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2017.02.10

全然違う!保育園と小学校【先生の違い】、親はどうあるべきか考えてみた


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保育園では「○○先生と結婚した~い」なんて可愛いことを言っていたわが子。でも小学校の先生と保育園の先生は違います。具体的に何が違うのか、そして小学校の先生に対して「親はどうあるべきか」を先輩ママの視線からお伝えします。

小学校「先生と気軽に話す機会がない」のが普通

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一番の違いは「先生と話す」ことが、小学校では非常に少なくなるという点でしょう。そもそも「お迎え」もないのですから、先生と会う機会自体が決まってきます。ちなみに1年生で「家庭訪問」は4月から5月にあるのが一般的ですが、

・家庭調査表を見て、家族構成などの確認だけだった
・10分も話さなかったように思う……
・子どもについて聞いても「楽しそうですよ」のひと言で終わった

あまりの短さと内容の薄さに「拍子抜け」するかも。後から「もっと学校の様子とか教えてくれたらいいのに!」と不満を感じるかもしれませんね。会社は半休をとり、必死に部屋中掃除したのに……なんぞと、ちょっとワーママ目線でのプチ文句のひとつも言いたくなります。

が、これが普通です。実際問題として1年の4月では、先生もまだ子どもの様子も把握しきれいない所があるでしょう。

家庭訪問だけでなく、保護者会にしても、個別に先生と気軽に話せるチャンスはほとんどありません。この先生との密度の薄さ、が親の不安につながるケースもあるようです。

小学校「先生はお世話はしてくれない」のが普通

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小学校の先生は、子どもの「お世話」はしてくれません。例えば、ノートが終わってしまっても子どもが黙っていたら「ノートが終わっちゃったの?紙をあげるから書きなさい」なんて気づいてくれる方が少ないです。宿題を3日忘れてても、先生から電話で連絡がくるわけでもありません。(中にはいますが)。

1年生くらいだと牛乳をこぼしたりもしますが、それを拭いてくれても「今日、○君は牛乳こぼしちゃってズボンを濡らしました」なんていちいち教えてくれないでしょう。拭くどころか「ハンカチは?それで拭きなさい」以上、というのも珍しくありません。

いずれにしても「いつ、どこで、なにが、どうした」と先生から連絡がくるのはまずないと思った方がいいですね。あるとすれば、それだけ重大なこと、相手が怪我するとか友だち同士の深刻なトラブル時です。

保育園では先生は「先生であると同時に第2のお母さん」の役割もしてくれていました。お母さん目線で「こんな事ありましたよ」と話してくれますが、小学校の先生はあくまで「先生」なんです。

小学校は「社会生活のスタート地点」

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もちろん学校の先生も生活面の指導はします。きちんと席について先生の話を聞く、先生の指示を守る、みんなで行動する——要するに「集団生活での規則を守る」といった面での指導です

私が感じたのは、小学校は「初めての本格的な社会生活」なんだという事です。社会生活というと大袈裟ですが、自分のことは自分でする、間違いや失敗は自分の責任になる、といった当たり前の事を体験していくのも「社会に出るのに必要な学び」です。

うちの次男は最近「書道」で半紙を忘れました。1度目は隣の友だちから貰いなさいと言われたようですが、2度続いた時に「では今日はノートに書き方を練習しなさい」と怒られました。もはや高学年ですので、私は書道のセットを毎回確認していません。本人が「半紙がなくなりそうだから買っておいて」と自分で「段取り」をつけるべきなのです。

グループ学習の時も、「好きな人同士」で組ませてくれる事もあります。そうなると、子どもは「男女で6人」と言われて色々考えます。○ちゃんがいい!と譲らないタイプもいれば、人見知りで自分から言い出せない子もいます。保育園や幼稚園なら、先生がその中に入り「おとなしい子には声をかけ、うまくまとまるように」誘導してくれます。

私もそうでしたが、子どもから「好きな人同士って言われた」となると、大変!「え、お前はどうだったの?ちゃんとグループに入れたの?誘ってもらえた?」なんてついつい聞きたくなります。仲間はずれにされているのでは、誰にも声をかけられなかったのでは、誰かを入れないと騒いだのではないか、最初の頃はあれこれ気に病むかもしれません。

小学校の先生は(もちろん先生にもよりますが)、こうした場面も「集団で行動する」学ぶ一面として捉えています。仕切る子もいれば、それについていく子もいるし、反抗的になる子もいる。でも最終的に子供達の話し合いで決着をつけていく。その過程を「コミュニケーション」の場として学ばせてくれているのだ、と親は考えた方がよさそうです。

親が先生を先生として認めて尊敬するのが大切

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特に低学年のうちは「至れり尽くせり」だった保育園時代の先生を思い出して比べてしまいがちです。でも、子どもも「巣立ちの時」を迎えたのだと考えましょう。人生において非常に重要な「社会人として生きる力」を学ぶスタート地点が小学校なのです

飛びつけば抱きかかえてくれた近さにあった先生が、小学校では「先生と生徒」として距離が出来ます。先生が遠くなったのではなく、先生と生徒という立場の違いがより明確になっていきます。

中には「この先生どうなの」という事もあるかもしれません。ですが、子どもの前で決して先生の悪口や批評をしないのが大切です。

こんな言い方はよくないのかもしれませんが、たとえ「形だけでも」家庭内では親は「担任の先生を信頼している」姿勢を見せるべきだと思います。特に低学年のうちは子どもは無意識に親の「考え」を自分の中に照らします。親が平気で「うちの担任ときたら」と話していれば、子どもも「先生ってどうしようもないんだな~」となめてかかるんですね。

小学生になると、保育園の頃よりずっと子どもの精神が成長します。この時に親が教師を認めないと、子どもは教師だけでなく学校という存在そのものを「どうでもいいもの」と勘違いしてしまいます。極論になりますが、それは自分が所属する社会を否定する事にもつながりかねません。

全ての先生が信頼できるとは限りません。残念ながら「困った先生」も存在します。その時は先生本人と話しづらければ学年主任なり、校長先生なりに率直に「先生について疑問に思うこと」を相談すればいいのです。

いい上司もいれば、どうしようもない上司もいる。気の合う同僚もいれば、相性の悪い相手もいる。それが会社であり、社会です。小学校はそのごくごくミニチュアの世界です。子どもが成長と共に学ぶべきは学習だけではなく、「社会の仕組み」です。

親がまず、先生を信頼する姿勢を見せれば、子どもも先生を信じ、小学校という社会に自然ととけ込もうとします。大袈裟なようですが、ひとり社会人に育てあげた先輩ママとしては、「まず先生を信頼する」「友だちを信用する」裏切られてもめげずに、新しい希望を持てるように育てていくのが大切なようが気がします。

そのためにも、保育園時代とは違う「先生の立場」を親子ともに理解したいですね。最初のスタート地点でまず親が「先生を尊敬し信頼する」その姿勢をはっきりと子どもに示していくのが大切なのでは、と思います。

大橋 礼

大橋 礼

年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。


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