを要求しゴネた場合は、「○○したいんだね」と気持ちを受け止めて“共感”を示し、その後に「でも△△だから今日は無理なんだ」とダメな理由を説明します。

もちろんこれで納得してゴネるのをやめるとは限らないのですが、少なくとも子供が「自分の気持ちが伝わっていないから否定されるんだ」というもどかしさはなくなります。

この問題点切り離しのテクニック、私も日ごろから心がけているのですが、この本にも詳しく書いてあり、改めて「頭ごなしに否定しないこと」の大切さを感じました。

褒めることもNGとは!ん〜、難しい。

褒めることもNGとは!ん〜、難しい。

また、親子が対等で、尊敬・信頼しあう関係を良しとするアドラー心理学では、叱ることも褒めることも否定しています。どちらも一時的な効果しか生まないうえ、親子に「縦(上下)の関係」を持ち込んでしまうからです。

その代わりに行うのは、共感をベースとした「勇気づけ」

勇気づけとは、ひと言でいうと「困難を克服する活力を与えること」です。

特に、子供が失敗したときこそ勇気づけが大切というのは、自分の経験からしても本当にそうだと思います。子供も「悪いことをした」というのは自分で重々分かっている……それをさらに叱るよりも「大丈夫だった? この失敗から○○が学べたね」と勇気づけることで、子供は失敗を生かして伸びることができるんだと実感しました。

感情をコントロールできると、「伝わる言い方」ができる!

さらに、本書を読んで使えそうだと感じたのは、自分の感情のコントロールの仕方。つい感情的になりそうなときは、自分がその感情を使って「どのような目的を達成しようとしているのか」振り返って確認します。

例えば、「勉強しなさい!」と叱っているなら、“子供に勉強をさせること”が感情の目的。その目的を達成させるために、感情的ではない、伝わる言い方に変える……という方法です。

勇気付けるための言葉を、日頃からストックしないと!と思っちゃいます。

勇気付けるための言葉を、日頃からストックしないと!と思っちゃいます。

また、子どもを取り巻く環境で何か問題が起こったとき、「子供の課題」「親の課題」「共同の課題」の3つにわけて考えるクセをつける。そして、子供の課題については極力口出ししない、というのも、子どもの自立力を育てる上でぜひ参考にしたい部分です。

もっとも、家庭や子供の個性は千差万別なので、なかなかこの本の通りにすんなりとはいかないはず。使えそうな要素を自分の家庭流にアレンジするのが良さそうだと感じました。

我が子は小さいので実践する機会はまだあまりないのですが、今後の育児に活かしていくことができればと思っています。

<お薦めしてくれたワーママ>
文筆業に携わり約20年。フリーランスや出版社などで働いたのち、出産、育児のブランクを経て某出版社にアルバイトとして勤務。37才で男児を出産。現在1歳半。

<お薦めしてくれた本>
『マンガでよくわかる アドラー流子育て』
宮本秀明/著 岩井俊憲/監修
かんき出版
定価:本体価格1,300円+税
ISBN:978-4-7612-7111-4

『マンガでよくわかる アドラー流子育て』
宮本秀明/著 岩井俊憲/監修
かんき出版
定価:本体価格1,300円+税
ISBN:978-4-7612-7111-4

【記事まとめ】ワーママBook Shelf

横山香織

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