2015.11.26
大人も子どもも爆笑! 笑える&元気になるオモシロ絵本
絵本好きママが薦める「読んでよかった!」
『りゆうがあります』 『もうぬげない』 ヨシタケシンスケ 著
なぜウチの子はいつも鼻をほじってるんだろう…?
我が家の6歳長男、気がつくといつも鼻をほじほじしています。しかも、そのほじった指を口に運ぶんです、誰も教えてないのに。
あぁ、今日もせっせせっせと鼻くそを食べています。それ美味しいの? もしかして栄養補給? ちゃんとごはんあげてるよね??
などと、ツッコミたいのをグッとガマンして、見かけるたびに「キタないからやめなさい」「お行儀悪いよ」などと注意しますが、いっこうにクセは治りません。それどころか、本人も悪いことと思っているからなのか、怒られるのが嫌だからなのか、隠れてこっそりほじほじするように。どうしたもんか……と思っていました。
そんなとき、資料本を買いに立ち寄った書店で、長男とまったく同じ、鼻ほじ姿の男子が表紙の絵本を発見!(しかも裏表紙では、その鼻くそをしっかり食べてる(笑))それが、この絵本『りゆうがあります』との出会いでした。
大人にだって、ついやってしまうクセがあるでしょ?
鼻をほじったり、爪をかんだり、ごはんをボロボロこぼしたり……子どもたちが、ついやってしまうクセ。でも、ちゃんとした「りゆう」があれば、お母さんに怒られないんじゃないか……というのが、この絵本のお話です。
読んだ最初の感想は、「息子のことかと思った!」。ストローをガジガジしたり、一段高いところを見ると上って歩いたり、汚れた手を服で拭いたり……。我が家に限らず、男の子のお母さんの多くが「ある!ある!」とうなずく癖ばかりですよね。
そして、思わず感心しちゃうほど、主人公の考える「りゆう」(というか無理やりなこじつけ?)がとにかく面白い! それを受けとめる、お母さんのやや冷めた反応もイイ感じ。
しかも最後に主人公は、「大人だって、ついやっちゃうこと、あるでしょう?」と、反撃とばかりにお母さんのクセを指摘。それに対するお母さんの返しもステキで、なんだかほっこりした気分になります。
もちろん、これを読んだからってクセがなくなるわけじゃありません。でも、怒ったり注意したりばかりじゃなく、もっと大らかな気持ちで子どもに接しようと思わせられる絵本でした。
話題の新刊も安定の面白さ!
一方、『もうぬげない』は、10月上旬の発売直後からネットを中心に話題になっているヨシタケ氏の最新刊。amazonなどの通販では品切れだったので、書店へ走って手に入れました。
「ぼくのふくが ひっかかって ぬげなくなって、もう どのくらい たったのかしら。」で始まるこの本は、上着が脱げなくなった子どもがジタバタした後、「ぬげないんだったら、ぬがなきゃいいんだ!」と開き直っちゃうストーリー。
子どもって、服のボタンをはずさないまま無理やり脱ごうとして引っかかるってこと、よくありますよね? そんな日常のひとこまから、「このまま大人になるのかな?」「仲間を見つければいいんだ!」など、子どもの妄想力が全開に。ページをめくるたびに笑えるんですが、さらに結末でまた大爆笑させられます。我が家の子どもたちも大笑いして読んでいました。
二冊とも、子どものかわいさとオモシロさが、ギュッとつまっている感じ。ストーリーはもちろんのこと、絵の力の抜け具合も絶妙で、男の子の何気ないしぐさや表情、ぽっこりお腹がたまりません。育児に仕事に疲れたなという時、子どもと一緒に大笑いしたいなという時、ぜひ読んでみてください。
<お薦めしてくれたワーママ>
3人の子どもを育てつつ、在宅仕事をしているワーママ。長男は、『りゆうがあります』を読んだあと、鼻をほじる回数が少しだけ減りました(笑)。私はすっかりヨシタケワールドに魅了されたので、ほかの絵本やエッセイなども読んでみたいと思っています。
『りゆうがあります』
ヨシタケシンスケ 著
PHP研究所
定価:本体1,300円+税
ISBN:978-4569784601
『もうぬげない』
ヨシタケシンスケ 著
ブロンズ新社
定価:本体980円+税
ISBN-13::978-4893096098
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横山香織
ライター/編集者