2019.09.12
小学校の先生に聞く!【新1年生】が身につけておきたい習慣とは?入学前に練習できること
入学前に、どんな学習をしておいたらいいかということは気になるところ。BRAVAでも何度か取り上げてきましたが、学習とは別に「これだけはできるようにしておいた方がいい」ということは、けっこうたくさんあるようです。
今回は、小学1年生の担任を持つ先生のお話をもとに、「入学までに身につけておきたいこと」や、そのために親は何ができるのか、などを紹介します。
来年の4月から新1年生になる、あるいは今年中さんや年少さんのお子さんを持つママにも参考になると思います。
簡単な身の回りのことを自分でできるように
小学校は生徒約30人に対し、先生は1人。「簡単な身の回りのことは自分でできること」を前提に集団生活を送ることになります。できるようになっておきたい「身の回りのこと」とは?
・出したら片づける、を習慣に
小学校に入ると、お道具箱、体育着など、持ち物がぐんと増えます。それをある程度限られた時間の中で、自分で出したりしまったりしなければいけません。そのためには日ごろからお家で「出したら片づける」という習慣をつけておくことが大切です。習慣づいていない場合は、「ママと片付けようね」と誘って一緒に片付けるところから始めてみてはいかがでしょうか。
・1人でスムーズに着替えができる
小学校は体育だけでなく、プールの授業もあります。休み時間に着替え、時間までに集合して移動する、という流れもあるので、時間内でパパっとスムーズに着替えができるようにしておくといいと思います。お家では、「長い針が10のところになるまでに着替えようね」など、短い時間で着替える練習がおススメです。
・1人でトイレに行ける
ほとんどのお子さんはトイレで排泄できるようになっていると思いますが、用便を済ませるだけでなく、きちんとお尻を拭いて、流して、手を洗い、ハンカチで手を拭く、ということが「1人でトイレに行ける」ということになります。お家でも必ず手を洗って拭く習慣をつけてほしいと思います。
また、まだ和式トイレの小学校もあります。慣れていない子どもが多いので、外出先で和式の練習をしておくといいかもしれません。男の子は、小便器で服を脱がずに用を足せる練習もしておくといいでしょう。
友達と仲良く遊べる、自分のことをしっかり伝えられる
保育園では必ず先生の目があるので、何か起こったらすぐに仲裁に入ってくれます。しかし、小学校では休み時間や放課後など、子どもたちだけで遊ぶ時間がぐんと増えます。友達とはなるべくトラブルなく仲良く遊べるようにしておきたいもの。
・友達を傷つけるような言葉や行動を慎む
なにかあると、つい「バカ!」「もう入れてあげない!」と言ってしまう子どもの気持ちもよくわかります。なんせまだ小さいし、気持ちの切り替えもすぐできないし、ボキャブラリーも少ないのですから。でも相手を傷つけてしまうと、友達と仲良く遊べなくなってしまいます。つい言ってしまうことが多かったら、「バカ!」などと言ったことは厳しく怒り、「言われたら相手はどう思うか」ということを伝えます。そして、言わないように頑張れたらめちゃくちゃ褒める! まさにアメとムチで根気よく教えていきましょう。そうすると、子ども自身が相手の気持ちを考えるようになっていきます。
・感情のコントロール
これはなにも「空気を読む」ということではありません。子ども同士、学校ではいろいろなことが起こります。そういうときに、即座に怒りがボン! と爆発してしまう、あるいはその時は我慢できても、後で大爆発してしまっては、子ども本人も友達も辛くなってしまいます。
そういう時に、自分なりに落ち着ける手段(ちょっとその場から離れる、など)を身につけたり、「今のはちょっと嫌だった」などと自分の気持ちを表現できるようになるといいですね。お家で、「こんな場面だったらどうしようか」と親子で少し話してみてもいいかもしれません。
・自分の状態をはっきりと表現できるように
学校では、先生の見ていないところでケガをしたり、授業中に具合が悪くても先生が気づけない、という場合があります。そのときに自分から「どこどこで、こんな風に転んだ」「ちょっとお腹が痛い」など、自分の状態を人に伝えることができるようになるといいと思います。大人の問いかけの意味を理解し、しっかり答える練習をしていくうちに、表現する力もついていきます。
なるべく好き嫌いせず、時間内に食べられるように
保育園では、給食の時間も先生がしっかりヘルプしてくれるし、ダラダラ食べていれば声をかけるなどフォローしてくれます。小学校は、配膳から片づけまで子どもたちで行い、かつ時間内に食べ終えなければいけません。入学までにどんな準備や練習をしておけばいいのでしょうか。
・全員の配膳が終わるまで待てるように
給食が始まったばかりの頃は、自分の配膳が終わったとたん食べ始めてしまう子がいます。本人も「しまった!」という顔をするので可愛いのですが(笑)、全員の配膳が終わって、「いただきます」のあいさつをしてから食べ始めるのがルールです。お家でも、全員そろって「いただきます」の練習をしておきましょう。
・好き嫌いせず、30分以内で食べる練習を
小学校の給食は、園の給食やお弁当よりも量がグッと増えます。食材の種類も増えるので、入学前までにひとつでも苦手なものを克服したいもの。
また、給食の時間はおよそ40分間。そこには配膳や片づけも含まれているので、できれば30分以内で食べられるようにしておきましょう。お家でも「テレビを観ながら1時間くらいかけてダラダラ食べ」ではなく、1時間を50分に、50分を40分になど、少しずつスピードアップできるよう練習するといいですね。
・盛り付けも自分でできるように
食事の盛り付けも、自分たちで行います(給食当番)。こぼしてしまったり、多く盛りすぎて後の子の分がなくなった、なんてこともしょっちゅうのようです。それはそれで可愛い光景ですが、「1人分の量を知る」「配膳のスピードをつかむ」ためにも、お家で盛り付けの練習をしてもいいかもしれません。
焦って先取り学習する必要はない!
ひらがなが書ける、数を数えられる、などはもちろんできるに越したことはありませんが、
「漢字や計算などを先取り学習する必要はない」と小学校の先生はいいます。「文字は読めない、書けない」「時計は読めない」ことを前提に指導するそうです。
それよりも、お絵かきや歌や粘土、外遊びなど、幼児期に大切なことを楽しむことが大切。「机の上でやることだけが学習ではありません。五感をたくさん使って遊んだり、お手伝いをするなどの経験が、必ず小学校生活で生きていきます。たくさんの経験をすることで子どもの世界が広がり、学習につながっていく」んだそうです。
たとえば、ひよこに触る→フワフワの感触→「ひよこ」というひらがなに興味を持つことにつながります。机に座ってひらがなを1字でも多く覚える! よりも、日々の生活の中でいろいろな経験や体験をさせてあげたいですね。
「入学前までに、上記のことをすべてきっちり身に着けてください! ということでは決してないし、学校でもきちんと教えていくから大丈夫」と先生はおっしゃいます。毎日の授業や友達・先生とのかかわりの中で、子どもはスポンジのようにたくさんのことを吸収して成長していきます。親は、夕食やお風呂などのちょっとした時間に、子どもの話をしっかり丁寧に聞いて、その中で「嬉しかった」「悲しかった」などの感情をくみ取ってあげることが大切だそう。
「これだけはできるようにしなきゃ!」と焦ってしまう気持ちもあるかもしれませんが、ダメなことはダメとしっかり伝え、できたらたくさん褒める! 子どもなりの成長を忍耐強く見守ってあげることが一番なのかもしれません。
田崎美穂子
mamaライター