2017.06.22
嘘・言い訳・手抜きを上手に使いこなす!やっぱり【ママが史上最強】な理由って?
もはや開き直りかもしれませんが。最近つくづく「母はスゴいんだな」と自ら思うようになりました。
嘘をつく母
「明日は夕飯の買い出しするわー。何か食べたいものある?」これは私がしょっちゅう口にする言葉です。当然、子どもは「ガバオライス」(……わかってます、変です。でもウチは今、次男がガバオライスブームなんですよ)とか「麻婆豆腐」とか言います。ふんふん、と私は聞いています。
そこに口をはさむのが夫で、こちらは大抵「食べたいもの」ではなく、「あ、歯磨き粉なくなりそう、CMでやってた黒いやつ、炭で脱臭とかいうの、アレいいな」「ジーンズ用に蛍光剤の入ってない洗濯石けん買っといて」とかいう、微妙に細かい注文をつけたリクエストを出してきます。
ふんふん。
と、私は聞いています。
が。翌日、私は午前中煮詰まった仕事をし、途中でやたらメールやグループウエアのお知らせがピンポンピンポンと入ってきて、どん詰まりになります。夕方、6時ちょい前に小走りになってスーパーへ駆け込む事になるわけで、当然ながら
「……えーと、パスタでいっか」
「なんだっけな、夫がなんか言ってたな。まぁいっか」
食卓に並んだのは、手早く作ったスパゲティとサラダで、平日には買わない約束のコカコーラを並べ、夫には「冷えてるよーん、白ワイン!」と叫んで、家族の興味をそらせます。
子ども「あ、あれ、ガバオ……」
私「平日だって言うのにコーラ、ラッキーだねぇお前は!」
夫「そうだ、洗剤どうした」
私「あ、あれ? 売り切れてたなぁ~」
いけしゃあしゃあ、という比喩がありますが、まさにその通り。母は史上最大の女優です。
アテにならない約束をする母
いい気分の時だってありますとも。
仕事がうまくいき、夕方すこし余裕があり、ちょっと手間かけて料理なんて用意しちゃって。風呂上がりのビールはうまい。夫もたまたま早く帰宅、和やかな雰囲気の食卓です。
「今週末はいい天気っぽいわね~」
「一番いい季節だな、最近は梅雨が早いからな」
「週末あたり、たまにはピクニックがてら出かけちゃう?」
「ほんと!? アスレチック行きたい!」
「お弁当作るわぁ~」
「あ、そういえば臨時収入あるんだ」
「へー」
「土日のどっちかはショッピングいこーか。どっかでポケモンフェアやってたよねぇ?」
「○○だよ!」
そして土曜日。金曜日の飲み過ぎで朝10時にノコノコと起きるが、朝食を作る気力なし。力なく1000円札を長男に握らせて「な、なにか買ってきてよ」。自分ひとりだけ、インスタントの味噌汁を飲んでベッドに逆戻り。ふとカーテンごしに見ると
(しめた、天気予報はずれてるじゃん!曇りだし~)
ちら、とドアごしに寝ている私を見にきた次男に「ん~、天気悪いからなー、う~ん」とくぐもった声でつぶやいてみせました。昼ご飯に出前のカレーを大盛りで頼み、家族の冷たい視線をスルーしてムシャムシャ食べると、俄然、パワー復活。
「いや、今日はピクニック行けなかったが、ま、来週があるしね。それより明日はショッピングモール行くから」
明日は朝一番に起きて、たまった洗濯物をやったら、久しぶりに朝からご飯炊いて「干物・納豆・煮物に味噌汁」和定食作るわ。午前中に夕飯の仕込みして、あとキュウリが緑色の汁お化けになる前に、袋から飛び出てカチンカチンに変色もしているウィンナーも、冷蔵庫の中身を整理して捨てとかないと。まぁ午後には出かけられるでしょう。
段取りをつけながら飲んで、寝ました。朝は、思ったよりは早く起きられなかったが、ともかく和定食までは順調ですよ!
……が、なぜでしょうか。気持ちが、外出に向いていかないのです。疲れてるんです。母はね。週末も「働いている」そう思ったりします。1年365日、何もしない日がないんだ、母には。旅行に行ったって、荷物を置いた瞬間に着替えを出したり、なんだかんだとするわけだし。戻ってきたら洗濯物の山と闘うわけなんだし。
連休も正月休みも、母が全く「家事も仕事も一切しない日」なんてないんです。
ないんですから、疲れてるのよ。疲れてるから、今日はしょうがないのよ。冷蔵庫掃除が終わって、どかーんとベッドに寝転んで雑誌を広げた私を、また、ドアごしに次男坊が見ています。
夫元気で留守が言い・・・と思う母
夫の仕事が忙しい。「数日はかなり遅いから、適当にご飯食べてて」と食卓で言った途端に、目の前に座っていた子ども二人の表情が変わります。
「あ、手抜きご飯だね」
だからどうした、ですよ。当然ではありませんか。子ども達だけなら、なんでもよろしい。残り物に、500円玉握らせてコンビニで買ったコロッケに春巻き。最近のお総菜ってオイシイのね、普段ママは何でも手作りだから、新鮮に感じるわね~!で、高笑いすれば、子どもは無表情で食事中。
「ママは確かに冷凍とかは使わないけど」
「でも、パパいないと買ってきたトンカツだけ、とか」
「焼いた肉のっけただけ、とか」
だけ、とか。だけ、とか。だけ、とか。
栄養なんていいんですよ、ほら3日で1単位で考えるとかよく言うではありませんか。ご飯炊いただけでもありがたいと思ったらどうかね?と、サラッと言って、白ワインあけてグラス片手にポテチつまんでテレビつけると。
インタビューで週休3日制度について答えていました。多くの人が「賛成」する中で、若いママが
「休みが増えて夫が家にいると余計に大変」
おおおおおおおおおお!
わかりますとも。3連休は楽しいけれど、3連休終わるとホッとしてたりしますから。
夫元気で留守がいい。
誰が言い始めたのか知りませんが、そういう部分はありますね。昨今のイクメン、こちらのサイトで取り上げられる「家事も育児もやってくれるパパ」なら大歓迎でしょうが。本当にそんなにたくさん、イクメンパパっているのでしょうか。
いないから、取り上げられて、紹介されたりするのでは。と、思ったりもするわけで。
サザエさんにはなれないが「私は史上最強の母」
話を戻しましょうか。
嘘もつく。言い訳もする。言い訳すらせずに開き直る。
飲んで上機嫌もあるけれど、さしたる理由もなく不機嫌で疲れてきっていたりもする。
しょうがないんです。ママは許される。なんだかんだで許されるべき存在なのです。鬼嫁になんてなりません。なりたいのはいつだって笑顔で元気なサザエさん。でも、サザエさんは恵まれています。実母に家事を助けてもらい、マスオさんと父親は仲良しで。
現実はとっても過酷。
働く母に子育てする母、介護する嫁に、夫とのレスで密かに悩む妻、いくつもの顔が見え隠れする日々。ママは日々、闘っているのです。
でも実は負けたことがない。ドローはあるし、たまには逃げる事もあるでしょう。試合放棄に家庭放棄も半日くらいあるかもしれない。それでもやっぱり。
ノックアウトされないんです、負けたように見えてもまた立ち上がってる。立ち上がってやらざるを得ないだけだとしても。それでも立ち上がってる私、それにあなた。それが、ママなんです。
史上最強「それはママである!」大声で叫べず、つぶやく私。ドアごしに次男坊が見ています。
大橋 礼
ライター
年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。