2015.12.17
「子育てはいつからでもやり直せる」って本当?
思春期目前の子どもを持つママが教える「読んでよかった!」
『いつからでもやりなおせる子育て』 池添素 著
感動して2回も見た講演会のDVD
年少の娘が通う保育園では、年に3回ほど様々な分野の人を招いて行う講演会があります。
今まで面倒だと思って参加した事がなかったのですが、ママ友が「楽しかった!」とか「良かったよ~」と言っているのがちょっと気になって、後日、園で貸し出していたその講演会のDVDを借りて見てみたんです。
すると、講師の方の話し方がとても上手で引き込まれ、内容も共感できるところが多く、なんと2回も見てしまいました!
講演会のタイトルは、「いつからでもやり直せる子育て ~子どもと一緒に育ちを振り返る~」。
すっかりその方のファンになった私は、その後、保育園の貸出本の中に同じタイトルの本を発見。講演会の内容をわかりやすくまとめてある感じで、こちらも子育てに参考したいポイントがたくさんあったのです。
子どもと一緒に育ちを振り返る
著者である池添素さんは、子育て相談室のカウンセラー。
京都で「らく相談室」を開設し、さまざまな子育ての悩みや発達の相談などを受けているかたです。
池添さんによると、いま学校の先生や学童の指導員、保育士などから見て「ちょっと気になる子ども」が増えているそう。
例えば、
遊んでいてもすぐに飽きてしまう
ちょっとしたことですぐ怒る
自分の気持ちをうまく表現できない
外で集団で遊ぶより部屋で好きな遊びをしたがる……。
その要因は私たち親にあり、その背景には、情報過多になっている現代の子育て事情があるといいます。
育児雑誌や書籍、WEBなどのあふれる情報により、「他者と比べ」たり、「できる・できないに一喜一憂」したり、できるだけ早くしつけや教育をと「あせって」しまったり。そのしわ寄せが、子どもの「気になる姿」「困った言動」に表れているのだそう。
しかし、そのような困った行動は、子どもからの大切なサイン。その裏にあるメッセージに気付いたら、いつからでもやり直せると池添さんは言います。
まずは、困っている行動の裏側にある「わけ」を考えること。そして、それに基づき子どもへの接し方を見直すことで解決できるのだそうです。
また、日頃から子どもとのコミュニケーションで大切にしたいポイント3つも、印象に残りました。
●「子どもの話を最後まで聞く」:途中で口を挟まず、いったん最後まで聞く。親の「言いたいこと」は後回し。そうすることで信頼感が生まれ、何でも話せる親子関係に。
●「自分で決めるチャンスを」:親が何もかも決めていると、大きくなってから一人で判断ができなくなる。着たい服、食べる物など日常生活の何気ないことから自分で決める体験を。
●「大人の言葉は丁寧に伝える」:「ダメ」の一言で終わらせるのではなく、「なぜダメなのか」を説明する癖をつける。いつでも丁寧な言葉で、親の考えを伝える努力を。
どれも普段できていないことばかり……。子どもが大きくなってしまう前に、ぜひ実践したいと思いました。
約束を守れないのは、子どもが自分で決めたことではないから
我が家には、年少の娘の他に小学4年生の息子もいるのですが、彼が「約束を守れない」ことが気になっていました。
しかし、本の内容に合わせて振り返ってみると、「約束」って本来はお互いの合意が必要なはずなのに、子どもとの約束って、親が一方的に決めているなぁと。
私がよく言っていた約束は、「帰ってきて1時間以内に宿題が終わらなかったら、テレビもゲームも禁止!」というもの。
でも、これって一方的に私が決めただけで、子どもだって学校から帰ったら少しくつろぎたい時もあるし、学校で勉強してきたのに帰ってすぐ宿題なんてしたくないよなぁ…って。つまり、これを守れないのは「子どもが合意していない約束だから」だって気付いたんです。
それからは、約束をする時には、子どもと一緒に考えて決めて、「自分で決めたんだから守ろうね」ということに方針転換しました。
娘に対しても、「ママ一緒に○○しよう」と言われた時、「あとでね~」と軽い約束をしてしまい、そのままだったりしたことを反省。
今は「お待たせ。さっき我慢できたから、今しようね」と、“約束を守ることも大事”ということを私が率先して示す……と、接し方を見直すことができました。
これからも子どもが成長するに従って、その都度、気になることや問題が起こってくると思います。
そんなときも、この「いつからでもやり直せる」の言葉を胸に、子どもからのサインを見過ごさないよう、しっかり向き合っていきたいと思います。
<お薦めしてくれたワーママ>
10歳の男の子、4歳の女の子のママ。事務職などを中心にキャリアを積んできたが、ご主人の海外赴任を前に一旦退職。
来年春からアメリカで、家族4人の生活をスタート予定。子どもの学校や保育施設をリサーチし、日本との違いに驚く日々。
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横山香織
ライター/編集者