2018.11.28
保育園・幼稚園から小学校、中学まで学力に差がでる時期はいつ?
「あの子って頭いいよね」「1組の○○ちゃん、すごいデキるんでしょ?」そんな話題でママたちがコソコソっと盛り上がっていることがあります。学力差が目に見えてわかるようになると、わが子の成績がさらにさらに、気になりだします。
学力に差がでる頃こそ、子どもを叱咤激励し、勉強に本腰を入れさせたいところですよね。では、本当に「学力差」を感じるようになるのは、いつ頃なのでしょうか?
すでに、高校や大学まで子供を育てたベテランママたちに「あなたが子どもの学力差をまじまじと感じたのはいつ?」と聞きました。多かった意見や「なるほど」と思った回答をピックアップして紹介します。
多かったのは「小4・小5」という意見
「小4あたりからデキる子がハッキリしてくる」
低学年のうちは「どれだけ親がしっかり勉強を見ているか」「先取りで学習してきたか」次第だと思います。そもそも1~2年生ではそれほど大きな学力差までは感じません。学力に差があるなぁと実感し始めるのは小学校4年くらいから、5年生にもなると「あの子はできる」とハッキリ、頭の良い子という認識が子ども達の中でも出来上がるような感じでした。では高学年で頭の良い子はいつから芽が出ているのか、と後から思うと、結局、低学年のうちから少なくとも机に向かい、宿題はきちんとやるくらいの「学習習慣」が当たり前についている子だと思います。1年生のうちは特に目立たなくても、地道に学習を積み上げている子は小4くらいから、「あれ」って感じで出来るようになるケースもけっこう目にしました。(Y・Kさん)
「算数が難しくなってくる頃から学力差が見えてくる」
算数で少数や分数がでる頃(小4くらいから)に「できる子」「できない子」の差が広がっていくような印象を受けました。算数以外でも、学習内容が暗記だけではこなせなくなってくると、親が例え家でやらせても「教えきれない部分」や「子どもがわかってないことが、よくわからない状態」になって、フォローが難しくなり、気づくと勉強ができない方になっていたな~という、私の反省も含めた経験談です。(I・Fさん)
「応用力が必要になってくる小学校高学年から」
「勉強でつまずく」のが現れるのは小学校3~4年生です。算数が一気に難しくなりますし、理科や社会も頭で考えて回答しないとできない問題が出てくる小5にもなると、そこで学力の差がハッキリしてきたと思います。それまではたぶん、暗記力があるとか、何度も繰り返してやらせれば「テストの点数はとれる」んですよね。でも、読解力とか、覚えたことから応用して回答したり、いくつかの公式をあてはめて思考しながら答えを出すような問題が増えてくると、学力の差が明らかになってくると感じました。算数だと少し複雑な文章題、つまり計算だけできてもダメで、問題の意図を読み取る力が必要になる頃。思考して答えが出ることに面白さを感じられるような学びをしている子は、たぶん、小4以降も一定の成績を取れるんじゃないかと思います。(U・Nさん)
中学に入ってからが「本当に学力差を感じた」という意見
「ドラマみたいにはいきません・・・」
本当に学力差が出てくるのは、中学に入ってからだと思います。中学になると中間・期末テストがあり、順位も出ます。そのくらいになると、例えば100人の子がいて、98番だった子が次の期末テストで一気に20位以内に入ってくる、なんていうことはめったにないです。トップ10ともなると、ほぼ名前が決まっている感じで、あとはたまに部活終了してから男子で一気に成績が伸びたとか、高校受験に明確な目標ができて、集中できる子が上位に食い込んでくることはありますが・・・。ドラマみたいに、ビリの子が一気に成績トップになり有名校に受かるなんていうのは、本当にまれな話です。(E・Aさん)
「学力差を思い知る中学生、でも追いつくのは大変」
学力の差はごく小さいうちから少しずつ確実にあり、それが目に見えてわかりやすいのは中学にかけてだと思います。中学は成績順位がハッキリ出ますから。で、中学になってから「やばい!」と思っても、反抗期だったり、親の言うことなんぞ耳にしない年頃ですから、かなり難しい。つまり、親に褒められることが嬉しい年代のうちに、ある程度の学習環境を整えておけば、落ちこぼれになることは少ないのは事実だと思います。ま、何事も例外はありますが。
ちょっと学力差とは違う話ですが、両親がいい大学を出ている場合、子供も勉強ができるというのは、実際に多いと思います。遺伝とかではなく「何をやらせたら学力があがるか」を経験的に知っているのかなと思いました。でも、親のプレッシャーで「超難関中学・高校に入ったものの」そしていわゆる「良い大学に合格しているのに」東大や京大レベルを目指して浪人し、結果的にそのままズルズルと浪人時代を過ごして高卒のままだった・・・と後から知ったことがあります。(A・Mさん)
小さい頃から「学力の差」はあるという意見も
「4〜5歳でも学力差はあると思う」
幼児教室の講師で、家庭では二児の母です。私の経験では4歳や5歳から「頭の回転がいい子」はいて、学力差というか学習能力の差があると感じます。そういう子は、小さいうちから好奇心旺盛だし、遊んでいても集中力がある感じかな。そして、小学校入学してからも、同じ1時間でも、出来る子は要領よく、大事なところを落とさず、びしっと勉強する。授業もきっちり頭の中に入っている。幼児教室の先生として外では言いませんが、まぁ、けっこう小さな時から勉強ができるようになるだろうな、という資質が見えてくる子は多いです。学力差は幼い頃から現実としてある、と、思います。(H・Kさん)
「小さい頃から〝ちょっと違うレベル〟の子はいる」
わりと小さいうちから「賢そうな子」っていますよね。パズルとかやらせてもスイスイできたり、都道府県全部覚えていたり、九九言えたり。それは親の指導もあるだろうけど、その手の絵本を与えてるだけでも、覚えちゃう子もいるでしょう。1度教えたことはすっと頭に入るタイプとか、暗記力がすごくいい子とか。小1だって100点しか取らない子っていますよ、すでに学力に差はあるわけです。
親が真剣に子どもの学力を伸ばそうとし、費用も時間もかければ、どの子だって「ある程度」までは学力は伸びるでしょうし、学力差も縮まるとも思います。でも学年にひとりかふたりはいる「ものすごくデキる子」は「○○ちゃんはちっちゃい頃からちょっと違ったよね」みたいな子です。小6の卒業に将来の夢を書いていましたが、まさにそーいうタイプの子がいて「物理学者、ソフトマターを研究したい」と書いていて驚いた。ちなみにウチの娘はその時「アクセサリー屋さん」と書いてました(笑)(T・Eさん)
子供の性格も影響している!?
「こんなに違う、兄妹の学力差」
幼いうちは、親が「やらせるか・やらせないか」だけです。でも大きくなるにつれて、子どもの性格が学力に影響するような実感を持ちました。上の娘はもともと頑固でちょっと扱いづらいのですが、なんていうか「やるといったらやる」(嫌なことは何を言ってもやらないんですけども)タイプで、それが小学校高学年になって「バカはイヤだ」とか言いだし、「はぁ?」と思ってたら急に勉強に励みだして、受験したいと言い、塾は最低限通っただけで難関校に合格。その後、国立大学に進みました。友だちの数は少なく「我が道を行く」、常に勉強はできる子でしたが協調性がないように思えて別の不安や悩みを持ったことはあります。今は研究開発の道に進んだので、ちょっぴり頑固な性格でも同僚や上司に恵まれて、仕事一筋って感じですね。こうなったらなったで「一生、恋人とかできないんじゃ?」と違う心配をしていますが。
ところが下の息子はのほほんとしていて競争心もない。成績が悪くてもニコニコ笑っていて40点のテストを顔につきつけても「やばいよね~!」の次に「で、今日のおやつは?」ですからね。怒ってもモノで釣ろうとしても、まったく学習意欲がわかないようでした。ただ誰とでも仲良くなって、偏差値ひくーい高校に進んだけど、毎日楽しそうですよ。どっちがいい、ということではなく、性格なんだなぁとこの頃は思います。本当の意味で学力差が出るのは、子どもの性格がはっきりしてきて、自我が目覚めて「親がなんと言おうと、その子のやり方で勉強しだす」タイミングではないでしょうか。(S・Oさん)
やっぱり気になる学力差。できる子の親でも「上には上」がいてヤキモキするかもしれません。できない子に手を焼いて「このまま、もっと学力差が広がったらどうしよう」と頭を抱えている人もいるかもしれないし、「今はいいけど、どの辺りで勉強に本腰いれたほうがいいのかな」と迷っている人もいるでしょう。
今回のベテランママたちの意見、ひとつの参考として頂ければと思います。
大橋 礼
ライター
年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。