2015.11.02
フルタイム勤務のママが小学校受験に挑戦! ~ワーママ受験奮闘記〜
小学校受験、それは幼稚園に通っている子どもの話と思っていませんか?
確かに、時間に余裕があって、塾(お教室)の送り迎えも全部自分ででき、家でもゆっくり子どもの相手ができる幼稚園ママの方が受験を考える確率は圧倒的に多いかもしれません。
でも、ママがフルタイムで働いている保育園の子だって、お受験にチャレンジできるんです! 今回は見事第一志望にお子さんを合格させたワーママにお話をうかがいました。
試験はどんな内容なの?
お話をうかがう前に、まずは今の小学校受験問題はいったいどんなものがあるのか、調べてみました。
例1.ある展開図があり、組み立てるとどんな形になるか選ぶ。
例2.少し複雑な図形を見せ、いくつかの似たような図形の中から同じものを選ぶ。
例3.いろんな種類の花の絵が描いてあり、同じ季節に咲くものに○をつける。
例4.「女の子は『すてき』と思うものを見ています。女の子が見ているものを描いてください」という問いで、絵を描く。そしてさらに、その絵を描いた理由を説明する。
なるほど、1+1=2というようなあまり考えなくともにぱっと答えが出せる問題よりも、「この子はどうやって答えを導き出すのか」あるいは「この子がどういうことを考えているのか」という推理力や思考力を重視する問題が多いようですね。これはなかなか大人でも難しい…
余談ですが、フジテレビで火曜19時から放送している「ペケポンプラス」というクイズ番組で、小学校受験の問題がたくさん出題されるので、見てみては。解答するのはもちろん芸人などの大人。子どもが解く問題なのに、大の大人が頭を悩ませるほどの試験内容なのです。
塾(お教室)にはいつから、どのくらい通った?
お話しを伺ったかた・・・Sさん、公務員、44歳、お子さん8歳、5歳。
小学校受験を考えた理由は「子どもの持っている個性や資質をしっかり伸ばしてくれるという教育方針の学校を受けさせたかった!」だそうです。
子どもが年中の年の11月からダメ元だと思って、正直気楽に塾通いを始めました。
最初の5ヶ月ぐらいは平日の週1日夕方から塾に通い(1回2~3時間)、プラス1ヶ月おきに模擬試験。
翌年、年長になった4月からは、週2日(集団行動観察の授業が増える)、さらに7月の半ばからは夏期講習(ほぼ1日がかり!)も始まったりで、週4日(他の教室を2件追加したり、志望校別対策の授業も増えたので)というハードスケジュールになりました。それにプラス模擬試験も月2回くらいありましたね。
なので、夏の間はほとんど保育園に行けませんでしたね。
そう、平日は誰にも協力をあおげないママは、土曜にまとめている人もいました。そうすると、朝9時半~16時半というハードスケジュールでしたけど…
教室の送り迎えは誰が?
平日はばあば(私の母)、土日は私がしていました。
ばあば様々なのですが、ばあばだと授業を参観していても、自分の子に何が足りないのか、どこをどうすれば伸びそうかなど、母親なら気づけそうな箇所に気づけない気がしました。うちの場合、ばあばが甘いし…でも、どうしようもないのでお願いしてましたが(笑)。
子どもを通わせていた教室は、参観は月1しかできませんでしたが、もちろんしなくても大丈夫。
でも、先生がペーパー(宿題)の正解や解き方を言っていたり、行動観察のポイントを言っていたりするので、忙しいワーママにはなかなか難しいかもしれませんが、時間があれば参観したほうがベターです。
子どものやる気を出すために心がけたことは?
とにかくできたら誉めちぎる! これ大事です。やはり子どもは親に褒められることが一番のモチベーションアップにつながると思うんです。
あとはそうですね、リフレッシュのためのお金&労力をけちらない。ちなみに、わが家は年に1回はハワイに行って羽を伸ばしまくっていました!
平日や休日、家でも勉強の相手はしてた?
やってましたよー!私が帰宅後に毎日。だいたい18時半には帰宅できていたので。
ペーパーを見て採点し、間違ったところはなぜ間違ったのか、そしてどうやれば正しい答えが出るかをゆっくり丁寧に説明するように心がけました。試験時期に近づいたときはもちろん面接の練習も! 主人を巻き込んでやってましたね(笑)
もちろん、家事は本当におろそかになってしまいましたね。掃除はルンバ、洗濯は主人。「今は何が一番大切か、何に一番時間を掛けるべきか」と割り切っていました。でも、食事作りは頑張りましたよ。そのころ原発の関係もあって食材に不安もあったので、関西や九州から食材を取り寄せるなどして、睡眠時間を減らして料理していました。
主人も忙しい人でしたが、洗濯に加えて土日に下の子を外に連れ出してくれたり、できることをしてくれましたし、下の子も事情というか空気を察したのか、駄々をこねたりとかはしませんでしたね。
一番大変、あるいはしんどいと思ったことは?
まずは「お金」です。
とにかくほかの良い教室があればそこも、夏期講習があればもちろん申し込むなど、高かろうがなんだろうが払っていたので、金銭感覚がすっかり麻痺してしまったんです。教室の月謝が7~12万円、夏期講習と直前講習に200万ほど使いました。
合格できるか不安もどんどん増して、気付いたらすごい金額を払っていましたね。しかも口座引き落としなので、カードと同じ、どんどん使ってしまうんです。最後のほうはどれくらい払ったのかすら分からなくなっていて、後から真っ青。
模試などで合格圏内が出ていたので勢いで払ってしまったというのもあったと思います。
後は「不安」ですね。特に仕事との両立で気持ちがぐらぐらしてしまった時期もあります。全面的に子どもの受験に関わった方がいいんじゃないかと悩んだり。受験準備の間はずっと、気持ちの切り替えが上手にできていなかったと思います。
一番頑張ったことは?
子どもが頑張ったこと
毎日のペーパー(宿題)です。だいたい10枚くらいなのですが、多いときは30枚くらい! 泣きながらやっていた日もありましたね。
保育園の同じクラスに他に2人ほど受験準備をしている子がいたので、その子たちと「昨日ぼくは20枚やったよ」「ぼくなんか30枚!」と競うようにやっていました。今思うとその子たちに本当に感謝です。子ども心に切磋琢磨頑張ってたんですね。
ママが頑張ったこと
ともかく出来るだけほめること。ほめちぎる! そうそうほめることなんてないから、「ほめネタ」を探すの大変でした(笑)
おだてて勉強してくれるのって、幼児だけかもしれないですね。
働いていてもできる方法を探してみましょう!
いかがでしたでしょうか? 現在は下のお子さんの受験準備に忙しいSさん。
でも、上のお子さんの経験があるので、今は気持ちの切り替えなどもなんとか上手くできているそうです。
ここ最近、フルに働いていても小学校受験を考えるワーママが増えているようです。学童の中に塾がある民間施設や、送迎付き(保育園にお迎え、自宅まで送る)の塾も出てきていたりという影響もあるそうです。Sさんのお子さんが通っていた教室も、2年ほど前からワーママが増え、土曜クラスはすでに満員御礼だそう。
お話を聞くと気の遠くなりそうな金額がかかるし、ばあばなど協力者がいないとなかなか難しいですが、我が子に合った教育を受けさせたいというママの強い気持ちが子どももママも突き動かすんだな、と思いました。
そして何より、子どもとママの苦労が報われた「合格」という結果を生んだときの喜びは測りしれぬほど大きいことでしょう!
「この小学校に行かせたいけど、働いているからうちはとても無理だなあ」と諦める前に、できそうな方法をリサーチしてはいかがでしょうか。
田崎美穂子
mamaライター